The Zombies(US 1st LP)

    Zombiesの1stアルバムは、英国よりも米国で先に発売された。
    『The Zombies (PA61001)』モノラル盤(ステレオ盤はPAS71001)。
    発売は1965年1月。

    zomus (1)

    このアルバムは当時良くあったように、英国でのデビューアルバム(『Begin here』)とは選曲が違っているし、曲数も違う。

    英国本国よりも先に発売されたのは、2曲のシングルヒットが大きく影響しているのだろう。


    当時の米国向けアルバムには、お約束のようにシングルヒット曲が収録され、その2曲はアルバムジャケットに「featuring She’s not there Tell he no」と大きく記されている。
    おかげで、僕など『Begin here』よりもこちらのほうを好んで聴いている。

    いや、僕が米国LPを好むのは、ヒット曲収録の差ではなく(と言うのも『Begin here』には実際「She’s not there」は収録されている)、選曲や曲順の違いなのだろう。

    『The Zombies』は最初から最後まで通して聴いた時に何の違和感もないし、彼らがどのような音楽を作り上げているかがよくわかる。けれども、『Begin here』では、そのあたり何と言うか、“ごった煮”感を感じてしまう部分がある。

    例えば、『The Zombies』ではA面をかけるとまず「She’s not there」、次に「Summertime」。
    この流れは、彼らが知的な側面を持ち合わせていることを非常に雄弁に物語っている気がする。

    ところが、『Begin here』では、Bo Diddleyの「Road runner」から始まり、次が「Summertime」だ。その後の流れは米国盤同様に知的さを感じさせるような流れを作っているのだが、A-1を別の曲にしていれば良かったのにと思えてしまう。

    まぁ、当時の英国LPではA面のラストにシングルヒット曲を配置するのが標準的だったので「She’s not there」をA-1でなくA-7にしたのだろうが、あえて米国同様A-1にもってくれば印象が大きく違う気がする。

    そんなこんなで、僕には『The Zombies』のほうが聴き易い。

    zomus (2)
    *『The Zombies』ジャケット裏


    *話は変わるが、A-4の「You ‘ve really got a hold on me」は、言わずとしれたMiraclesのカバーで、BeatlesもSmall facesもカバーバージョンを残しているので聞き比べると面白い。ただし、ZombiesのバージョンはMiraclesの初期のlive LPでのバージョンをコピーしたと思われ、後半にSam Cookeの「Bring it on home to me」を含んでいる。


    そしてさらに『The Zombies』が『Begin here』よりも非常に優れていると思える別な理由がある。
    それはLPの音質だ。

    『The Zombies』は各曲の大元のマスターの音をしっかりと音溝に刻もうとしているかのような、鮮度の高い音で、なおかつ低音域までもがしっかりとカッティングされている(低域成分をあまり含まない曲は、そのままだが)。

    実はこのLP2枚持っているのだが、それぞれカッティングが異なっていた。
    *レーベルも微妙に異なる

    zomus (3)

    zomus (6)

    片方は手書きマトにBellsound刻印あり、他方は機械打ちマトBellsound刻印なし。
    それで、機械打ちのマトリクスを持つ盤のほうが中低域がよりふくよかで僕の好みだ。初めて「Tell her no」を聴いた時はあまりの音の大きさと音の密度の濃さから、まるでシングル盤のような音だ!とびっくりしてしまった。
    手書きマト盤は音が整えられ、荒々しさが抑えられている。

    ただし、両方とも英国盤『Begin here』よりもカッティングレベルが高いだけでなく、音量を合わせて聴いても英国盤以上に良い音に聞こえる。

    zomus (7)
    *こちら『Begin here』


    なお、1968年と思われるが、米国盤『The Zombies』と同一内容のLPがオランダで発売されている。

    Stereoとあるが、ほとんどMonoと変わらないような擬似ステレオ。
    もしかしたら、米国ステレオ盤(擬似ステレオ)のマスターを使ってカッティングされたのかもしれない。高域が擬似ステレオ効果のせいでやや頭打ちに聞こえてしまう。

    音質だけ取るなら米国Mono盤をお勧めする。(米国Stereo盤は聴いたことがないので、なんとも言えない。)

    関連記事
    スポンサーサイト

    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    コメント

    Secret

    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    カレンダー
    07 | 2017/08 | 09
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 31 - -
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR