再び、Moneyのステレオ録音について あとがき

    29日の夜に出張から戻ったのだが、出張に出る前にせわしなく第4回をまとめて予約投稿して出かけたため、pianoを追加したトラック(=右)を左と書いたり、同様に左右の書き間違いや、同じ写真を2度アップしたりと、荒っぽいまとめになってしまった。
    現在は全て修正済みだが。

    stereo-inに入力されたtwin-track 音源の片方のチャンネルだけをmonoとして中央に定位させ出力するには、もしかするとSpreader機能単体でなくstereoパンポットと組み合わせて使う必要があるのかもしれないが、そのあたりは「Recording the Beatles」に記載の内容だけでは残念ながらわからずじまいだった。


    ご存知の通り、ステレオミキサーにおける単体トラック(=mono音源用のトラック)が持つパンポット機能は、音の定位を左右チャンネルの特定位置に定めることができるが、stereoパンポットではできない。
    stereoパンポットは左右チャンネルの音量を変化させる機能なので、右チャンネルの音だけを中央に定位させたくとも、右に振切れば右が100%、左が0%の音量出力となる。それでは、音は右チャンネルから出ているだけ(つまり、左チャンネルの音が出ないだけ)。結果としては、中央に定位させることはできない。

    だから、それとSpreader機能とを組み合わせることで、右チャンネルの音を中央に定位させて出力できるのかもしれない気がする。
    けれども、実機が無いため確認することができない(笑)。



    その昔、「Recording the Beatles」出版よりもずっと昔のことだが、僕は「Money」は、当初2トラックで録音されたが、4トラックのテープレコーダーの1&2チャンネルにダビングされ、残る2つのトラックにpianoを入れて、最終的にステレオミックスが作成されたのだろうと睨んでいた。

    実際に、4トラックレコーダーの導入は、「Money」の録音よりも後で、なおかつ、「Money」の最終のstereo mixing作業の前だったことから、そうに違いないと考えていた。当然、「Beatles recording sessions」でのMark Lewisohnの説明は明らかな間違いだと当時から考えていた。

    しかしその後、4トラックレコーダーの導入ではなかったのだなと思うようになり、はじめはtwin-trackのtape recorderからの出力をstereo–inでなく、mono チャンネルの入力に割り当ててのパンポット操作で制作したのではないか?と考えていた。けれども、「Recording the Beatles」出版後(購入後)は、今回記したようなやり方によって作られたと見るのがほぼ100%正しいと思うようになった。

    その有力な証拠として挙げられるのは、やはりGerry and the pacemakersの1stアルバム『How do you like it』(63年10月発売)のstereo盤だ。ここで曲の途中で左チャンネルを中央に定位させる技を使っているのだから(当初はtapeの切り貼りだと思っていたが)、「Money」の右チャンネルも中央に定位させられないわけがない。

    ただし、右チャンネルに録音されたpianoは以前にも書いたとおり、1回の演奏でなく、2回(2種類)のpianoが(少なくとも間奏部分は)録音されていると思っている。
    そのため、pianoのsuper impose用にpianoだけのトラックが入ったmonoのテープを用意して、生演奏しながら同時にテープ再生を追加した可能性もあると考えている。と言うか、無いとは言い切れないと考えている。

    誤解されたくないので再度記すが、共通の音源(この場合、歌とする)が入った異なったmono mixを、テープレコーダーを使って左右同時に再生させると、共通音源(歌)は0.数秒のズレがあっても中央に定位することはない。ところが、「Money」のstereo mixは、歌の入ったトラックは、定位が乱れることは100%無い。ここから言えることは、左右用に別のmono mixを同時再生したのでなく、左+中央に定位させた2トラック(普通はステレオと言うが)音声をマスターとして送り出し、それに合わせて右チャンネルにpianoを追加したと言うことだ。

    だから、「Money」で行われたmixingは、twin-trackの左は左チャンネルに、右を中央に、そして別のテープレコーダーを使ってtwin-trackに含まれなかったpianoを同時再生させて右チャンネルに追加+同時に生演奏で別のpianoを同じく右チャンネルに追加したとしても成り立つ。

    そのような面倒な作業を行う理由は、単純にダビングを1回減らして音質劣化を防ぐことが目的になるだろう。
    実際のところ、真相は不明だが。


    なお、このようにBeatlesのメンバー不在で、歌の入った右トラックを中央に定位させ、新たに右チャンネルに追加の楽器を加えてstereo mixを作ることができそうな曲は「Money」しかなかった。実際にstereo mixのベースとして使用されたtake7にpianoが入っていないということが、そのように実現できた理由でもある。

    もし「Not a second time」も同様のstereo mixを作ろうとしたならば、左チャンネルにpianoが入っておらず右チャンネルにもJohnのダブルトラックのボーカルが入っていない最初期のテープに遡る必要があった。そして、できあがった新たなstereo mixはボーカルがシングルトラックのままだっただろう。
    残念ながら、そのような作業は行われなかったが。

    そして、アルバム『With the Beatles』を最後にtwin-trackでの録音作業は終止符を打ったので、「Money」で行われたようなstereo mixingは繰り返されることがなかった。

    今回で本当に「Money」のstereo mixingについての話は終える。



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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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