『Who's missing』と『Rarities Vol.2』

    今から29年半ほど前の1985年に突如発売されたWhoの未発表曲を含む米国編集盤『Who's missing』は、現在世界的に有名なマスタリングエンジニアのSteve Hoffmanがテープのcompilingとmasteringを行っていた(カッティングエンジニアはGreg Fulginiti)。

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    当時はそんなことなど気にしもしなかったが、これまで聴けなかった初期シングルB面曲、初出となるスタジオ録音曲や「Bargain」のlive音源などを含むこのアルバムの登場を驚きをもって迎えただけでなく、本当に毎日聴き続けたものだった。




    しかし、B面収録曲に関しては、前述の「Bargain」のlive以外は、その数年前に登場した英国編集盤の『Rarities Vol.2』でLP化され、聴ける状態になっていたため、実際のところそれほどありがたみがあったわけではない。
    *注:『Rarities Vol.2』のオリジナルは、英国ではなく別の国かもしれない

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    *『Who's missing』ジャケット裏面(これはPromo LP)

    僕が当時使っていたオーディオは、今とは雲泥の差があるが、それでも『Who's missing』収録の「Heaven and hell」と『Rarities Vol.2』の同曲とでは音質に違いがあり、前者の方が中音域が厚い印象があった。


    先日久しぶりに取り出してきた2枚で、同一の収録曲を比べたところ、『Rarities Vol.2』で使われた音源のほうが明らかに世代の若いマスターテープを使っているのではなかろうか?と思えた。
    と言っても、詳しく聴き比べしたのは「I don't even know myself」だけではあるが。

    最初は『Who's missing』から4曲のみを収録した米国Promo盤(残念ながら33 1/3回転)を聴き、その後、『Who's missing』そのものを聴いたところ、音溝の余裕度からカッティングレベルが違い、そのあたりで少し音質が有利となる4曲Promo盤のほうが好ましい音質のように思えた。

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    *4曲Promo盤 表

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    *裏(クリックで拡大)

    けれども、その後『Rarities Vol.2』を聴くと、これはマスタリングの勝負でなく、使用されたマスターテープの音そのものが違っていると思わざるを得なかった。

    歌を含む音のエッジにあいまいな部分を感じる米国盤に対し、英国盤はエッジがシャープでよりはっきりとしているだけでなく、個々の楽器の音そのものが米国盤よりも音質劣化が少ないとはっきりとわかる。
    これは世代差の音だなと思えた。

    現在、デジタル変換を済ませた音は、写真同様にコンピュータ処理で音のエッジを立たせることも、歪み補正を行うこともできるようになり、ピントの甘い音源もそのようなマスタリング技術によって、それとわからない音に変貌するようになってしまったが、80年代初頭~中ごろのこれら2枚のLPでは、音の調整(補正)をしたところで、元音源の世代はごまかせない。

    だから、LPでWhoの70年代シングルB面曲を高音質で聴きたいならば、『Rarities Vol.2』こそがお勧めできるLPと言える。
    現在では中古屋で叩き売りあるいは投売りされている扱いだ。

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    *英国盤『Rarities Vol.2』, ジャケットをビニールに入れた状態
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    *ジャケット裏面


    最後に情報として。
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    米国盤『Who's missing』は、裏ジャケットとレーベルにPromo文字が印字されたLPを含め3枚持っていて、それぞれマトが異なりカッティングが異なるが、「Bargain」で比較したところ音質に微妙な違いも感じる(聴き取る)ことができず、どれも変わらないと判断した。

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    *Promo LP

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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