Blonde on blonde/Bob Dylanその2

    Bob Dylanの、『Blonde on blonde』の続き。
    今回の話の中心はCDだ。

    残念ながら今は調べようがないが、日本で2度目?のCD化(Nice price seriesだったか、1800円定価の規格)の際にようやくCDを購入したら、それは米国盤LPに準拠したミックスだった記憶がある。

    つまり「Pledging my time」のボーカルにエコーがかかっているヴァージョンだった記憶がある。
    *今はそのCDは行方不明なため、現時点では確信がない。間違っている可能性も捨てきれない。

    その後、SONYがSBM方式を開発した際にGold CDで登場したもの(下)は、日本盤LPと同じミックスだと思った。
    そして、今回比較するまでそう信じていた。
    *当時わざわざ国内盤で購入。
    bob2.jpg

    何故かと言うと、A-2「Pledging my time」のボーカルにエコーがかかっていないと当時思えたからだ。

    今回10数年ぶりに聴くまでそう信じていたのだが、残念ながらそれは誤りだとわかった。


    微妙なエコーは付加されていることが聞き取れる。
    以前のDylanの記事でも同じ事を書いたと思うので、訂正しておかねば。まさに恥ずかしい限りだ。
    *SBM仕様CDは、その後、紙ジャケットタイプでも再発されている。そっちも持っていたが、今では手放してこれしかない。

    そして今聴くと、次の曲A-3「Visions of Johanna」では、日本盤の定位とは別で米国盤の定位と同じであった。
    *ミックス違いの内容は前回の「その1」の記事で書いた通り。

    それでは、やはり米国盤LPと同一マスターなのであろうか?
    正直なところ確実にそうだとも違うとも言えない。
    先ほどのエコーの有無だけで判断すると、かかり具合が違う。

    僕の持っている3枚の米国盤LPのうち、60/70年代プレスはA面がマト3、80年代プレスがマト4になっている。
    blondonblond1 (8)

    それら両方のマトで聴いてもPledging my time」のボーカルにはSBM CDよりも強いエコーがかかっている。
    でも、それもtape to tapeあるいはLP用マスタリングの際にかかっただけで、オリジナルのマスターはSBM CDと同じだったのかもしれない。
    となると、LPのA面以外の曲でも違いを探るしかない。

    ミックス違いはさておき、僕は当時このSBM仕様CDの音を聴いて、DylanはLPよりもCDで聴いた方が良いと痛感した。それほどにもLPとの音質差を感じたのだ。
    bob2 (6)


    LPと比較すると、何枚ものヴェールが剥がされた生で自然な音に聞こえた。SBM CDでは本当にマスターテープを聴いているのではないか?と当時思った。それに比べると、LPはどう転んでもダビングのダビングのダビングぐらいのレベルではなかろうか?と。
    それ以降、LPでなくCDを中心に購入するようになった。
    *その後、アナログオーディオ製品のクオリティを上げたおかげで、随分とSBM仕様CDに近づいた。けれども、まだ1ランクほどは差があるような気がする。


    話は全く変わるが、このSBM CDシリーズでは、Miles Davisの不朽の名作『Kind of blue』も、世界で初めてLPのA面にあたる楽曲のピッチが正しく改められて収録された音盤となっていた。
    *こちらは輸入盤を購入。
    bob2 (9)

    このシリーズを世に出すにあたり、最良のマスターテープの選択と過去のアナログ盤との比較再生などを行って、そのあたり初めてわかったと思われる。

    久しぶりにそのCDを取り出し、ライナーを読むと書いてあったのだが、やはりこの時のSBM CDシリーズでは最も若いマスターテープを探して使用することで最高の音質を引き出そうとしていたようだ。

    bob2 (15)
    *インサートは3つ折と言うのか、広げるとこのようになっている(裏面はポスター扱い)。

    そして、興味深い表記がある。なんとremixの表記がある!
    bob2 (18)

    『Kind of blue』のセッションマスターは2トラックでなく、3トラックだったことが知られている。3トラックのセッションマスターから2トラックへのミックスダウンがこのSBM CD用に行われたとも読める。あるいは、2トラックのミックスダウン済みマスターのremixか?
    わざわざそんなことを行うとも思い難いが。

    こうなると、『Blonde on blonde』SBM CDに関してもマルチトラックのセッションマスターからのremixの可能性もある。日本盤CDにはそのあたりのデータは米国盤CDと違って一切ない。何とも不親切なことか。

    輸入盤のアウターケース裏もこのように格好良い!
    bob2 (13)
    日本盤は全然駄目。写真に撮る価値なし。


    さて、その他にも、『Blonde on blonde』英国盤LPではどのマスターが使用されたのか?
    さらには、Mono盤はどうなっているのか?と言う疑問もある。

    そのあたり、今回は英国ステレオ盤と米国Mono盤が見当たらず。
    いつか出てきたら比較してみたい。
    *英国Simply vinyl社からの高音質プレス(ステレオ)は手元にあるのだが……聴く限りでは日本盤と同じミックスのようだ。A-2はエコーなし、A-3はアコギ&ベースが左チャンネルに定位。

    それと、SBM CD以降、いろいろと出たCDや21世紀になってからのSACD/CDハイブリッドとのミックスの違いはあるのか?などもいつか比較してみたいところ。

    bob2 (7)
    *たぶんこれが持っているCD、SACD全部(stereo)。1800円国内盤だけ行方不明。



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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

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    No title

    こんにちは。いつも興味深く読ませていただいています。
    「Blonde on Blonde」のミックスに関してはここが詳しいです。
    http://www.rdf.pwp.blueyonder.co.uk/BobPart1/BobPart1.htm
    アナログ時代に使われていたステレオマスターが駄目になっていたため、CD化に際しては何度も4トラックにさかのぼってミックスがやりなおされているとのことです(そのせいで音が良くなったとも)。

    Re: No title

    foolishprideさん、こんばんは。
    はじめまして。
    コメント&貴重な情報、どうもありがとうございました。

    早速教えていただいたURLを見に行ったところ、予想外の展開で驚きました。
    それほどにもミックス違いが存在していたとは。
    僕の手持ちのレコードでは全くついていけないとわかりました。
    と言うかそれ以前に、こんなに詳細な情報がネットにあるのに、僕の出る幕ではないとわかりました。

    でも、記事をアップしたおかげで教えていただけたわけで。
    本当に、ありがとうございました。

    それと、foolishprideさんのブログも見せていただきました。
    紹介されている音楽の幅が広いですね。
    素晴らしいです。

    さしつかえなければ、リンクさせていただいてもよろしいでしょうか?

    > アナログ時代に使われていたステレオマスターが駄目になっていたため、CD化に際しては何度も4トラックにさかのぼってミックスがやりなおされているとのことです(そのせいで音が良くなったとも)。

    当然、音は良くなりますよね。
    やはり、そういうことだったか、と思いました。

    No title

    こちらもリンクさせていただきました。
    今後もよろしくお願いします。

    Re: No title

    どうもありがとうございます。
    こちらこそ、よろしくお願いします。
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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