Autumn almanac/Mr. Pleasant

    今回もKinksネタで。

    僕は常々、Kinksのシングル「Autumn almanac/Mr. Pleasant」(67/10発売)は60年代後半のKinksのシングルの中でも最高の出来栄えの1枚だと思ってきた。
    両面とも素晴らしい曲で、Beatlesのシングル「Strawberry fields forever/Penny lane」に匹敵すると言われても何らおかしくないと思っている。

    ところが今頃になって知ってびっくりしてしまったのだが、英国でのB面扱いの「Mr. Pleasant」は米国や欧州(英国を除く)ではA面扱いで、英国よりも半年も早く、1967年の4月に発売されていた(手元のシングルを確認したらUS盤を発見。B面は「Harry Rag」)。
    何故英国では発売しなかったのだろう?

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    Kinksは英国で「Mr. Pleasant」を4月発売する代わりに5月に「Waterloo sunset/Act nice and gentle」を、アルバム『Something else by the Kinks』に先がけて発売している。

    「Waterloo sunset」は、Ray DaviesがBeatlesの「Penny lane」を聴き、触発されて書いたと言う話がこれまではまことしやかに語られてきたと思うが、実際に「Waterloo sunset」を4月に録音し5月に発売したことからすると、本当の話なのかもしれない。


    「Mr. Pleasant」は、66年2月発売の「Dedicated follower of fashion」に続く英国伝統のミュージックホール的な曲調で、しかもアレンジは「Dedicated…」よりもさらに磨きのかかったミュージックホール的なものとなっている。特にピアノと管楽器の使い方。

    メロディはマイナー調の物悲しい美しさを持っていて、それをミュージックホール的なアレンジで滑稽な感じに聞かせると言う(特にサビの部分)、Rayの個性全開と言った曲で、3分ぐらいで終わってしまうのが本当にもったいない。僕の場合、何度もrepeat再生して聴いてしまう曲だ。

    しかし、Rayは「Strawberry fields forever/Penny lane」(67/2月発売)を聴いた後、(少なくとも本国英国では)「Mr. Pleasant」でなく別の曲をシングル発売しようと思ったのならば、この曲は「Strawberry fields forever/Penny lane」と比較しサウンドが斬新でない?とか、あまりにKinksらし過ぎる?とか、僕には具体的にはわからないものの、何らかの考えがあって発売を見送ったと思われる。

    その結果、秋のシングル「Autumn almanac」のB面にカップリングして英国発売となった。
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    僕は(米国シングルの存在をすっかり忘れていたこともあり)「Mr. Pleasant」がB面曲なのはあまりにもったいない気がしていたのだが、ちゃんと理由があったわけだ。

    そして、カップリングされたA面曲の「Autumn almanac」だが、これもまた素晴らしいメロディの曲だ。
    「Mr. Pleasant」と「Waterloo sunset」を足して2で割ったように思える部分もあるが、1曲の中でこれほどに展開を変え、うまく転調させ、ドラマチックに聴かせるなんて、本当にRay Daviesの才能にはただただ驚くしかない。

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    世間一般の意見とは食い違うかもしれないが、僕には60年代きっての英国Rock/Pops界のメロディメーカーはRay Daviesなのだと思えて仕方がない。


    ちなみに、米国盤LP『The Kink kronikles』に収録されていた「Autumn almanac」は、true stereo mixだった。今ではCDで同一ミックスを聴けるのでありがたみがなくなったが、それまではこのLPでしか聴けなかった(*もしかすると、他の編集盤にも音源が流用されているかもしれないが、僕は知らない)。

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    *LPはオートチェンジャー対応で1/4,2/3面となっている…でも編集盤だからどうでも良い気もする

    また、同LPには他の編集盤には含まれていないレアトラック「Did you see my name」も収録されていたし、「Polly」、「Berkeley mews」、「Susannah’s still alive」、「She’s got a everything」のtrue stereo mixもこれでしか聴けなかったし、「Days」のtrue stereo mixも12曲入りVillage greenのアルバム以外では珍しかったし、他にも珍しいシングルB面曲が擬似ステレオで収録されていて昔は本当に押さえておかねばならないアルバムだった。

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    それにしてもジャケットデザインはひどい……(苦笑)。


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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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