Beatles in Mono/SGT.Pepper's lonely hearts club band

    *10/8昼追記:ふと思ったが、英国オリジナルMono盤のチリノイズに悩まされないだけでも2014monoは価値ありかもしれない。また、スペイン盤はタイトル(アルバム)によって音質がさまざま。偶然SGTは音が良かっただけ。


    ネットに上がっている感想の中で、今回のmono LPsの中で音質に不満の声が聴かれないアルバム、それが『SGT.Pepper's lonely hearts club band (以後SGTに省略)』なのではなかろうか。

    おかげで僕も期待して聴いたのだが、それがいけなかったのかもしれない。

    sgt2014oct (1)
    *単品でも購入してしまった。ちゃんと切り抜きやサイケ内袋、マスタリングカード入り。
     HMVからは、Box setにこれらが標準で付属するかどうか調べて連絡する、とメールをもらったまま音沙汰がない。


    このアルバムのモノラル盤を聴くのは、少し前に謎のサイン入りとして紹介したレコードを引っ張り出して来たとき以来なので、それほど時間は経っておらず。
    でも、それ以前となると、結構空いている。

    まず2014 monoだけを聴いた。
    2014 monoの『SGT』も、他のアルバム同様に十分に良い音をしていると思う。

    それでは比較対象に英国オリジナルを……と再生してみると、カッティングレベルはそれほど変わらず。
    A-1で最も印象的なスネアやシンバルのアタック音はほとんど変わらない。
    ファズを通した歪んだギター、ほんの少しリバーブがかかったようなボーカル、ベースとドラムのリズム隊など、僕のオーディオではほとんど2014 monoと同じ音質に思える。
    違いといえば、2014 mono盤のほうが少し明るめの音で、低音域が若干硬質な感じがするところ。
    その差はもしかしたら、真空管カッティングとトランジスターカッティングの差だろうか?と思う程度。

    前述のクリアな傾向の音ゆえ2014 monoの方が全体的にバランスが良い?とも思えなくもない。
    オリジナル盤のほうが若干(微妙だが)低音域に厚みがあるような気もする。でも、比較したレコードの盤質に起因するチリノイズが終始小さく入っていて、これが全体の音を見えにくくしている。

    sgt2014oct (11)
    *5枚出てきたオリジナルmono盤, 真ん中はpatent pendingジャケット

    それで、他の盤を探したところ、持っている数枚のオリジナルmonoの中の1枚が驚くほど盤質が良いことを発見。チリノイズがほとんど聴こえない。
    これを聴いていると、途中で2014 monoを聴いていたのかオリジナルmonoを聴いていたのか忘れてしまうぐらいに音質が似ている。

    微妙に2014 monoのほうがhi-fiな音に聴こえるものの、低音域の躍動感の再現や声の質感だけを見るとオリジナル盤のほうが微妙に良いようにも思える。
    このあたり、カートリッジを変えると随分表情が変わるのかもしれないが。
    *今回もAT33monoを使用

    と言うことで、初期のアルバムに見られたような、よりマスターテープに近づいたような音を期待したにも関わらず、僕のオーディオではほとんど差がない結果となった。

    アルバム中、最も差が出るかなと思えた「She's leaving home」もほとんど変わらなかった。弦楽器を使っているにも関わらず、どちらも音が悪いとはっきりした。歌声も同様。正直なところ、なんてひどい音だと思った(苦笑)。

    最もダビングが少ないと思われる「SGT reprise」も両者でほとんど差がない。
    ただ、最後の「A day in the life」のアコギの音は2014 monoのほうが素直な音質に思えた。



    他にも各国のMono盤を引っ張り出してきて、一番驚かされたのは何とスペイン盤。

    sgt2014oct (7)
    *英国製ジャケット裏面にシールを貼っている(右上と右下),切り抜きと内袋も英国製

    これも残念ながらチリノイズが多く、盤質が今ひとつなのだが、カッティングレベルが英国盤より少し低いものの、出てくる音は、もしこの盤の新品を聴けたなら、これがベストになるのでは?と思えるほどに帯域バランス、低音域の量感を感じさせる音だった。

    英国盤(オリジナル、2014 mono共に)の音はレベル上げすぎで飽和しかけのような歪みかけ寸前のところに聴こえるのだが、スペイン盤はまだ余裕があるような音で、それがなによりも良く思えた。しかも、B面の最後は、英国盤同様に延々と繰り返す仕掛けでちゃんとカッティングされている。

    僕の知る限り、スペイン盤のmonoはこの初版のみで、2ndプレスからはstereoのみとなったのではなかろうか?

    フランス盤のmonoは、低音域が弱く細身で、全体のバンドサウンドで聞かせるのでなく、歌が聞き取りやすいようなカッティングがなされているように感じた。あくまで僕のオーディオで聴くと、だが。

    sgt2014oct (14)
    *フランス盤は西ドイツ製のジャケットと切り抜きと内袋

    そのため面白いことに、英国盤では耳が行かない(向かない)音に耳が向いてしまう。これはそういう意味では面白いと思えたが、音質的には英国盤のほうが(当然ながら)好ましいと思う。
    B面ラストには例の遊びは入っておらず。

    オーストラリア盤は英国製の原盤を使っているので、ほとんど英国盤と同じ音。

    sgt2014oct (5)
    *オーストラリア盤は英国製のジャケット、切り抜き、内袋

    米国盤はヴェールがかかった上に、中音域主体のナローレンジで、ギターの低音弦あたりがゴーっと響くような独特の音色を聞かせる。今一つな音質。それと、B面ラストには例の遊びは入っておらず。

    sgt2014oct (3)
    *米国盤は全て米国製(だと思う)

    イタリア盤はstereoをmonoにしたニセモノなので比較せず。
    ニュージーランド盤はstereoしか持っておらず、monoがあるかどうかさえ知らない。

    そのほかにオランダ盤を持っていたはずなのだが、今回は見当たらず。
    でも、英国製の原盤を使っていたような記憶がある。

    国内81年赤盤は、比較するとコピーテープっぽい音がばれてしまう。

    sgt2014oct (16)
    *81年盤

    全体の音のまとまりが今ひとつな印象を受けたが、盤質に起因するノイズの少なさはやはり特筆もの。
    そして、何故かB面最後の逆回転部分は繰返さない。
    つまりinner grooveでなく、それ以前の通常の溝としてカッティングされている。


    と言うことで、2014 monoが悪いと言うわけでは全く無い。
    予想通り良かったものの、オリジナル盤との差はほとんどない、というだけの話。
    それで十分じゃないか、と言われる人も多いかもしれないが、もうちょっと期待が高かっただけに、僕には予想外だった。

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    No title

    MMTもSGTもMONO LP リマスターよかったですね。この2枚は大満足です。MMTのジャケの色味は、印刷の原版が残っていないようで現物から複写してますから、まぁこんなもんでしょう。日本だったらもう少し色味を合わせることもできたと思いますが。

    SGTは、ジェフ・エメリックの本によると、オリ盤はエメリック立ち会いのもとハリー・モスにフラットトランスファーでカッティングさせたそうです(2か所だけ小さなEQ処理をしたとのこと)。今回もそれに倣ってやっているようなので、これが一番オリ盤に近いのは当然なんでしょうね。

    Re: No title

    路傍さん、こんばんは。
    コメントありがとうございます。

    > MMTもSGTもMONO LP リマスターよかったですね。この2枚は大満足です。

    残る4枚以外しっかりと聴きましたが、僕はどれも満足です。
    SGTはもっと差があるんじゃないかと期待したせいで、少し戸惑いましたが(苦笑)。

    今回のBoxは、単品LPの販売価格からしても良い買い物だったと思えます。

    >MMTのジャケの色味は、印刷の原版が残っていないようで現物から複写してますから、まぁこんなもんでしょう。

    今思いましたが、これでジャケットまで良くなっていたら、米国オリジナルMonoは本当に不要になってしまいますね。


    > SGTは、ジェフ・エメリックの本によると、オリ盤はエメリック立ち会いのもとハリー・モスにフラットトランスファーでカッティングさせたそうです(2か所だけ小さなEQ処理をしたとのこと)。今回もそれに倣ってやっているようなので、これが一番オリ盤に近いのは当然なんでしょうね。

    あの本にそう書いてましたっけ。なるほど、納得ですね。
    ミックス済みのマスターの時点で既にdrumsにはそれなりにコンプがかかってますね。
    フラットにやって正解だったと思います。

    全然話は変わりますが、路傍さんの記事のおかげで東京インターナショナルオーディオショーに少しだけ立ち寄れました。ありがとうございました。知らなかったら、東京出張の日程を見直すことになっていたでしょう。

    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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