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    2009年リマスターのA Hard Days Night

    昨年、ようやく待ち望んだThe BeatlesのリマスターCDが発売され、僕はStereo、Mono両方のBoxセットを購入した。

    しかし、恥ずかしながら未だに未開封のアルバムがある、つまり、未だ全アルバムを聴いていないわけだ。
    結果的には急いで買う必要もなかったとも言えなくない。今なら全て中古でも手に入るし。

    ahdpic

    では、本題に入る。
    2009年リマスターの「A Hard Days Night」ステレオ盤のタイトル曲だが、歌の出だし部分の音質が良くない。
    CDのカウンターで、ちょうど4秒目あたり、最初の歌詞「It’s been a hard days night」の「hard」の部分で音がこもったように聞こえる。
    その前後、3秒目から5秒目の音と、6秒目以降の音を左チャンネルのシンバルに注目して聴くとわかりやすい。そして8秒目あたりからはほぼ何事も無かったような音質となる。

    この部分、僕には4秒目の部分に音のこもり、その一瞬後「days」部分に音のふらつきが発生しているように聞こえる。実のところ左チャンネルだけがおかしいわけでない。

    僕はその原因をマスターテープの磨耗・損傷にあると推測しているが、リマスタリングの際のPro Tools上でのエフェクトやイコライザーの誤実施と見る意見もある。

    この話は以前てらださんのブログで書かせていただき、Beatlesの音源研究をされている野良さんから外国では既に話題になっていると教わった。野良さんのブログでもこの話題は取り上げられた。

    しかし、日本であまり話題にならなかった。
    その理由は、
    この部分は非常に巧妙なイコライザ処理でごまかしてあり、なかなか気づかれないからだと思う。
    たぶん海外でも、ほんの一握りのマニアしか気づかなかったのではなかろうか。

    09リマスターでは、音がおかしくなるずっと前、つまり曲のスタート部分から6秒目あたりまで、耳につきやすい高音をあえて下げ気味にして4~5秒目部分に違和が感じられないような処理をしてある。その後8秒目までに高音部分を元に戻している。

    イントロ部分のピアノとギターが混ざった印象的なコードを響かせる部分から、これまでのレコードや2000年リマスターの「1」とは高音の質感が違っているが、聴き比べない限りにおいては気づかれにくい。

    僕は英国オリジナルのステレオ盤LPを聴いた後に09年CDを聴いて、イントロの響きに高音の艶がないことに気づいてしまった。

    昨日、その部分を2000年発売の「1」と「09(リマスター)」それぞれの周波数を調べて確認してみた。
    1ahd
    以下が周波数波形比較のグラフだ。これは左チャネルだけの波形を示したもの。
    * 色分けを失敗した。「1」を赤にしたほうがわかりやすかった。見づらいが我慢してもらいたい。
    *ちなみに、「09」はリッピングした音源のスタートを0.5秒早めて、「1」と同じになるようにした。そのため、「hard」の部分はグラフでは2枚目(=2-4秒まで)に含まれている。

    3K(=3000)Hz以上の高音に注目してもらいたい。6秒目までは「09」が「1」よりも最低でも5~6dbほど低い。スタート部分などはかなりの差がある。
    * 画像をクリックして見ていただきたい
    ahd1
    ahd2
    ahd3
    ahd4
    このように、曲の頭から音の不安定な部分が過ぎ去るまでずっと高音域を下げてある。

    8秒目以降は高音域についてはほとんど差がない。
    これは、僕には意図してやったとしか思えないのだが・・・・・・。
    ahd5
    ahd6
    ahd7
    低域や中音域の音のつくりが違うため、「1」と「09」とでは音の印象も違うことがあらためてわかる。

    10月には僕の大好きな編集アルバム、通称「赤盤」がリマスター音源で発売される。
    そこではこの部分の音質はどうなっているのだろうか?非常に気になる。
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    コメント

    Secret

    No title

    JDさん、こんばんは。

    周波数グラフと検証、興味深く拝見しました。私もこれはマスター・テープに起因する音の劣化ではないかと思っていますが、こうやってグラフで見ると分かりやすいですね。

    3KHZ以上の周波数レベルが下げてあるのはやはり故意の操作と考えていいと思います。

    ただ、50歳になる私の耳では明らかに高音部の聴力が落ちているのは間違いないみたいで、実際のところ「たしかに言われてみればちょっと変だなあ」とかろうじて聴き取れるというレベルなのが残念です。(いや、聴こえない方が幸せかもしれませんが)

    とりあえずもうすぐ発売される「赤盤」の音が楽しみですね。

    No title

    てらださん、こんばんは。
    コメントどうもありがとうございました。

    音がおかしくなる部分だけを目立たなくするのはとても難しいと思いますが、イントロからやってしまうことで気づかれにくいのは明らかだと思います。

    実は僕も今では高周波はあまり聞こえないことを少し前に知りました。
    高校生の頃に、物理の授業で何KHzまで聞こえるか全員で確認した際に、既に聴力差はありました。僕の記憶では20KHzは誰も聞こえず、19KHzか18KHzかを聞けた人が数名。僕はその次だったので17KHzまで。しかし、聞こえない人はその頃から13KHzか14KHzまでしか聞こえませんでした。

    そして最近、i-Phoneのアプリを使って知り合いにテストされたら13KHzまでで14KHzは聞こえませんでした。
    やっぱり衰えるんですね。

    「赤盤」は本当に楽しみです。
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。今、世界で日本だけが7インチ「シングルSingle」盤のことを誤って「EP」と呼ぶような有様となり、言葉の不理解と誤用の蔓延に落胆している。「EP」は「シングル(=片面1曲、両面で2曲収録)」よりも曲数を多く収録する(標準は4曲)意味のExtended Playの略で、両者は別の仕様だ。どうかSingleとEPとを正しく使い分けて欲しい。

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