Kind of blueのstereo mixについて 1

    Miles Davisのアルバム『Kind of blue』はjazz名盤中の名盤で、世界的に大人気盤であるだけでなく、当時としては優秀なstereo録音という認識も一般的なのだろうと思う。

    kindofblue1 (6)
    *米国オリジナルstereo盤(CS8163)

    オーディオ好きでjazz好きな人ならば、LPやCD(SACD)で、何枚かの『Kind of blue』(stereo盤)を所有していてもおかしくない。




    このアルバムが他の名盤とちょっと違っていると思える点は、時代ごとにremixされた改変マスターが使用されていて、今に至っている点。

    だから、どの時代のプレスの音が一番良いか?との話題になっても、比較対象によっては別mixとなっていて、同じ土俵で比較できないという難点がある。

    kindofblue1 (8)
    *米国オリジナル盤ジャケット裏面

    例えば、Beatlesの2枚の英国仕様のアルバム『Help』と『Rubber soul』は(stereo盤の話だが)、86年(だったっけ?)のCD化以降、CD用に4トラックのマルチトラックマスターから2トラックステレオにremixされたものが一般的となってしまった。

    それらミキシングの全く異なるオリジナルアナログ盤とremix盤の2枚を比較して、どちらの方が音が良いか?などと問う人はいないだろう、比較すべき対象ではないのだから。

    そういう観点から、『Kind of blue』はやっかいなアルバムだと思える。

    このアルバムのstereo mixについては、A面のピッチが少々高い(回転数が微妙に速い)ことが知られているが、CD時代になってから、いや厳密には92年(93年かも)発売のCDから修正されていることは多くの人に知られた話だ。

    ピッチを修正して初登場したCDは、そのCDのクレジットを読む限り、大元の3トラックのマスターテープから2トラックステレオにremixされて作られたと考えてほぼ間違いないと思われる。
    その話は過去に取り上げた


    そして、それ以降に発売された『Kind of blue』のstereo盤(LPにせよCDあるいはSACDにせよ)についても、またまた新たにremix作業を経て登場した可能性がある。

    kindofblue1 (14)
    *Classic Recordsから発売された2枚組LPセット、side-1~4の表示となっている


    少なくとも、95年にClassic Recordsから発売された2枚組LPセットはピッチ修正初版CDとは別にremixされていたと(当時の音楽雑誌の情報から)記憶している。
    *ご存知のとおり、Classic Records社はオリジナル原盤をライセンス契約にて借り受けて、高音質マスタリングを施し、数量限定あるいは販売期間限定にてオーディオファイル向けLPとして発売していた

    オリジナルマスターを所有・使用権利を有する米国Columbia(Sony)は、そのCR社へのライセンス契約製造を除いて、少なくとも1回は新たにremixを行っていると僕は捉えている。もしかすると、2~3回なのかもしれない(新たなシリーズ再発などで数年置きに実施)。


    では、前述の92年(93年)CD以前はどうだったか?と言えば、当然ながらピッチ修正前のマスターを元にCD化されている。

    kindofblue1 (18)
    *右の2枚はピッチ修正前の音源を使ったCD


    さて正直なところ、ここまで何度も何度もremixでの再発をされると、ある意味「もうどうでもいいかな」と思えている。つまり、どの盤の音質が良いか?でなく、どのremixの音質が良いか?みたいな話に思えてきて、そうなると僕の興味とは違う話なのだ。
    *オーディオ好きとしては、どのremixが音質最高か?も興味があって当然なはずなのだけれど……どうも僕はそうではない

    それに、僕自身も何種類もの『Kind of blue』LPやCD,SACDを持っているが、聴くのはたいてい特定の盤ばかり(但し、1枚でなく2~3枚なのだが)。
    やっぱり、もうどうでも良くなっている(笑)。

    長くなったので今回はここまで。

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    テーマ : JAZZ
    ジャンル : 音楽

    コメント

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    No title

    私もJazzファンでありますのでこのアルバムに関しては数枚所有しています。(Gold SBM、SACD、Mono&StereoCD、RemixCDなど)このアルバムの音源がどうなっているかなどは私もあまり検証したことはありません。昨年だかに出たマイルスディスコグラフィ本で巻頭が本盤の特集だったのでじっくり読んでみておりましたがあまりにも複雑なので「このアルバムの音質、音源の頭の中での整理はもうつかなくていいや」と思ったのでした(笑)。

    少なくとも今持っている光ディスク類は音質的にもそれぞれが決定版と言えるもののようで、あれこれ考えずに楽しもうと決めたアルバムの1つであります。

    Re: No title

    Columbiaさん、こんばんは。

    > 私もJazzファンでありますのでこのアルバムに関しては数枚所有しています。(Gold SBM、SACD、Mono&StereoCD、RemixCDなど)

    やはり、複数お持ちですね。

    > 昨年だかに出たマイルスディスコグラフィ本で巻頭が本盤の特集だったのでじっくり読んでみておりましたがあまりにも複雑なので「このアルバムの音質、音源の頭の中での整理はもうつかなくていいや」と思ったのでした(笑)。

    え?そんな本が出てたのですか。
    しまった、そうと知っていれば、わざわざ僕が紹介する必要などなかったかもしれません。
    僕は手持ちの盤のみでの分類なので。

    > 少なくとも今持っている光ディスク類は音質的にもそれぞれが決定版と言えるもののようで、あれこれ考えずに楽しもうと決めたアルバムの1つであります。

    結局、そうなりますね。

    No title

    マイルスのディスコグラフィ本です。レココレの増刊号でした。アナログはプロモ盤から数えて8種、銀盤はSBMのGoldから始まり、紙ジャケ、SACD、ブルースペックまで追いかけてあります。ページ数にしてたった7ページですが、読んでいてすごい疲れました。

    http://www.amazon.co.jp/レコードコレクターズ増刊-マイルス・ディヴィス・ディスク・ガイド-村井康司/dp/B005T5W42I/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1444177066&sr=8-2&keywords=マイルス・デイヴィス%E3%80%80ディスクガイド

    Re: No title

    Columbiaさん、こんばんは。

    情報ありがとうございます。
    レココレの増刊号ですか、全く知りませんでした。

    > アナログはプロモ盤から数えて8種、銀盤はSBMのGoldから始まり、紙ジャケ、SACD、ブルースペックまで追いかけてあります。ページ数にしてたった7ページですが、読んでいてすごい疲れました。

    7ページですごく疲れるということは、情報量が多すぎるか、文字が小さすぎるか、文章と画像の照合に疲れるとか、そういうのでしょうか。
    今度大きな本屋に行った際に探して、どんな内容か見てみます。


    No title

    かいつまんで言うと…

    LP盤についてはミックス違いについてほとんど記述がないので単純に時代ごとのマスタリングの違いが話題の中心でした。CDに関しても基本はマスタリングの違いでSBM,PDLS,DSDなどが中心でしたが、リミックスについても言及がありましたし、2006年紙ジャケ第3弾ではUSオリジナル・アナログ・マスターから直にDSDマスタリングされたとの記述(ピッチは修正版なのだろうか)があったり、マルチチャンネルを含めて結構リミックスがされているようですね。そういうわけでたくさんありすぎますので追いかけて聴いてやろうという意欲が失われました(笑)。

    Re: No title

    Columbiaさん、どうも、概要を教えていただきありがとうございます。

    > 2006年紙ジャケ第3弾ではUSオリジナル・アナログ・マスターから直にDSDマスタリングされたとの記述(ピッチは修正版なのだろうか)があったり、マルチチャンネルを含めて結構リミックスがされているようですね。そういうわけでたくさんありすぎますので追いかけて聴いてやろうという意欲が失われました(笑)。

    DSDマスタリングを行った際の「USオリジナル・アナログ・マスター」と言うのが、第1世代のカッティングマスター(1959年ステレオ)なのか、あるいはオリジナルの3トラックアナログマスターを2トラックステレオに新たにmixしながらDSD変換したのか(つまりremix)で話は変わってきますね。

    Dylanの60年代音源が何度か公にされずにremixされていたことを知ってから、米国Columbia社は音質劣化した古いテープを使わないという姿勢に思え、「Kind of blue」も去年?のハイレゾ化の時にも3トラックマスターに遡っての作業だったのでは?などとかんぐってしまいます。本当にどうでも良くなりますね(笑)。

    No title

    こんばんは。
    わたしも以前記事にしましたが、ハイレゾ配信版は3トラック⇨2トラックのリミックスみたいですね。
    http://dope6260.blog.fc2.com/blog-entry-98.html#more

    MFSLから最近出たSACDにも、リミックスの記載があります。おそらく同じマスターかなと。MFSL盤は、相変わらず音圧低めです。

    Re: No title

    どうぷさん、こんばんは。

    > わたしも以前記事にしましたが、ハイレゾ配信版は3トラック⇨2トラックのリミックスみたいですね。
    > http://dope6260.blog.fc2.com/blog-entry-98.html#more

    はい、僕も記憶していました。
    だから事あるたびにremixしている印象がありました。

    > MFSLから最近出たSACDにも、リミックスの記載があります。おそらく同じマスターかなと。MFSL盤は、相変わらず音圧低めです。

    そうなんですね。
    MFSL盤、購入する気はなかったのですが、その後気になってしまい現在注文中です(苦笑)。
    確か東京だとDUで普通に売られていた記憶があるのですが……。

    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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