Remaster CDと非Remaster CD その2

    昨日紹介した『Fresh Cream』のCDとは別に、駄目なRemaster CDと思っていたのがこれ。
    Whoの『The kids are alright』のサントラ盤。

    kidsremasterand (2)
    *左:remaster、右:非remaster

    良かったのは定価が比較的安価だった点くらいか。


    このRemaster CDには、非Remaster CD時代には時間の関係で収録されなかった70年代のLive録音「Join together~メドレー」がアナログ盤同様に収録されていたことも良かった点と言える。

    けれども、全体的に音の加工がひどすぎて、とても残念なCDとなっている。
    つまり、音質改善のはずが、当時の風潮(=音圧競争)に伴いダイナミックレンジの狭いラジカセっぽい音(と言えば語弊があるが…)に作り変えられていたのだった。

    参考までにCD最後に収録された、この映画のハイライトと言える「Won't get fooled again」の音量波形を見比べると次のとおり(クリックで拡大)。

    wontgetcompare.jpg
    *上がremaster、下が非remaster
    *収録時間の関係で、Remaster CDでは曲のピッチが(本当に微妙にだが)上がっている。さらに、演奏が終わった後の観客の反応部分が編集され短くなっている。

    Remaster CD(上)は、右チャンネルの音量はほぼ常にmax状態。

    聴いていて特に駄目だなと思えるのは、イントロや後半のシンセサイザーだけの部分。
    波形からはわかりにくいが、Remaster CDはcomp(マキシマイザーか?)の影響で、音量が小さくなる部分で自動的に音量が大きくなる。その結果、シンセのみの部分でも音量が大きくなっている。まずここに違和感。

    イントロ部分ではシンセに続きメンバーの音が入ってきた瞬間に本来は音量が上がるはずなのだがcompが働き、聴感上では音が小さくなったように聞こえてしまう。
    後半部分でもKeithのドラムソロが加わるにもかかわらず、音量はほとんど変わらない。

    「実際のlive会場では、人の耳が自動的に音のレベルを調整するので、そんな風に聞こえてもおかしくない」などと屁理屈をつけられては困るが、LPでも非Remaster CDでもそんな音ではなかった。

    まるで、ラジカセのALCスイッチ(=自動録音レベル調整)をONにして録音したカセットを聴いているような、そんな錯覚すら受けてしまう……そういう体験がある人に限られるが(苦笑)。

    kidsremasterand (1)
    *裏面

    Remastering作業の中身が、そのようにマスターテープの音を加工することに主眼を置かれていたのなら、僕には全然うれしくない話であって、それよりも、アナログマスターテープの音をCDというメディアを使って最大限にリスナーに届けようと言う姿勢でremasteringしてくれるならば、remasterも価値があると思う。
    XRCDのように。

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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