Kind of blueのstereo mixについて 4

    2008年発売の『Kind of blue』50周年ボックスセット(CD,DVD,LP+book)を久しぶりに取り出した。

    kob50 (3)
    *持っているのは輸入盤、付属のLPの写真はぼけていてコピーレベルの低品質

    いつもの如く、付属の本に書かれた英文は読んでいなかったので、今回初めて読んだ。

    僕は、強い興味が無い限り、英文にせよ日本語解説にせよ読む気が起こらないので、たいていマスタリングに関する情報部分しか確認しない。
    とても興味が偏っている(苦笑)。

    そして今回、購入後初めて読んだところ、本には次のように書かれてある(概略)。



    kob50 (10)
    *ハードカバーの本(左:表紙、右:該当ページ)

    “Sony BMGで公開された『Kind of blue』の録音テープ、1本はオリジナル『Kind of blue』用の一つにつなげられたマスターテープで、経年劣化でスプライシングテープは剥がれ落ち(つまり、それぞれの曲をつないでいるテープが剥がれてしまっている)、(楽曲部分の)テープは劣化し始めていた。
    そしてもう一つ、それぞれのセッションを収めたセーフティマスターテープ(2本のリール)があった。”

    1990年頃に、長年行方不明と言われていた『Kind of blue』のマスターテープが見つかり、92年のSBM CDでは、その見つかったセーフティマスターを使用したとあったが、セーフティマスターとはセッションマスターで、3トラックで収録されていた。だから、2トラックステレオにミックスダウンする必要があった……つまりremixだ。

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    *箱裏面、水色っぽいのは付属LPの裏面

    同時に発見されたアルバム用のマスター(*本には記載は無いが2トラックステレオと推測)は、初版mixと同じmix、あるいは初版mixに使用されたカッティングマスターを作成するために用意されたEQなど施していないマスターのどちらかだと思われる(この点については、既に情報が公開されているかもしれないが、僕はどちらなのか知らない)。
    残念ながら、それは経年変化・劣化で使用できる状態でなかったわけだ。

    だから、92年のSBM CD、95年のCR社製造のアナログ盤にセーフティマスターを使用していておかしくないし、それ以降も事あるごとにセーフティマスターから新たなステレオremixを作成していたと言うのも頷ける。
    スタジオの機材がデジタル録音用に移行してからは、デジタル音源の音質を改善するために何年かおきに新たな技術が導入されており、そういう節目ごとにセーフティマスターが引っ張り出されたと考えておかしくない。

    そして、この2008年発売の『Kind of blue』50周年ボックスセットに収録のCDでも、新たにセーフティマスターから新たなステレオremixを作成し使用している。

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    *付属のLP、見開きジャケットで、カラーレコード

    但し、このセットに収録されたLPについては、いつのremixを使用したのかは不明。
    はっきりしているのは、2nd mixではない、ということ。
    A面のピッチは修正されていて、A-1「So what」は、初版よりもフェードアウトが遅い。

    このA-1のフェードアウト部分で何回テーマを繰り返しているか、各remixごとに若干の違いがある。

    kob50 (14)
    *レコードジャケット見開き内部にCDやDVDを収納


    今回はここまで。

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    No title

    へぇ〜!Boxの鏡のようなセットですねぇ。

    やっぱりこういったボックスを購入する層といえばマスターがどうのこうの、ミックスがどうだ等気になっている人たちでしょうから、何を元ネタにしているのかを明らかにしてくれるのは本当に嬉しいことです。

    analog beatさんで『Kind of Blue』がパワープッシュされているおかげで、最近本盤SACDをよく聴いています。

    Re: No title

    Columbiaさん、こちらにもコメントありがとうございます。

    > やっぱりこういったボックスを購入する層といえばマスターがどうのこうの、ミックスがどうだ等気になっている人たちでしょうから、何を元ネタにしているのかを明らかにしてくれるのは本当に嬉しいことです。

    そうですね。普通のファンでなく、明らかにマニア狙いですね。

    でも、このボックス発売のきっかけはブートCDでした。
    セーフティマスターのコピーが出回り、セッションの様子が明らかになったことで、本家も本腰を入れて発売の準備を進めたのですが……何もしないでよかったのに、曲順(音源順)を変えられ、発売当時はがっかりしたマニアが多かったはず。

    > analog beatさんで『Kind of Blue』がパワープッシュされているおかげで、最近本盤SACDをよく聴いています。

    僕の持ってるSACDは国内盤の2ndプレスでハイブリッド盤です。
    もしかすると、初版のSACD層のみの盤の後に新たに3トラックマスターからremixされているのでは?と推測していますが……。


    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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