Beatles in Mono /Mono Mastersその1

    実はまだ『Mono Masters』のSide-5だけは聴いていない。あまり気が進まないのだ。
    それよりも聴きたいものを優先してしまう。

    20140912 (1)

    Side-5を除く合計5面を一通り聴いての印象は、なかなか良いというものだった。当然、音質のこと。

    もしかすると、今回の全てのアルバムに共通しているのかもしれないが、音の質感がより自然になっているような印象を受ける。それは、マスターテープに近い音と言えるのかもしれないが、60年代前半のオリジナルシングルやEPよりも自然な音に聴こえる。
    と、最初は思った(笑)。


    今回、カートリッジにAT-33Monoを使って聴いているが、そのせいもあってか、オリジナル盤や70年代プレスさえもがナローレンジな音に仕上げてあると思える場合があり、それに対して今回の盤はそのような印象を受けないことが多い。

    にもかかわらず、気になった曲もある。
    「抱きしめたい」のドイツ語版、「She's a woman」、「Rain」は、他の収録曲との比較で音質が気になった。

    「抱きしめたい」のドイツ語版は低音域が膨らみすぎていないか?と思ってしまった。
    ドイツのオリジナルシングル(第一世代のマスターを使ったかどうかは疑わしいが)とは音のバランス(周波数帯域のバランス)が随分と異なる。ドイツシングルでは中音域が分厚く、ナローレンジな印象。それほど音質が良いとは思えないレベル。

    20140913 (3)
    *『Rarities』とドイツオリジナルシングル

    でも、ボックス付属の本には、本来低音域が強く録音されていた場合には、60年代当時は針飛びを恐れ低域を弱めたものもあったと記載があり、そういうことなのかなと推測した。
    *ちなみにSide-1収録曲のほとんどが同様にこれまでよりも低音が強力だ

    「She's a woman」は最初、アジマス調整が本当に合っているか?高域がしっかりと伸びていないように聴こえたが、大きな音量で確認すると問題なさそうだった。
    でも別な点として気になったのは、最内周にありカッティングレベルが低いからか、音の安定度が今ひとつに思える。それと、リードギターがやや音割れして聴こえること。

    同曲を英国盤『Rarities』で聴くと、こちらの音の方がナローレンジに聴こえるが、『Mono Masters』の音に較べ、しっかりとした音で再生される。

    『Rarities』に使用されたマスターはコピーテープと思われるので、条件は同じ。
    そう考えると、現存するマスターを使ってのコピーの音はこれが精一杯なのかもしれない。

    試しに、(オリジナルシングルがすぐに見つからず、代わりに)第一世代のマスターを使ってプレスされた70年代後半に発売された英国プレスの再発シングルを聴くと、こちらのほうが圧倒的に良いと思えた。

    関連して、A面の「I feel fine」も聴いたが、これも『Mono Masters』よりも良い。
    マスターテープの世代が違うことと、再発シングルからも35年以上経過していることもあって、大元のマスターが経年劣化しているのかもしれない。

    この点に関して言えば、Side-2収録のEP『Long tall Sally』収録曲は全て同じことが言えると思った。『Rarities』のほうがナローレンジな音に思えるが、音の安定感では『Mono Masters』を上回る。

    今回比較しなかったが、第一世代マスターを使用したと思われる再発EP(80年代まで)の方がよりしっかりとした音をしていることだろう。オリジナルEPは当然のことだ。

    実は、『Please please me』のGoldレーベル盤が、その後のY/P盤よりも音質が良く聴こえる原因の一つが同様の話なのではなかろうか?とも思えている。

    揺るぎのない音というか、しっかりと実在する音がオーディオ機器を通して再生されるので、単純に良い音だと思えてしまう。

    実際に、録音された音が経年変化で劣化すると、不安定な音になるのだが、そんな音は楽器をやっている人からすれば良くわかるが、生音で再現しようにもできはしない。
    要するに生音の世界では存在しない音。

    そのあたり、今回の『Mono Masters』のSide-2では気になってしまった。


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    No title

    JDさん、どうもです。書かれていることは拙もまったく同じように感じました。マスター・テープの劣化では最も分が悪いシングル盤。その悪条件の中で目いっぱい頑張った結果、これが限界であろうと思いました。

    ところでside5を聴くのを後回しにしているとのこと。それは勿体なさすぎます。実はこの面が一番の聴きどころなのに!もしかしたら今回のリマスターLPで一番の目玉かもしれません。その理由は聴けばすぐにわかります。

    Re: No title

    路傍さん、こんにちは。

    > 書かれていることは拙もまったく同じように感じました。マスター・テープの劣化では最も分が悪いシングル盤。その悪条件の中で目いっぱい頑張った結果、これが限界であろうと思いました。

    ですよね。
    でも、シングルでも音質劣化が気になったものもあれば、そうでないものありました。
    それで、全体としては十分に納得できるレベルだと思っています。
    ステレオボックスとは違って、今回は100%納得できそうな予感です(笑)。

    > ところでside5を聴くのを後回しにしているとのこと。それは勿体なさすぎます。実はこの面が一番の聴きどころなのに!もしかしたら今回のリマスターLPで一番の目玉かもしれません。その理由は聴けばすぐにわかります。

    えっ、そうなんですか!
    情報ありがとうございます。
    後ほどSide-5を聴いてみます。


    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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