Remaster CDと非Remaster CD

    90年代の後半だったか、CDの音質向上を狙ってRemaster CDが登場した。
    各社さまざまなRemastering技術・方式を生み出してRemaster CDが主流になっていった。

    たとえば、アナログマスターをデジタルの上位フォーマット(20bitなど)に一旦変換し、それを16bit/44.1KHzに変換してCDに記録する方式・・・この変換技術ではただのダウンコンバートでなく、アナログからの直接16bit/44.1KHz変換よりも、記録される情報量が向上する・・・みたいなものなど。

    ただし、当時Remaster CDを聴いて、音が良くなったとは思えなかったCDもそれなりにあった。そのうちの一つがこれ。

    僕の大好きなアルバム『Fresh Cream』。

    freshcreamCDs (1)
    *ジャケットデザインは日本盤LP初版と同様

    このCDの場合、Remasteringそのものは日本主導ではない。


    僕は当時、Remaster CDの肯定派だった。
    音が良くなったと思えた理由は、音の質感が向上したように思えたからだ。
    しかし、現在振りかって、本当に音の質そのものが向上していたのか?あるいは、EQやコンプレッションによって流行の音に変えられたことを良い音だととらえ違えていたのか?はっきりとはわからない。

    『Fresh Cream』のRemaster CDに関しては、収録曲数が減ったことや、紙ジャケット仕様でCDが取り出しにくいことからあまり聴かなかったわけではない。
    これよりも以前の非Remaster CDの方が音が良いと思えたからだ。

    freshcreamCDs (2)
    *非Remaster CD,ジャケットデザインは英国LP仕様

    僕はこの頃のドイツプレスのCD(60年代の英国rockが主体)の音は今でも評価している。

    freshcreamCDs (3)
    *非Remaster CDは13曲仕様だった

    その後、Remaster盤のSHM-CDなるものが登場した際には、当時高額だったSHM-CDを試しに聴いてみようと購入したのだが、これも僕には良い音とは思えなかった。結局、非Remaster CDの音が一番だと思えてしまうのだった。

    freshcreamCDs (4)
    *ここでは米国盤LPジャケットのデザインに

    そして、昨年登場したSHM-SACDを聴くと、デジタルフォーマットではこれが最上かと思えた。最初はちょっと音が加工されている気もしたが、クレジットにはflat transferとあった。

    freshcreamCDs (5)

    これに音が一番似ているのは、やはり非Remaster CDだと思える。
    非Remaster CDは基本的にはflat transferなので、SHM-SACDが(本当に)flat transferであれば、音傾向はそっくりになって当然だ。

    つまり、『Fresh Cream』のRemaster CDは、アナログ→デジタルへの変換での音質低下(劣化)を防ぐremastering技術よりも、アナログマスターの音を加工することによって音が大きく変化していたわけで、それ以前にさんざん聞いてきたLPの音を基準にすると、なんとも物足りない音に思えたのだった。
    逆にノイズ成分が多く感じられる非Remaster CDの方が本来の音を保っていたように思える。


    ついでに、Remaster CD用のマスターテープを使ってカッティングされた『Fresh Cream』再発LP(高音質再発盤)の音もアナログ時代の再発盤よりも残念な音になっていた。そのあたりは近いうちに。

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    ジャンル : 日記

    コメント

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    No title

    リマスターのあり方について考えると悩むのですよね。
    「デジタルとアナログはそもそも全く違うフォーマットなのだから、デジタルでアナログの感じを再現しようとするのは一種の倒錯ではないのか?」と思うこともあれば、
    「客観的な『いい音』などというものは存在しないのだから、オリジナルに近づけていくのが正しい在り方だ」と思うこともあり。
    結局は聴いて気持ちがよいというのが第一で、必要以上にそこに根拠を求めることに無理があるのだろうけれど。

    Re: No title


    foolishprideさん、こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    確かに、 リマスターのあり方って何がベストか?考えてしまうところはありますね。
    僕自身はフォーマットについてどうこう思うところはなく、レコーダーがデジタルかアナログか程度の違いにしか考えていません。
    それよりも、50~60年代の古いアナログ録音については、デジタルにコピーする際にマスターテープの音をどのように加工したか?、それと最終商品としてのCDやSACDあるいはHi-Resフォーマットで出す場合に、どの程度の加工(味付け)がなされているのか?が重要だと思っています。結局、悪い音で録音されたものは、悪い音で聞こえるしかないわけで、エンジニアがあまり音をいじくりまくるのもどうかな?と最近は思えています。
    そう思うと、オリジナル尊重派?なのかもしれないです(笑)
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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