Over under sideways down/ Yardbirds その2

    この際なのでカナダ盤『Over, under, sideways, down』の元となった英国盤『Yardbirds』と米国盤『Over under sideways down(LN24210)』も紹介しておく。

    まず米国盤『Over under sideways down(LN24210)』Mono盤。

    reyb (1a)

    カナダ盤と違ってジャケット写真に、Jimmy PageでなくPaul Samwell-Smithが写っているのは、個人的には好ましい。この5人がアルバム制作時のメンバー。




    英国盤から2曲減らした10曲収録。
    reyb (2a)

    カットされた2曲は「The Nazz are blue」と「Rack my mind」。
    「The Nazz are blue」をカットしたのは正解だろう。

    この曲はアルバム中、唯一Jeff Beckがボーカルをとる曲。15~16才の頃だったか、初めて聞いた時、あまりの下手さに驚いてずっこけたものだ(苦笑)。その時はそれがJeff Beckだとは知らず、Yardbirdsのボーカルはあまりにも下手だとしか思わなかった。


    さて、今では『Yardbirds』でなく『Roger the engineer』として定着した英国盤(SX6063)だが、全12曲収録。
    reyb (5)
    *表はコーティングあり

    LPにせよCDにせよ、このジャケットでの再発盤が最も多いだろう。
    MonoとStereoとでミックスの異なる曲を多く含んでいるので、80年代だったか、英国Edselからは、MonoアルバムとStereoアルバムの両方のLPが再発されると言う当時としては画期的な再発盤もあった。

    僕の持っているMono盤は英Columbiaからの所謂オリジナルモノラル盤。
    reyb (7)
    *ジャケット裏に折り返しあり

    英国Stereo盤は再発の2ロゴ盤。
    reyb (8)
    *これも表はコーティングあり


    今日は久しぶりに、英米カナダの3種類のMono盤を大きな音で聴いた。
    それで音質的な違いを記した前回の記事に訂正を入れることにした。

    英国盤は超低域から高域まで伸びた音質なのだが、中音域をへこませたようなドンシャリ的な音質になっている。恐らくこれは、当時のEMI系列のLPのカッティングの際に施されたEQカーブによるものではなかろうか?このアルバムだから、そのような傾向の音にしたとは思えなかった。

    reyb (15)

    米国盤の音は曲によっては英国盤以上にドンシャリに聞こえるものもある。
    それも米国カッティングでのEQによるものと思われる。音質的に英国盤よりも劣ることはないのだが、残念なことに(たぶん50Hz前後から下の)低域がカットされていて、周波数帯域のレンジが英国盤よりもナローに聞こえる。

    reyb (18)


    カナダ盤も英国盤ほどの超低域は記録されていない模様。ただ、こちらは前回記した通り、自然な音をしていて、恐らくマスターテープそのままに近い音傾向なのではと思われる。英米盤との比較で非ドンシャリ傾向。ただし、大元の音作りの面で独特のEQがかけられていたようで、その時点で例えばボーカルは普通だけど演奏はやや中音域を薄くしたような音作りがなされていることなどがわかる。

    ousd (14)


    ミックスの違うstereo盤だが、mono盤ばかり聴いていた後に聴くと、音が薄っぺらく感じられる。
    しかし、これを同時期のBeatlesの『Revolver』と比較すると、後者よりもダビング回数が少ないのか?音質的にはマスターテープが1世代若いのでは?ぐらいに思えてしまう。
    録音はEMIスタジオでは無いようなのだが。

    reyb (11)
    *2ロゴ盤のジャケット裏。折り返しなし。


    ところで、『Yardbirds』は英国では彼らは初のスタジオ録音アルバムだった。
    そして発売は『Revolver』よりも1ヶ月ほど早い。Beatlesよりも早くサイケを取り入れた英国ロックを示した重要なアルバムでもあるわけだ。

    『Revolver』は、米国で流行っていたサイケを一早く取り入れ、Beatlesらしい実験的な試みと、楽曲ごとにふさわしい楽器をフィーチャーし新たなサウンドを提示して見せた素晴らしいアルバムだ。

    『Yardbirds』は、実験精神では『Revolver』にも負けず劣らずの内容だと思うし、ロックバンドの中でのギターサウンドの可能性をより広げることに貢献した点については『Revolver』よりもずっと功績が大きいと思う。

    とは言え、「The Nazz are blue」をはじめ、個人的には魅力を感じない曲がいくつもあり、それゆえ彼らのB級っぽさがぬぐえないのだが。

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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    コメント

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    はじめまして。
    我が家にもこの盤の米モノラル盤と、英再発モノラル盤(水色ジャケ)があります。
    英盤は内周にPorky prime cutとサインが刻まれており、George Peckhamがマスタリングしたことが判ります。音的には鮮度は低くなるも、中低域に塊のあるこれはこれでいい音だと思ってます。
    米盤は言われてみると、低域が薄く感じることが多少あるのですが、鮮度が高く感じられます。マトリクスは両面とも機械打ちの1Aで恐らくファーストプレスかと思われます。analog Beatさんの米盤のマトリクスはいかがですか?

    Re: タイトルなし

    ヒロシさん、こんばんは。
    はじめまして。
    コメントどうもありがとうございます。

    僕のLPのマトは、A/B面で1E/1Fでした。機械打ちです。
    もう1枚持っていたのですが、見つかりません。

    > 米盤は言われてみると、低域が薄く感じることが多少あるのですが、鮮度が高く感じられます。

    そうですね、鮮度は高く、良い音をしていると思います。
    英国盤は英国盤で、違った音だけど良い音をしています。
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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