Dead Man's Curve / The New Girl In School

    すっかり忘れていたが、昨年、EMIから発売された999円シリーズのSurfin’and Hot rod 編CDに Jan & Deanの諸作も含まれていた。だから、昨年から彼らの作品に接した方も多いことだろう。

    僕は全てLP(国内盤LPも含む)で持っているので前述のCDシリーズから彼らのタイトルは1枚も買っていない。

    ここ数年は全く聴いていなかったこともあり、昨日『Jan & Dean take Linda Surfin’』を紹介した後、すぐに出てきた数枚のLPもさらっと聴いてみて驚いた。
    それは米国盤LPの音質の良さ(録音の優秀さ)についてだ(国内盤は今ひとつだった…)。

    例えばこれ、米国stereo盤『Dead Man's Curve / The New Girl In School』(LST-7361)

    dmcngis (2)

    彼らが1964年に発表した3枚のうちの最初のアルバムだ。




    このアルバムに収録された数曲の低音域には本当に驚かされた。
    どう聴いても当時の英国勢の録音と比較し、音質的には1ランクも2ランクも上を行っているのではなかろうか。(但し、A-2だけは英国勢と変わらない。)

    70年代から80年代初めにかけて、僕がまだ国内盤LPを主に買っていた数年、60年代のアーティストのLPを聴くとBeatlesが断トツに音が良いと思っていた。Rolling Stonesは擬似ステレオでこもっているし、Whoも似たようなもの。Kinksは1stを聴いただけだったが、おかしなstereoミックスで演奏が遠く聞こえた(今聴くと、ましに思えるが)。Bob Dylanもあまり良いとは思えなかったし、Beach Boysも先日の『All summer long』レベル。

    もしその当時、『Dead Man's Curve / The New Girl In School』の米国盤を聴いていたら、Beatlesが断トツに音が良いと言う理解は塗りかえられていただろう……いや、当時使っていたオーディオ製品からして、そういう理解に至ったかどうかは難しいかもしれない。けれども、少なくとも一部の米国録音が素晴らしいことに気づいていたかもしれない。

    dmcngis (6)
    *裏側の写真は、『Jan & Dean take Linda Surfin'』のフォトセッションからみたいだ

    さて、このアルバム、Jan & Deanの代表曲の一つ、ドラマチックな「Dead Man's Curve」を含むアルバムで、この曲自体は前作『Drag city』にも収録されていた。
    64年にシングルカットされて全米No.8位まで上る大ヒットになるのだが、その際に再録音されたのか?ここでは別バージョンになっている。この別バージョンの方が良く聞くバージョンだと思う。
    *もしかすると、オケは同じ(但しremix)で、歌だけ録音し直しかも

    前作『Drag city』はSurfin' /Hot rod作品として非常に良い出来だった(その前の『Surf city』はあと一歩と言った感じ)。

    チャート的には前作が彼らのアルバムで最もヒットした作品となるのだが、本作は前作同様と言うか、個人的にはこちらの方がアルバムとしてはさらにクオリティが上がった印象を持った。

    本作がチャート的にそれほどでなかったのは、やはり年に3枚もアルバムを出していては、購買側からすると厳しかったからなのではなかろうか。
    それに1964年は年初からBeatles旋風が吹き、British invasionの波に飲まれ苦戦することになったのかもしれない。

    でも、本当に録音音質が素晴らしいし、アルバムとしてのまとまりや楽曲のクオリティは『Surf city』からは確実に1ランク以上は上がったと思える。成長が目覚しい気がした。

    しかし、そうは言ってもマイナスポイントもある。それは、収録曲に過去の作品が含まれていること。前回紹介した『Jan & Dean take Linda Surfin’』に収録されたシングルヒット曲「Linda」が何故か再収録されているのだ。

    ただ、同様のことは、後のアルバム『The Little Old Lady From Pasadena』でも起こっているので、収録曲数を稼ぐために既発曲を収録する手を使っていたと思われる。

    dmcngis (10)
    *stereo盤しか持っていない


    それにしても何度も繰り返してしまうが、このアルバムの録音は当時のpop/rockアルバムとしては非常に優れているのではなかろうか。

    数曲で低音域がしっかりと厚く重く録音されていることには本当に驚かされる。
    それはたいていバスドラムやベースなのだが、音像をしっかりと捉えて録音されている。「Bucket“T”」や「Rockin’ little roadster」などを聴くとよくわかる。
    *Whoがカバーした「Bucket“T”」は、このJan and Dean バージョンか?

    さらには、スタジオで聴こえていたと思われる低域の空気感まで収録したものもある。「It’s as easy as 1,2,3」の低音はどうやって録音したのだろう?


    ちなみに、米国盤『The Little Old Lady From Pasadena』での低域の録音も非常に良いと思えた。「It’s as easy as 1,2,3」を再収録しているせいか?(苦笑)。


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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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