Cream: 1966-1972 その3 元音源はHi-Resかも? 過去記事を訂正

    新年しょっぱなからこんな話題で恥ずかしいところだが、これまで2度記してきたLP Box『Cream: 1966-1972』に使用された音源は、やっぱりHi-Res音源を元にしているのでは?と思えてきた。いや、それどころか、この音源をマスターとして使ったのでは?と推測できる音源を見つけた。

    ネットで「Cream High resolution audio」にて検索したところ見つけた、PRO STUDIO MASTERSにてDL販売しているHi-Res音源に、CreamのBox set収録と同じ音源・全アルバムがあった。
    それではなかろうか?

    *以下、非常に長くなってしまった。僕は長い文章のブログは苦手なので避けたかったがお許しを。



    まず、年末~年始にかけて『Live Cream』の2枚をBox setと手持ちのLPやCDと比較したのだが、Vol.1については90年代後半に出たCDが一番音質が良いと思えた。今回のLPは次点、3番めは国内Polydor再発LP(他にUS盤LPも持っているが見当たらず)。今回のLPと国内再発盤とでは、1~2ランクは音質差がある。同様に、90年代後期に出たremaster CDは今回のLPよりも1ランクは音質差があるように思えた。

    2015Cream1 (5)
    *上がBox set、下左が国内再発盤、右がremaster CD

    次にVol.2だが、これはCDを持っていないのでLPでの比較のみ。
    米国Promo盤がベスト、次点は今回のLPあるいはドイツ再発盤(左右チャンネルが逆になっている)。

    LC (1)
    *上がBox set、下左が米国Promo盤(レーベルは普通)、右がドイツ盤

    ということで、今回のBox set収録LPのうち、『Goobye』と『Live Cream』x2枚については、過去のLPとの比較でもいわゆる高音質盤の部類には入らないと思えた。通常盤と同レベル。特に音質が良いわけではない。

    しかし、1stの『Freah Cream』を聴くと、これまた低音域がややブーストされているが、シンバルの音質はどう聴いてもHi-Res音源を元にしたLPの高域と同じ特徴を持っていた。なおかつA-1の『NSU』の終わりのドラムがフェードアウトしながら終わる音源でないことからして、過去のRemaster CDは元音源ではない。
    となると、やはり新たなマスタリングによるデジタル音源を大元にしてるのかな?と思えた。
    ちなみに、このアルバムを過去のLPと音質比較すると、低音域のブーストが気になるもののさほど悪い方ではない。過去最高音質とは言えないが、普通に良いレベル。

    そして、国内ユニバーサルからSHM-SACDで登場した同一タイトルと音質比較をすると、LP対SACDなのであるが(僕のオーディオでは同一マスターを使用している場合には通常はLPの方が音質が良いと思うのだけれど)、このLPはSACDよりも1ランクは音質が劣るように思えた。SACDとの比較でも低音域のブーストが目立ち、全体的に繊細さが足りない。音の分離も悪い。

    2015Cream1 (14)

    それでもセットの中では『Freah Cream』はましな部類だ。それに、シンバルの音が、前述の通りHi-Res音源を元にしたLP独自の音がする。

    さて、近年登場した手持ちのLP Box setは、僕の知る限りにおいては、Hi-Res音源(あるいはデジタル音源)を元にしてプレスされている。だから、やはり今回のCreamも普通に考えれば同類のはず。
    それで調べてみたところ最初に記したPRO STUDIO MASTERSを知った次第。

    そして、ものはためしと試聴したところ、2度目の記事で記した以下の文章が全く当てはまっていた。
    「今回のボックスセット収録の『Goodbye Cream』B面3曲目「Doing That Scrapyard Thing」のイントロ部分、左チャンネルのチェンバロ?に回転ムラを感じるからだ。」
    *PCでの試聴は、音源はMP3だと思われるし、PCに接続しているのはPC用の2000円未満の音質無視のスピーカーだ。

    試聴で聴けたあの回転ムラっぽい音から判断するに、やはりこの音源がマスターなのだろう。
    しかしまさか、Hi-Res音源を元にしたLPの音が、従来の通常LPと音質的に変わらないどころか最低限のレベルになるとは想像すらしていなかった!

    となると、初回記事でHi-Resマスターを期待して予約したにもかかわらず、そうでなかったと記した理由についても振り返りが必要と思われた。
    それは、次のコメントだ。
    「最初に『Wheels of fire』から「White room」を聴いたが、すぐにオリジナル英国盤の音と全然別物だとわかった。」
    そうだった、これが最初の第一歩で道を踏み外した理由だ。

    僕はHi-Res音源の『Wheels of fire』は、英国オリジナルLPと同じ傾向の音になるものだと思っていた。それは低音域が薄く、相対的に高域が強めに聴こえる。
    ところがBox setの同アルバムはこれも低域がブーストされ、英国オリジナル盤とは似つかない音傾向だった。

    つまり、Hi-Resマスター=英国オリジナル盤の音傾向だと思い込んでしまっていた。
    これがそもそもの誤ちだった。仮にflat transferであっても、そのようにはならないこともざらなのに。

    「Doing That Scrapyard Thing」や『Fresh Cream』から判断して、今回のBox setはやはりHi-Res音源をマスターにして制作されたのだと思う。
    恥ずかしながら、お詫びして訂正する。


    でも、それで終わるわけにもいかない。
    本来、Hi-Res音源をマスターとして使用したLPであれば、ある程度の音質が確保されてしかるべきではなかろうか?

    ところが、できあがったLPは低音域がブーストされているだけでなく、Hi-Res感がしっかりと再現できる音質にはなっておらず。
    例えば、過去のLP BoxでJamやWhoのBoxはHi-Res感が味わえる音質だった。

    だから、Hi-Res音源を使用したLPの標準的な水準の音質をあらかじめ想定していたことも、僕がHi-Res音源をマスターにしていないと判断してしまった理由の一つだ。

    今回のCreamのLP Boxの音質ランクは標準よりも(アルバムごとに異なるが)最高でも1ランク下に位置し、ひどいものでは2~3ランクは下になるだろう。
    Hi-Res音源をマスターに使用したにもかかわらず、まさかその程度の音質のLPが製造されるなどとは、これっぽっちも想像していなかった。

    Hi-Resマスターだから安心して良いのは、まさにデジタルファイル音源あるいはデジタルメディアのみなのかも。

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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    コメント

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    No title

    あけましておめでとうございます。

    結局のところ、ハイレゾもSACDもそれ自体がピンキリなんですよね。クリームのハイレゾ自体は拙も聴いていないので言及できませんが、他のアーティストで、これまで限られた範囲ながらも聴いてきたなかで、これぞハイレゾの極みと満足できたものは確立からいうとせいぜい50%くらいでした(無論そこには個人的な好みも入ってしまうのでので主観が入った評価になりますが)。となれば、それを音源としたアナログも同じことだろうと思います。

    今年はアナログのリイシューも順調に続きそうな気配ですね。これからも比較試聴の記事を楽しみに拝読させていただきます。ということで本年もよろしくお願いいたします。

    Re: No title

    路傍さん、あけましておめでとうございます。

    > 結局のところ、ハイレゾもSACDもそれ自体がピンキリなんですよね。

    そうですね、ハイレゾ化した…つまり音源の器が大きくなったからといって、(アナログマスター再生音質を含めた)マスタリングが今ひとつではどうしようもありませんね。

    >他のアーティストで、これまで限られた範囲ながらも聴いてきたなかで、これぞハイレゾの極みと満足できたものは確立からいうとせいぜい50%くらいでした(無論そこには個人的な好みも入ってしまうのでので主観が入った評価になりますが)。

    それが現実なのでしょう。

    ただ、クリームのSACDを聴く限りは、かなり良いマスタリングだと思っています(Goodbyeは持っておらず)。
    けれども残念なことに、今回のLP Boxは元音源と音質に差がありすぎるように思えました。
    通常はだいたいデジタル音源が1ランク上ぐらいになるかと思うのですが、今回にいたっては本当に同じマスターか?と疑ってしまうぐらいに音質劣化しているように思えます。
    こういうBoxも製造されるのだなと、落胆させられました。

    > 今年はアナログのリイシューも順調に続きそうな気配ですね。これからも比較試聴の記事を楽しみに拝読させていただきます。

    こちらこそ昨年はお世話になりました。
    本年もよろしくお願いいたします。
    路傍さんののご健康とご多幸をお祈り申し上げます。


    Cream boxバラ

    Cream Boxがバラで再発されるみたいですね。
    http://www.hmv.co.jp/fl/151/192/1/

    音はThe Whoと同じBoxの中身がそのままなんでしょうね。

    1枚づつだと割高感があります。

    Re: Cream boxバラ

    Columbiaさん、どうも。
    こちらにもコメントありがとうございます。

    ご指摘の通り、割高ですね。
    しかもこのBox set、一時期は1万円を割ってましたから。
    (もしかして今も?)


    > 音はThe Whoと同じBoxの中身がそのままなんでしょうね。

    きっとそうでしょうね。
    となると、音質的には最初の3枚だけしか許容できないですね、僕は。
    あの低音域のブーストはやりすぎです。

    まぁ、昔の国内盤LPよりは全体的に改善されていますが、LPよりもSACDかハイレゾファイルの方が良いと思います。



    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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