LPの音とCDの音

    自分の経験を元に最近のLPとCDの音質について考えてみた。

    *以下は文章だけで写真が一つも無い。
    さらに、僕個人の経験に基づく考えであって、一般的に流れている意見と合致しているかどうかもわからない。
    しかも長い(苦笑)。

    なので、興味のある人のみ、どうぞ。




    まずスタートだが、80年代後半に発売されたCDマスターを使ってプレスされたと思われるLPの音は、同一CDよりも良い音に聞こえた。
    良い音とは定義しがたいので、単純に1ランク上の高音質と言うことにする。

    その前提としては、CDプレーヤーとアナログ再生機器とがほぼ同一のポテンシャルである必要がある。

    金額的には、次のようにCDプレーヤーの方が安かった。

    CDプレーヤー < アナログプレーヤー+カートリッジ+昇圧トランス

    僕の経験では、アナログ関連機器全ての合計金額はCDプレーヤーの2倍から2.5倍程度が必要だった。10万円のCDプレーヤーに対してアナログでは20~25万円のセットとなった。
    *使用している機器の製造時期にもよるが、CDプレーヤーと同等の音を出すためには、アナログ関連機器への投資はその2~3倍の価格が必要だ。CDはそれほど安価で良い音が聴ける規格・製品だったことも事実。

    僕のこの経験は、実際にはBeatlesのCDと当時発売された英国プレスのLP(CDマスター使用のDMM)とを89~90年になってから聞き比べした結果だった。

    その後2000年代半ばになり、使用機器の定価ベースではCDプレーヤーもアナログ関連も以前の3倍ぐらいの金額になった。つまりCD/SACDが30万円程度とするとアナログ関連は75万円程度。これらの機器で聴いてもBeatlesの80年代後半のLPとCDの音の違いに関しては同じ感想を持っていた。

    このことから、80年代終わり頃の技術では、マスター音源をCDやLPのメディアにすることにおいて、LPのほうがCDよりも優れていたと結論づけた。元の音源が同じなら、最終的には同じ音になるはずなのだが。


    ところがだ、2000年を超えてから発売されたRolling stonesのハイブリッドSACDと、そのマスターを使用してプレスされたLPとでは、僕はSACDに軍配を上げた。
    DSDマスタリングを施したCD層とLPとでは、ほとんど違いはないのかなと言う程度だった記憶がある。

    つまり、CD(あるいはSACD)の盤に記録されたデジタル音声は、いつの間にかアナログ盤の音を上回って記録できる技術ができた、と僕は思っている。


    90年代になり、CDマスターを制作する最終の工程「mastering」が一躍注目されるようになってから、CDに記録される音源の音質は向上していったことは間違いないと思う。ただし、ジャンルをRockに絞って話せば、低音域・高音域の強調、ノイズ除去、音圧アップ、音量アップだけを主目的にしたような方向に数年間は向かってしまっていたことも事実。
    Beatlesの「1」と言うCDはちょうどその頃に発売となった。

    当時あのCDを聴いて、やりすぎなイコライジングにうんざりしたものの、レココレ誌などの音楽雑誌ではあの音を歓迎する記事が多く辟易したものだ。僕の場合、あのCDよりも英国盤LPの赤盤・青盤を聴く方が良い音がした。あのCDはBGMとして小音量でかけ、いざ「聴くぞ」と言う場合はLPを聴いた(苦笑)。

    当然、この前提となっているのはデジタル/アナログでの使用機器のポテンシャルがほぼ同じでること。
    つまり、雑誌でCDを褒めちぎった人はデジタル機器にお金をかけてもアナログにはかけていなかったのだと思われる。僕の場合、両者をできるだけ同じレベルにしたかったので、そのような聴き方となってしまったが。


    ここ数年、新たに発売されるLP(再発を含む)に同一音源のCDが付属するケースがある。数年前のDylanのアルバムはそうなっていた(最新作は知らないが)。

    そこで聞かれるCDとLPの音だが、正直なところ、メディアに合わせたマスタリングの違いによる音質差はあっても僕はほとんど変わらないと思った。あるいはCDのほうがうまく音を作ってあることもある。


    それに対して、LPの音質向上には随分以前から登場している技術だが、45回転盤がある。
    先日紹介したDylanのMFSL盤。あの記事では「Another side of Bob Dylan」を取り上げたが、その中に写真だけ紹介した「Freewheelin’ Bob Dylan」については、45回転LPもSACD/CDハイブリッド盤も購入した(これはLPに付属していないので、誤解無きよう)。

    現状、CD層しか聞ける環境にないものの、45回転LPとの音の違いとしては、単純に言ってしまうと音量を上げて聞けばLP>CD層となる。しかし小音量での比較ではどっちがどっちだかわからない。

    MFSL盤のCD層の音量は小さく(ダイナミックレンジを広く取るために平均音量は小さい)、同一ボリュームだとLPに負けてしまうので、毎度音量を変更しなければいけない。アンプやCDプレーヤーのS/N比も再生周波数レンジも、再生する音に大きく影響すると思われる。特に音量を上げた場合。


    さて、いろいろとLP/CDの音質差と使用機器(プレーヤー)について書いてみたが、今回書いておこうかなと思った理由は、ネットの商品評価での意見の中に僕とは全然違う人がいたので、そうではない意見もあると記しておこうと思った次第。


    まとめになるが、例えば、最近のCDとLP(同一タイトル)とでは、僕は仕様機器のポテンシャルが同等であれば、聞こえる音質もほとんど変わらないと思っている。音質には、音色や音調も含まれる。つまり、本当に同じような音をしていると思っている。もし比較して片方が劣るのなら、それは使用機器のポテンシャルを表しているのであって、刻まれた(あるいは記録された)音を表しているのではない。

    例えば、LPのみがナローレンジの懐かしい音がすると言うのであれば、それはLP再生にそういう古めかしい音の機器を使っていると言うだけの理由だろう。アナログの進化の度合いもCDやhi-resに劣らずすごいものがあるのに残念だ。

    また、MFSL社のCDのように記録された音量が小さい(人によっては低いとも言うが、僕は音程と誤解されたくないので、小さいと言う)CDの場合、音量を通常聞いているレベルまで上げないと比較にならない。あるいは、90年代後半~2000年代後半までの過剰なremastering CDに馴れた耳の場合には、音に刺激的な面が少なく(classicではそれが普通なのだが)、つまらないと言う意見を述べる人もいるだろうと思えた。


    結局は、個人のオーディオ環境によって出てくる音が大きく変わってしまうわけで、さらに、その個人の知っている生音の経験値によっても印象は大きく変わる。

    いろいろな意見はたいていその人の音環境も含めた正直な声だと思うものの(僕の書いてることもそうだ)、やはり最終的には自分の耳で判断するしかないと思う。


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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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