Blue noteプレミアム復刻シリーズ

    今年、日本主導で制作された2つの復刻LPシリーズは、オーディオファイル向けとは言え、あまりに高価で驚いた。

    一つは、某DU主導のBlue noteプレミアム復刻シリーズ。
    もう一つは、ユニバーサルミュージック主導の100% Pure LPシリーズ。

    前者はLP1枚当たり税込み5250円。後者は同5800円。
    それらはやはり高いのだろうか?それとも価格相応なのだろうか?

    HHMV (8)


    Beatlesのremaster LPの国内仕様盤が1枚3800円で高過ぎると批判されたのは、輸入盤との価格差からだが(*輸入盤に解説と帯が付いただけ?)、日本主導の復刻LPシリーズは価格比較の対象がないこともあり、単純に現在販売されているCDや普通の再発LPとの比較で高すぎると思っている人がほとんどだと思う。僕もその一人だ。

    しかし、実は前者の「Blue noteプレミアム復刻シリーズ」については非常に興味があり、せめて1枚買って価格相応なのか判断したいと思っていた。

    そして、先日の出張の際にようやく1枚購入した。

    60年代のBlue note名盤の1枚と言えるHerbie Hancockの『Maiden voyage』。
    HHMV.jpg

    これを購入した理由は、とても単純。新品同様の中古で安かったからだ(苦笑)。

    これが新品同様で中古に廻された理由はわかる。なんと日本語ライナーがジャケット内側の糊しろに貼り付いてしまって、破らない限り取り出せない!つまり、B級品だ。

    HHMV (7)

    このシリーズは新品で買っても、この点だけはちゃんと購入時に確認したほうが良いかもしれない。


    それにしても、Blue noteプレミアム復刻シリーズは、非常に挑戦的な復刻シリーズだと思う。
    使用しているマスターテープは米国のオリジナルmonoマスターテープ。
    それを、米国にてリリース当時のプレスマシンを使ってフラットトランスファーでカッティングするというもの。

    当然ながら、Blue noteのオリジナル盤LPはフラットトランスファーでなく、積極的に音を創りこんである。それこそが、スタジオで生で聴いた音の印象を伝えるために必要なことだったからだ。

    それに対して、今回のLPではマスターテープに記録された音そのものを聴いてみたいという願望を叶えるシリーズと言えるし、オーディオ的には工程を省くことでできる限り生の情報を伝えられるというメリットがある。

    幸いなことに、RV録音のマスターテープは、フラットトランスファーで聴いても全く問題ない音質だということは、以前記事にした45回転盤LP2枚組シリーズのライナーノーツが証明している。
    * 誤解の無いように記すが、45回転盤LP2枚組シリーズはフラットトランスファーではない

    さて『Maiden voyage』を聴いた感想だが、確かに、これまで購入して聴いてきた所謂高音質プレスの輸入LPと遜色ない。
    *僕はこのアルバムのオリジナルMono盤など持っておらず。

    それらの新品での価格はだいたい1枚4000円前後だったことを思うと、やや高価な気はする。
    でも、このシリーズの特徴であるオリジナルジャケットを最高の印刷技術で再現する(国内印刷)という点やオリジナル内袋の再現などで価値を高めてある。
    HHMV (10)
    *シリーズチラシより

    残念ながら『Maiden voyage』のジャケットはコーティングの無いジャケットがオリジナルだったようで、ありがたみは感じられない。50年代の作品であれば確実に嬉しくなっただろうと思う。

    HHMV (3)
    *帯とジャケット、内袋入りレコードを収納する白ジャケット
    HHMV (5)
    *こちらは裏面

    Blue noteのオリジナル盤のうち数枚はmonoも持っているので(ただし、プレス時期はざまざま)、いずれは比較できるようなタイトルも購入したい。
    *『Maiden voyage』については、持っているのはLiberty盤と80年代初頭のキングからの復刻盤(両方ともステレオ)のみ。


    ところで、Blue noteに限らないが、日本では昔からレコードは高価な代物だった。
    60年代のBeatlesの日本盤LPは当時の定価1500円だが、その頃の大卒初任給(月給)は平均2万円程度。現在の1/10だとすると、当時のLPの値段は現在では1万5千円にもなる。
    そして、海外からの輸入盤となると、US$1=360円だったので、現在の2万円を越えていたと思われる。そう考えれば、今回の「Blue noteプレミアム復刻シリーズ」は、それほど高価ではない……ちょっと理屈が飛躍しすぎかもしれないが(苦笑)。


    最後に、もう一つの「100% Pure LPシリーズ」は今のところ買ってないので何も書けない。ただ、ジャケットは存在せず、ジャケット表裏を印刷したペラ紙が付属+白いレコード袋(厚紙?)との話なので、「Blue noteプレミアム復刻シリーズ」のようなジャケットでの付加価値が無いどころか、ジャケットが無いのだから盤のみの価格となる。
    これもかなり挑戦的なシリーズと言えるかも。
    HHMV (13)
    *STEREO SOUND誌185号記事より


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    テーマ : オーディオ
    ジャンル : 音楽

    コメント

    Secret

    こんばんは♪

    いやぁ、100%のやつはペラのはさみジャケ?でしたか!
    あの値段でジャケ省略とは…それはさぞかしいいディスクなんでしょう…うふ♪
    やっぱそれもJDさんに音質チェックを…なんて思うも、やっぱ高いっすよね…♪

    しかし、未だに国内盤CD3000円は高い高いと言ってるケチケチな俺ですけど、初任給とかで比べるとやっぱ昔の方が高いんですね…確かに自分も中学高校の頃は1枚のレコ買うのに必死でしたけど…まぁあれは小遣いが少ないからってのが原因でしたけどね…うふ♪

    Re: こんばんは♪

    へどろんさん、こんばんは。
    コメントどうもありがとうございます。

    > あの値段でジャケ省略とは…それはさぞかしいいディスクなんでしょう…うふ♪

    100%pure LPについてはへどろんさんもブログで取り上げされてましたよね。

    > やっぱそれもJDさんに音質チェックを…なんて思うも、やっぱ高いっすよね…♪

    僕も興味はあるものの、同じマスターから製造されたSACDを持っているので、わざわざだぶる必要は無いかなと思えてしまいます。何よりも値段がネックですね。
    それこそ最近の安価なCDセットを買えば、アルバムが10枚分ぐらい買えてしまうので。

    > しかし、未だに国内盤CD3000円は高い高いと言ってるケチケチな俺ですけど、初任給とかで比べるとやっぱ昔の方が高いんですね…

    日本ではレコードは高級品でしたから。
    傷をつけないように大切にする文化が継続しているのも、そのせいかもしれません。
    半世紀での物価の推移からすると、レコード~CDは値上げどころか値下げでしょうね。

    >確かに自分も中学高校の頃は1枚のレコ買うのに必死でしたけど…まぁあれは小遣いが少ないからってのが原因でしたけどね…うふ♪

    僕も一月に1枚がやっとだったので、当時は友人どうしでレコードの貸し借りしてましたし、何よりも同じレコードを繰り返し何回も聴きましたね。
    今思うと幸せな時代でした♪
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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