Silk Degrees / Boz Scaggs

    僕が洋楽を自分の趣味とし始めた1970年代後半、アーティストや曲を知るには、レコード屋を訪れる、FM雑誌を読む、友達からの推薦、そして、何よりも重要な情報源はラジオだった。

    ラジオからBoz Scaggsの「We're all alone」が流れて来た時は、中学生ながらも本当に良い曲だなぁと感激しアーティスト名と曲名を書き留めた。

    その「We're all alone」を含む1976年のアルバム『Silk Degrees』(JC33920)。
    SilkD (1)
    *米国通常盤。値札は中古で買った時点で貼ってあったまま


    しかし、「We're all alone」がシングルB面曲で、Boz Scaggsのオリジナルバージョンが全米ヒットチャートではヒットしていないことを知ったのはずっと後のことだった。
    日本のラジオでかかるぐらいだから、てっきり全米Top10ぐらいのヒット曲だとずっと思い込んでいた。
    *多くのアーティストがカバーバージョンを発表したが、全米で最もヒットしたのは、Rita Coolidgeのカバーバージョン

    SilkD (5)
    *このLPは盤が厚く重い。その後、もう1枚買ったが、そちらは薄くて軽かった。

    それはともかく、このアルバムを聴いた時に実感したのは、アルバム中「We're all alone」1曲だけが飛びぬけて良い曲と言うわけでなかった、と言うこと。
    収録曲のほとんどが、楽曲としても、アレンジも、とても完成度が高く、アルバムとしての出来は本当に素晴らしい。

    最もシングルヒットした「Lowdown」も良いが、中でも特に好きなのは(「We're all alone」とカップリングされ)シングルA面曲として発売された「Lido Shuffle」。

    この曲の間奏部分で、小節を繰り返すたびにシンセが増えて音が厚くなっていき、盛り上がりながらサビにつながる部分!……ここは、本当に快感を覚えてしまう。


    RockともPopsとも言える、何ともジャンル分けしづらいこのジャンルをAORと名づけたのは、それはそれで良いけれど、個人的にはやはりRockだと思って聴いている…AORのRがRockだから、別に記すほどのことでもないか。


    15年ほど前に使っていたオーディオだと、通常の米国盤のほうが国内マスターサウンド盤[米国で半速カッティングされた原盤を使い日本でプレス]よりも良く聞こえていた。

    SilkD (10)
    *国内マスターサウンド盤、専用の内ジャケットまで付属。


    それはオーディオ的な音質の良さではなかった。
    マスターサウンド盤は、僕の当時のオーディオだとあまりにもきれいにお行儀良く聞こえ、それこそ「Lido Shuffle」がRockに聞こえなかった。

    それに比べて、通常の米国盤と言ったら、それぞれの楽曲の雰囲気(温度感、湿度感、リズム感、スピード感)を的確に伝えているように思えた。


    しかし、オーディオセットが変わると、それらの印象も変わる。
    この数日、シンプリービニール盤を加え、3枚を聴き比べしているが、どれもそれぞれに良さがあり、どれが一番音が良いとは言えないと思えた。

    米国盤は中音域が密度濃いが、他との比較で1枚ヴェールをかぶったような音に聞こえる。歯切れ良さや繊細さではマスターサウンド盤の方が良い。情報量もマスターサウンド盤が優れている。
    しかし、日本プレスだからなのか?なんと言うか、僕独自の表現で言えば、生命感をあまり感じない音なのだ(同様の感覚が、『Abbey Road』のPro use盤に対してもある)。
    米国でプレスされた米国マスターサウンド盤をいつか聴いてみたいものだ。


    シンプリービニール盤は90年代の発売だと思うが、音の傾向はマスターサウンド盤に近いが、なお且つ音がフレッシュで解像度も高いように聞こえる。まるで音が1世代若返ったように聞こえる。

    SilkD (13)
    *SVLP。ジャケット写真はコピーっぽい。

    その理由はどこにあるのか?残念ながらわからない。
    マスターテープそのものが違うと推測している(最初の2枚は恐らく同じマスターテープだろう。当然マスターサウンド盤はそれをハーフスピードで再生しながらカッティングしているわけだが)。





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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

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    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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