Wacthout!

    『Dance Party』後のMartha and the Vandellasのオリジナルアルバム『Wacthout!』(気をつけろ!)は、66年の後半(11月らしい)に発売された。

    watchout (1)
    *米国オリジナルMono

    その間、編集盤『Greatest Hits』が発売されているので、『Wacthout!』は通産5枚目のアルバムだ。
    『Dance Party』発売から、またしても1年半近く経過している。



    『Wacthout!』のA面は、従来の路線の延長線とも言えるポップ且つdanceableな楽曲を収録している。

    けれども、B面はちょっと違って、当時のMotownが模索していた(と僕は思っているのだけれど)、僕の言葉で言えば“大人向け路線”(の一つ)のスタイルになっている。
    ブルーと言うか憂いを持たせたマイナー調の曲で、バンドを含む全体のサウンドで聴かせるのでなく、歌唱で聴かせるタイプの曲のことだ。

    僕は昔からこの手のMotownの楽曲が、ディナーショーで正装した観客に向けて歌われるような曲(?)に思えて仕方なかった……これはあくまで僕の印象であって、実際のところは不明なのだけれど、どうにも昔から苦手だった。
    そして、今聴いてもやっぱりなんと言うか、今ひとつに思えてしまう曲が多い。

    僕の推測だが、恐らくMotown側としては、64~65年頃までのpop路線だけでなく、さらにリスナーの層を拡大したいと思ってのチャンレンジとして、この手の楽曲を用意したのだろうと思う。時代は66年に入っているのだから。

    けれども、アルバム発売後49年ほど経過した現時点の視点から捉えても、この手の路線はMartha and the Vandellasには向いていなかったように思えてしまう。

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    *ジャケット裏面


    当時最もドル箱だったSupremesは、大人向け路線についても(用意された楽曲のアレンジ等も含め)洗練されたイメージの売り方をしていたと思うけれど、ことMartha and the Vandellasにはそれほどの力を注いでいなかったのは明らかではなかろうか。

    おかげでこのアルバムは、格好良いジャケットデザインにも関わらず、彼女たちのアルバムの中であまり目立つことがない。実際、作品のクオリティは前作『Dance Party』や次回作『Ridin' High』の方が高いと僕は思っている。

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    *レーベル(前作とはデザインが変更された)

    これまで記したように、僕にとってこのアルバムはA面に魅力がいっぱい詰まっている。
    特にA面最初の3連続、それら3曲はこのアルバム唯一のH-D-H作品だ。

    B面も、1曲目の「I'll Follow You」はMartha and the Vandellasの魅力溢れる曲だと思うし、B-5『Tell Me I'll Never Be Alone』も良い出来だと思う。

    それに引き換えB-4「What Am I Going To Do Without Your Love?」は、アルバム発売の半年ほど前にシングルA面として発売されているにも関わらず、R&Bチャートにインしておらず、Popチャートの低いところに入っているのみ。もしかしたら、このシングルから前述の路線を試してみたのかもしれない。

    その結果、次のシングルは再修正として「Ready for love」を発売(アルバムA-1に収録)、こちらは#2 R&B、#9 popという大ヒットに至っている。

    なお、その「Ready for love」は、未編集stereoヴァージョンが編集版CD2枚組『Gold』に収録されている(が、やはりオリジナルedit版の方がつながりが良い)。

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    *編集版CD2枚組『Gold』


    最後に、どうでも良い話だが、このアルバムは僕が初めて買ったMartha and the VandellasのLPだった。
    80年代に数多くのMotownのアルバムが米国で(たぶん初めて)再発された際の1枚。
    僕が当時買ったのはstereo盤だった。今回探したが見つからず。





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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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