Sylvie/Sylvie Vartan

    アメリカのRock’n rollをフランスに浸透させた第一人者はJohnny Hallydayだと思っているのだが、女性ではやはりSylvie Vartanだろう。

    そのSylvie Vartan が1967年に発表したアルバム『Sylvie(RCA441.029)』は、今で言うフレンチポップと英米rock/soulのカバーが同居した充実した内容だ。

    sylvie67.jpg




    Sylvie Vartanのデビューは1961年。Frankie JordanのEPに競演する形でデビュー。
    1962年にソロデビュー後、米国産のRock’n rollをフランス語でカバーしたいわゆる yé-yéムーブメントを牽引するわけだが、1964年以降以降、British invasionに呼応したサウンドの変化を挟み、1965年発表の曲「Cette lettre-là」でサウンド的にも歌唱的にも、今で言うフレンチポップの原型の一つを作ったと僕は捉えている。
    それは、アメリカ産のRock’n rollではないし、British beat風でもない、フランス独特の香りが漂うpop/rockだった。

    それ以降、英米ロックやSoulのカバーと同時進行的にフレンチポップ的な曲を発表していくことになる。1966年のアルバム『Sylvie(*タイトルは同じだが内容は別)』は、そのような路線の変化を捉えた最初の作品だった。そして、次のアルバムが今回紹介する『Sylvie(RCA441.029)』だ。

    『Sylvie(RCA441.029)』は67年の発表だが、収録曲には1966年発売のEP曲も含んでおり、実際には66年と67年の曲で構成されている。

    ジャケットは見開きになっているが、表裏ともにコーティングの無い、当時の仏盤としてはとても特殊な作り。まるで米国製ジャケットのような硬い紙を使用。

    sylvie67 (3)

    sylvie67 (6)

    見開きの中は中央にレコード収納部分がある。
    sylvie67 (7)

    こちらが裏ジャケット。
    sylvie67 (2)


    内容についても少し触れておく。
    A-1はBeatlesの「Yesterday」のメロディを元に作曲されたように思えるような曲。ストリングスを含む甘いサウンドと押さえ気味に歌うボーカルはSylvie Vartanの新しい一面を見せる。
    A-2はこのアルバムの特色のひとつとも言えるモータウンナンバーのカバー。このアルバムには3曲のモータウンカバー曲が収録されており、これはFour topsの「Same old song」。
    B-4もFour topsの「I can’t help myself」。そして、A-4はSupremesの「Keep me hanging on」

    A5の「Par amour, par pitie」はこのアルバムのハイライトの一つ。1966年にEPで発表されている。この曲もA-1同様にメロディアスな曲。しかしSylvieの歌唱はここでは感情をぶつけるように激しく歌う。

    もう一つのハイライトはB-1の「2’35 de bonheur」。
    この曲は60年代のSylvie Vartanのベスト盤にはほぼ必ず収録されるほどの代表曲。
    60年代においても一昔前のシャンソンを思わせるノスタルジックなサウンドアレンジとなっている。そしてこの曲以降、シャンソン風アレンジの曲が増えてくる。

    この曲はフランスやイタリアで大ヒットしたのだが、それがPaul McCartneyの耳にも届いたのだろう、この曲で効果的に使われる蓄音機から聴こえるようなスクラッチノイズと男性ボーカルは、Beatlesの「Honey pie」のアレンジに借用されている。フランス好きのPaulなら十分にありえると思っている。

    A-6はSpencer Davis Groupの「Gimmie some loving」。
    なぜかこの曲だけmonoで収録なのだが、stereo mixは90年代に発表された記憶があるが定かではない。ここでの演奏はオリジナルに負けないくらいにハードだ。

    その他、米国rockのカバーや、前作に通じる軽快なテンポのフレンチポップナンバーを収録。

    僕の持っているのはstereo盤だが、もしかするとmono盤もあるのかも。と言うのも、次のアルバムはmono/stereoの両方で発売されているからだ。
    sylvie67 (13)


    このアルバムも昔フランスで買ったのだが、かなり探し回って、3度目の訪仏時にようやく見つけることができた。Sylvieのアルバムでは、あまり売れなかった部類なのだろうか?次作は数多く見かけているのだが。

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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