Tell’em I’m surfin’/ Fantastic Baggys

    先日、Jan and Deanの『The Little Old Lady From Pasadena』を取り上げた際に、次のように記した。

    B-4「Move out little mustang」は、The Rally PacksがシングルA面として発売している同曲と音源が全く同じのようだ。彼らはP.F. Sloan と Steve Barriによる変名のユニットで、このボーカルは彼らのものと言う説もある。僕にはよくわからないので、彼らの別変名ユニットThe Fantastic BaggysのCDを注文して、歌声を確認する予定。

    そして、Fantastic Baggysの唯一のアルバム『Tell'em I'm surfin'』のCDを購入した。

    FB (5)

    その後、偶然国内盤LPも手に入れた。



    そして歌声を聴いてみたものの、やはり短期間で彼らの声を覚えられず。
    未だに、「Move out little mustang」の歌声はP.F. Sloan と Steve BarriなのかJan and Deanなのか、僕には判断がつかない。

    ちなみに、P.F. Sloan と Steve Barri はFantastic Baggys名義でJan and Deanの60年代当時唯一のliveアルバム『Command performance』にバッキングボーカルズとしても参加している。

    スタジオ録音でも(いつからかは知らないが)同様に参加しており、「The Little Old Lady From Pasadena」のDeanの裏声パートはP.F. Sloanが歌った…これは有名な話だとCDのライナーに記されていた(笑)。確かにDeanは、言っちゃ悪いが音程を外しやすく、へなちょこボーカルだった。


    さて、Fantastic Baggysの唯一のアルバム『Tell'em I'm surfin'』だが、CDを聴いて驚いたのは、その抜けの良い音質。ライナーにも記載があったが、引用すると「ここでは歌も演奏もじつに生々しい、リアルでストレートなレコーディングなのである。」。

    音を聴く限り、録音にお金をかけたとは思えないほどバッキングは最低人数のミュージシャンによる一発録音っぽく、それが(ライナーでも同意見が述べられていたが)シンプルな録音によって高音質につながっている。ステレオの音の定位(歌や演奏)も当時としては(Jan and Dean同様だが)低域不足にならないようにうまく作られているし、振り分けが斬新だなと思えた。

    そして、ギターはアンプの真ん前にかなりオンマイク気味にセットして、スタジオでの反響を拾わずに録音された曲もあり、独特の音を聞かせる。

    Drumsは、Jan and Deanの録音同様、誰もが知っているHal Blaine。おかげで、リズムは安定しているし、楽曲の躍動感をほとんどHal BlaineのDrumsで生み出しているように聞こえる。

    収録楽曲は、若干アレンジ不足だとは思うが、それでもクオリティは高い。全曲P.F. Sloan と Steve Barriによるもの。彼らは当時のSurfin’/Hotrodものによくある覆面バンドみたいなものだが、これ1枚で終わったのは勿体無い。

    FB (8)


    同タイトルの国内盤LPは、80年代初頭に発売されたものだ。
    これはオリジナルLPの11曲に彼らのシングルからアルバム未収録の3曲を追加した14曲入り。

    聴いて驚いた。なんだミキシングが全然違うじゃないか。
    恐らく、こちらが当時のオリジナルステレオ音源を使用して作られたもので、昨年発売された999円シリーズのCDはマルチトラックのマスターテープに遡って新たにremixされたものだろう。
    *曲によっては、4トラックでは足りないと思われるものもあり、もしかするとBeach boysの『Pet sounds sessions』同様、演奏だけのマルチトラックテープを発見し、それとオーバーダブの4トラックマスターから歌やコーラスを取り出してremixしたのかもしれない。

    簡単に言うと、このLP収録音源のミキシングはいかにも60年代と言った趣の、片方のチャンネルに演奏、反対のチャンネルにコーラス、そしてセンターにリードボーカルとなっている。なるほど、どおりでCDは現代っぽいフレッシュな音に聞こえたわけだ。

    A-2の「Let's make the most of summer」は、LPだとシングルボーカルだが、CDだとダブルトラックになっている。

    これが本当のダブルトラックなのか、シングルトラックのボーカルを現代のデジタルミキシングでダブルトラックに聞こえるように作り直したかどうかはわからない。もしかしたら、モノラルバージョンは本当にダブルトラックだったのでremixする際にそれを再現したのかもしれない。

    この事実を知ってしまうと、999円シリーズのJan and Deanのタイトルも新たにremixされているのか?とても気になってしまう。

    なお、国内盤LPに追加収録されたシングル曲はモノラル音源。
    それと、国内盤LPの音質は悪くないもののやや平坦な印象。恐らくオリジナル米国盤LPはもっと立体的な音で低音も押し出しが強いのではないか?と推測する。かなりレアらしいが。


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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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