Michel Polnareff

    Michel Polnareffの1stアルバムはフランスで1966年11月に発売された(*日本盤LPの年表による)。

    『Michel Polnareff』(discAZ LPS11) モノラル盤
    pol (13)
    *ジャケット表。アーティスト名やアルバムタイトルが無い。ジャケットは特殊な作りの見開きで、表裏のみコーティングあり。

    収録曲は、デビューヒットとなった「La poupee qui fait non」や、さらに彼の作曲能力の高さを証明した2nd EPの表題曲でロッカバラッドの名作「Love me please love me」などを含む全10曲。
    全曲Polnareffの自作曲で、曲によっては作詞を別の人に依頼しているようだ。


    収録曲は、それまでに発表した2枚のEPから4曲、そして、アルバムと同時期に発売された3枚目のEPから4曲全て、そして、アルバムのみの収録曲2曲と言う内訳になっている。

    pol (14)
    *ジャケット裏。こちらにもアーティスト名や曲目の表示が無い


    全体的な印象だが、ロックバンドをバックに従えながらアコースティックギターによる弾き語りをメインとしたようなサウンドが中心だ。ある意味、フォークロック的と言えなくもない。前述した「La poupee qui fait non」はフォークロック曲として捉えられているし。

    しかし、単なるフォークロックにとどまっていないように僕には思える。
    この場合、「フォークロック」の意味するのはあくまでサウンドであって、Polnareffの作る曲は簡単にカテゴライズできない。

    まぁ、確かに「フォーク」っぽい曲も半数ほどあるし、B面は全体的にフォークっぽいかもしれないが、A面は逆にrockっぽい印象の強い曲が多い。
    A面のサウンドはフォークロックと言うよりも、後のPolnareffのスタイルにつながる彼独自のrockだと思う。

    pol (15)
    *ジャケット見開き内側、その1(左右)

    それにしても、ピアノの名手である彼が、デビュー時はどうしてギター中心の曲・サウンドで勝負していたのだろうか?そういうイメージを作りたかったのかな、と言うのが僕の意見だ。何しろ、60年代は英国勢に代表されるギターバンドがrock/popの主流だったのだから。

    おかげでアルバム中、ピアノ主体の曲は「Love me please love me」1曲のみ。
    このあたり、Polnareffの他の作品とは随分と異なる印象を与える気がする。
    とは言っても、初期のアルバムはそれぞれカラーが違うと言うか、サウンドが異なるので、毎回変化していると言うのが正しいだろう。

    pol (16)
    *ジャケット見開き内側、その2(左右)左はライナーノートっぽい。右側に曲目表示。

    このアルバムの初版はフランスではモノラルのみの発売と思われるが、モノラルミックスとステレオミックスとではミキシングが異なる「ミックス違い」の曲が多く楽しい。
    (*このレコード、初版も結構売れたと思うのだが実は現地で見かけないLPの1枚だった。3度目の訪問ぐらいで初めて見つけた時に購入した。初版はその1枚だけしか持っていない。)

    pol (11)


    僕の持っている盤は盤質があまり良くなく、それゆえほんの少し音が歪んで聴こえるし、音が硬く聴こえる。
    低域までそれなりに出ているものの、やや輪郭がぼやけ気味な気もする。

    それと比べると、こちらの方が音質は良いかもしれない。

    『Michel Polnareff』(HITSLP 340021) 隣国の西ドイツで発売された同一タイトル盤。
    pol (1)
    *表のみコーティングあり

    別ジャケットで発売された。
    「NEUE REVUE」と言うシリーズなのだろうか?Kinksのアルバムにも同じ文字を見かけたことがある。

    12弦のアコギを弾いているジャケット写真からは、フォークシンガーの印象を受ける。

    ジャケット左下に大きくSTEREOとあるにもかかわらずモノラルだ。

    ジャケット裏はこのように文字のみ。それと、ジャケットの作りはフランスと違ってシングルジャケット。
    pol (4)
     
    こちらにもSTEREOと記されているのだが。もしかすると、Stereo盤での発売が予定されていたが、フランスからはmonoのマスターしか届かなかった?

    pol (7a)
    *レーベルにもしつこくStereoとあるが実際はMono

    ドイツ盤はフランス盤よりもカッティングレベルが低いものの、低域は引き締まりながらもしっかりと出ているし、高域も、よりフォーカスがあった音をしており、オーディオ的にはこちらのほうがより好ましいと思う。

    でもジャケットは確実にフランス盤のほうが価値を感じる作りだ。



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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    コメント

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    No title

    こんにちは。
    JDさんの記事がきっかけで、フランス盤オリジナル・ファーストを入手でき、先ほど無事届きました。
    イギリスのショップで40ポンドしましたが、盤のコンディションがすばらしく、ほとんど無傷で歪みなどもなかったのでラッキーでした。一度ステレオ・カートリッジでかけて、モノラルであることを確認してから(笑)、モノラル・カートリッジに取り替えて繰り返し聴いています。
    「L'oiseau de nuit」あたりの迫力は、噂には聞いていましたが、確かに実感。

    数年前に個人的にポルナレフ・ブームがあり、いろいろ集めたのですが、その時には買えなかったので、感慨もひとしおです。

    オリジナル・モノラル・ファーストの魅力を紹介したものとしては、ポルナレフ・ファンのミュージシャン、からかわまことさんの
    http://karakawamakoto.com/archives/polnareff.html
    という記事があり、これを読んで以来、いつかは聴かねばと思っていたものです。

    文中で触れられていた「Y氏」のディスコグラフィー・サイトはここ↓
    http://www.polnareff.net/
    フランス盤ファーストのヴァージョン違いにも触れられていますので、ご参考までに。

    Re: No title

    鳩サブローさん、こんばんは。
    おお、フランス初版を入手されましたか!しかも、素晴らしいコンディションで。
    羨ましい限りです。
    僕もいつか、よりコンディションの良い盤に買い替えしたいところ。

    > オリジナル・モノラル・ファーストの魅力を紹介したものとしては、
    > ポルナレフ・ファンのミュージシャン、からかわまことさんの
    > http://karakawamakoto.com/archives/polnareff.html
    > という記事があり、これを読んで以来、いつかは聴かねばと思っていたものです。

    初めて知りました。
    先ほど読ませてもらって、同じようなところに楽しみを見つけている人がいたんだなぁと嬉しくなりました。僕の場合、最初にフランスのEPを集めたのでMono音源が普通だったのですが。
    SQ4盤については、マスターテープが2トラックステレオだったとは!びっくりです。

    > 文中で触れられていた「Y氏」のディスコグラフィー・サイトはここ↓
    > http://www.polnareff.net/
    > フランス盤ファーストのヴァージョン違いにも触れられていますので、ご参考までに。

    こちらはまだ見ておらず、近いうちに見ようと思います。
    楽しみです。

    No title

    なるほど。こちらが邂逅現場でしたね。
    3年後に私も無事到着いたしました。笑。

    最近はちょうどストーンズのモノ祭りでございまして、本当に素晴らしいと毎日唸っています。その関係の検索により、こちらへ到達したわけで、神の導きかと思わざるを得ません。
    ところで、今現在、アイドル制作と並行して行っている、私自身の20周年プロジェクト「20周年・非圧縮リマスター」ハイレゾシリーズ、というのがございまして、もしよかったら是非お聴きいただけたら幸いです!
    http://karakawa.cocolog-nifty.com/egm/2016/04/pcm-transfer201.html

    http://karakawa.cocolog-nifty.com/egm/2016/10/toyou20th.html

    12月に第3弾がリリースされます。

    またマニアックな記事の更新、楽しみにしております。それでは失礼致します。

    Re: No title

    Karakawa Pさん、こんばんは。

    追加コメントをいただき、こちらも謎が解けました。
    やっぱり、初めまして、ですよね。

    それにしても、人違いでも
    >マニアックな記事
    と述べられていて、ちゃんと読んでいただいたことはわかりました。
    ありがとうございました。
    こちらこそ、またよろしくお願いします。

    *余談ですが、僕も以前仕事でPCMプロセッサーを使っていたことがあります(笑)


    No title

    本当にすいませんでした。

    いやもうホントに、特にハリウッド・ボウルやマネーのミックス考察など貪るように拝見しましたよ。
    ブートの細切れミックスから推理したり、実際音にしてみたりなど、僕も90年代には似たようなことをよくやりました。そういう経験が今の仕事で活かされてるのではないかなと思ったりしています。
    あとはマスターのジェネレーションに関する考察などもひとつひとつ「そうそう!」と膝を打ちつつ読みました。
    音楽をされる方の分析や耳もいいのですけど、その内容はテイクやら演奏内容にどうしても偏りがちです。そんななか、JDさんの考察はミックスと鮮度に関する部分も多く、そのバランスが読んでいて心地よいですし実に納得いきます。偶然の出会いでしたが拝見できて本当によかったです。

    PCMプロセッサに関する件は、本当にライフワークとも言えたものだったので、今年成就したことは心からホッとしました。
    80年代アーティストの使用していたデジタルマスターやマルチはすでに機材もなく、再生もリミックスもできないと言われている現状ですが、そんななか、無事変換できたのは奇跡だろうと思ってます。

    ありがとうございました。
    またよろしくお願いします!

    Re: No title

    karakawa-pさん、こんばんは。

    > いやもうホントに、特にハリウッド・ボウルやマネーのミックス考察など貪るように拝見しましたよ。

    そうですか、それはどうもありがとうございます。

    > ブートの細切れミックスから推理したり、実際音にしてみたりなど、僕も90年代には似たようなことをよくやりました。そういう経験が今の仕事で活かされてるのではないかなと思ったりしています。
    > あとはマスターのジェネレーションに関する考察などもひとつひとつ「そうそう!」と膝を打ちつつ読みました。
    > 音楽をされる方の分析や耳もいいのですけど、その内容はテイクやら演奏内容にどうしても偏りがちです。そんななか、JDさんの考察はミックスと鮮度に関する部分も多く、そのバランスが読んでいて心地よいですし実に納得いきます。偶然の出会いでしたが拝見できて本当によかったです。

    コメントを読む限り、僕と同様に、曲だけでなくバンドのサウンドやミキシング、音質等にもご興味があったようですね。
    僕も70年代の後半(中学生の頃)にラジカセでギターの録音を始めたこともあって、Beatlesの曲への興味はサウンドやmono/stereoでのミキシング違い、あるいは音作りへと進んでいきました。
    そういう興味を抱いて音楽を聴いていた人は一握りだったのかもしれませんが、その頃から基本は変わらないですね(笑)。
    僕のブログを読んでいただけて、こちらも大変嬉しい限りです。

    > 80年代アーティストの使用していたデジタルマスターやマルチはすでに機材もなく、再生もリミックスもできないと言われている現状ですが、そんななか、無事変換できたのは奇跡だろうと思ってます。

    そういう事情があったとは知りませんでした。
    確かに80年ののデジタルマスターは、どういう機器を使用していたのかわかりませんね。

    > ありがとうございました。
    > またよろしくお願いします!

    こちらこそ!

    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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