Beatles in Mono/ Mono Mastersその2

    その1の続き。

    「Rain」はSide-3の中で他よりも音質が1ランク下がるような印象を受けた。
    20140913 (2)
    *上段英国シングル3種類、下段オーストラリアEP(Paperback writerを含む)

    しかし、英国盤『Rarities』で聴くと、とてもナローだし、こもった音だった。
    なんだこんな音質だったのかとがっかりしてしまった。今回の収録のほうがより好ましい音質に思えた。(テープの逆回転を使用しているが)シンプルな演奏なので、あまりダビングされていないと思い込んでいたが、そうではなかったようだ。

    ただし、この曲もマスターテープが経年変化(劣化)してきているのか、『Rarities』よりも音の密度が薄くなってきている気もする(他の多くの曲も同様に感じたのも事実)。



    「Rain」にも当てはまるが、音質だけでなく音のバランスが気になったのが、「Paperback writer」、「Don't let me down」。
    これらは英国オリジナルシングルでは、もっとベースが唸っていたような記憶があった。

    ここで一つお断りだが、これら3曲を、ものすごく低音域が強いシングルだと感じていたのは東京に住んでいた頃で、使用していたカートリッジが異なるし、何よりも部屋の音響特性がだいぶ違っている。

    今思うとあの部屋は8Fだったにも関わらず、低音域に共振ポイントがあり、だからと言ってブーミーと思えるような低音の質ではなかったものの、低音は強く再現される部屋だったようだ。
    近くをバスやバイクが走ると、それこそ暗騒音を体で感じた。そのような音に敏感でない人は何も感じないのだが、僕はそうではない。

    そして今回、これら3曲を英国オリジナルシングルで聴くと、現状の部屋とオーディオ機器では「Don't let me down」については記憶にあった音の印象と大きく違っていた。『Mono Masters』と変わらない。

    20140913B (3)
    *英国シングル、左70年代後期再発、右上オリジナルソリッドセンター、右下オリジナル(左とリンゴの色が違う)

    「Paperback writer」、「Rain」は、記憶に近かった。
    『Mono Masters』では、「Paperback writer」、「Rain」については、英国オリジナルシングルほどに低音域を強めてはいない。それはシングル発売時において、カッティングの際に施された処理で、そのため英国以外のシングルとは音が違っている。
    英国再発シングルは、初版とは別カッティングなので初版の音は再現していない。
    『Mono Masters』も基本的には再発シングル同様なのだと思う。

    「Paperback writer」でよく言われる(今回のブックレットにも記載があった)ベースの音が当時のBeatlesのレコードの中で最大となっている…みたいな話は、残念ながら『Mono Masters』を聴く限り、否定されてしまう。既に初期の録音でこの曲よりもベースがより大きくミックスされていると思えてしまう曲が他にもいくつもあるのだ。
    試しに「This boy」を聴いてみると良い。こんなにも分厚いベースが聴けるとは、予想外だ。

    20140913B (1)
    *Paperback writerオランダシングル(左)と米国の80年代?90年代ジュークボックス用シングル(Mono)

    「Paperback writer」のMonoミックスで特筆すべきはベースよりも、Drums、特にシンバルとバスドラムだろう。ベースがクローズアップされるのはStereoミックスだと思っている。
    それに、ベースだけで言えば、「Paperback writer」よりも「Rain」のほうがずっと目立つ音量(ミキシング)だ。


    今回、「Paperback writer」を比較していた中で、オーストラリア盤EP『Norwegian wood』の音質がとても良くてびっくりしてしまった。僕の記憶では、カッティングレベルが低く、やや眠い音だったのだが……このあたり、使用機器の性能・グレードの向上に伴って随分と音質が向上したように聴こえているだけで、レコードそのものは変わらない。

    それに関連するわけではないが、今回のMono LPもカッティングレベルが相対的に低い。それは音の歪みを避けることが狙いであるだけでなく、オリジナル盤よりもダイナミックレンジを大きく取れる機器を使用してカッティングしているためだ。
    そのため、オリジナル盤との比較では毎度聴こえる音量を合わせる必要がある。

    最後に、お世話になっている「帝都熱烈音盤解放戦線」の路傍の石さんからのコメントを読み、Side-5も聴いてみた。

    なるほど、この面は第2世代でなく、大元のマスターを使用したのか?と思えてしまうほど(実際のところは不明)。2009年のCDでのMono mastersで日の目を見るまで使われずに保存されていたこともあり、音質が素晴らしい。

    経年変化だけでなく、やはり何度も再生を重ねることで音質が劣化していっていることがここから逆に読み取れる。

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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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