Beatles for sale その1

    Beatles in Mono LPの『Beatles for sale』は、音がなかなか掴めなかった。

    正直なところ、A-1の「No reply」を聴いたとき、ボーカルがあまりに眠たい音に思え、「このアルバムってこんなに音悪かったっけ?」と、81年の英国再発盤を引っ張り出して聴き比べし、ショックを受けた。

    英国再発MonoはA面マト5で、Johnのボーカルも高域がしっかりと通ったクリアな音だったからだ。

    BFSoct19 (2)
    *左:英国再発Mono、右:2014 Mono、2014の方が画質が粗い(ジャケット裏面も)


    それで、今度は初CD化の際に米国で発売されたCD用マスターを使用したLPを引っ張り出して比べてみると、今度は英国再発Monoほどクリアでなく、2014 Monoとの中間くらいのように思えた。

    BFSoct19 (6)
    *米国CDマスター使用LP

    僕が初回のCD用マスターを使用したLPのMonoタイトル(初期の4枚)を比較に加える理由は、前々回の記事で紹介した『Freak out!』同様、当時のCD用のマスターがアナログのオリジナルマスターを特にremixもイコライジングもせずに、今で言うflat transferでデジタル化している(場合がほとんどだ)からだ。

    残念ながら、Beatlesの初回CD制作用としてデジタルコピーを取った際に、アナログマスターテープ再生に使われたテープデッキは、今回の2014 mono LPs制作時のような、音質重視の調整はなされていないだろう。
    さらに、当時のA/D変換用機器の音質についても、現在ほどのクオリティに至っていないのだろう。
    そういう意味で音質が優れるわけでないが、マスターテープの特徴は掴みやすいと思う。

    そのため、CDマスターを使用したLPについても、ましな音質のものとそうでないものとがある。
    『With the Beatles』の米国盤は良い部類だったと思っていたが、今回の『Beatles for sale』はあまり印象が無く、それほど聴いていなかったことからして、特段良いと思っていなかったのだろう……それさえ覚えていない。

    さて、当然ながら英国オリジナル盤も比較には必要だ。
    このアルバムは何故かマトが3Nと4N、さらには両面で3N/4Nが入り混じったプレスも存在し、僕の推論だが、クリスマス商戦用の商品だったことから、発売前に大量のプレスを終えておくことを前提として、あらかじめ通常の倍の原盤が用意されていたのではなかろうか?

    通常であれば、予想よりも売れてバックオーダーになった場合に、原盤のへたり具合から新たな原盤をカットすることになりマトが更新されるのだけれど。それ以前に確実に必要になると見込んでいたのでは?…それは前年の『With the Beatles』の売れ行きが想像以上だったことや、64年年末も英国でのBeatles人気に衰えがなかったことなどからの判断だろう…あくまで推測だが。

    BFSoct19 (3)
    *左:英国オリジナルMono、右:2014 Mono

    その2種類のマトが出回っているこのLP、僕は3Nと4Nとで大きく音が違っているとは思っておらず。
    それに比べれば、英国再発MonoのA面は全然違っている(僕の再発MonoのB面はマト3Nだ)。そして、2014 mono盤もある意味、それらとは違っている。


    この1週間以上、ことあるたびに『Beatles for sale』のいずれかのLPを聴いてきて、ようやく音の傾向がつかめ、そろそろ僕なりの比較結果をまとめようと思っているものの、聴く日によって音の印象が違って聞こえることがまだあって(不思議に思われるかもしれないが、実際に2014 monoの印象や英国オリジナルmonoの印象も違うことがある)、近いうちにぶれなくまとめられるかなと思えてきている。

    3Nと4Nとでの条件を同じにするために、盤質がほぼ同じものを選んで比較している。
    このアルバムは日本でもオリジナルmonoが安価で売られていることもあり、いつの間にやらある程度の数が手元にある。

    ちなみに、冒頭に書いた2014 mono盤のA-1の印象と英国オリジナルMonoのA-1の印象は似通っていた。「No replyって、こんなにボーカルが眠い音で、ぱっとしない音だったっけ?」と思えてしまったのだった(苦笑)。
    それは、当日それ以前に聴いていた音楽の音質に大きく影響される印象&感想だし、あるいは、これまで比較した初期3タイトルの印象も加味されているように思える。

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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