The Who Live at leeds 完全版

    海賊盤っぽいジャケットデザインで有名なWhoの『The Who Live at Leeds』は、1996年に突如として、発売25周年記念として拡大盤が登場した。

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    僕は当時、音楽情報を絶っていたからかもしれないが、その発売を全く知らず、偶然訪問した輸入レコード店で米国盤CDを見つけて、ものすごく驚いたし、喜んだ。

    その時点では、まだ日本盤が出ていなかったことから、発売後あまり時間を経過せずに見つけたのだと思う。

    そしてその後、そのリリースに合わせて、いくつかの音楽雑誌で『The Who Live at Leeds』25周年盤に関するPeteのインタビューが掲載され、それらも買ってしっかりと読んだものだ。

    それからどれくらい経ったのかわからないが、海賊盤でとんでもないものが登場した。

    0leeds (8)
    『live at leeds complete』


    僕が手に入れたこのCDは、海賊盤の中でもオリジナルなのかコピー盤なのかは知らない。
    音を聴けばそんなことはどうでも良くなる。

    ここに収録されていたのは、正規に発売された25周年盤の製作過程で流出したと思われる、オリジナルの8トラックマスターからの2トラックステレオ・ミックスダウン音源。
    演奏に編集を行わない形での完全な音源だった。

    オリジナルLPに収録されているバリバリと歪んだ音もそのまま収録されている。

    しかし、ミックスはオリジナルLPとは違って、コーラスが大きめだったり、エフェクトなのか聴衆マイクで拾った音を重ねたのかわからないが、演奏や歌の反響(リバーブ効果)が大きくミックスされている。

    演奏は編集がなされていないため、Peteのギターがよれる部分も、Rogerが音程を外す部分もしっかりと収録されている。「Shakin’all over」の中に含まれる「Spoonful」も未編集で聞ける。演奏曲の順番も入れ替えなどない。
    *ただし、僕のCDでは、Disc2冒頭曲「Do you think it’s alright」がフェードインで始まっている。

    0leeds (12)

    正規リリースに関しては、2001年に2枚組のDeluxe editionとして、Disc2にアルバム『Tommy』を演奏する部分をまとめた、見かけ上「完全版」が正規盤としても登場することになった。

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    しかし、ここでは、「My generation」でのJohn のベースソロが、25周年盤での差し替えから差し戻しされていたが、同曲のRogerの歌の冒頭「just beca-ca-ca-use we get around」手前部分「ワーッ」は、25周年盤での差し替えのままで差し戻しがなかったりと、編集が複雑になっていた。

    それにDisc2の音がDisc1とはちょっと音色が違うように感じられ、そのあたり、何らかの事情があったものと思われる。


    25周年盤とDE盤については、John やRogerの歌を差し替えしたり、演奏に関しても部分的に差し替えがなされている。ここで言う差し替えとは、新たにスタジオ入りして録音し直したと言う意味だ。

    その理由は、録音の技術的な問題もあれば、演奏のクオリティもあってのことだが、録音面については、例のバリバリと歪む音を消すために行った可能性もある。

    一聴してわかるが、あの音は録音レベルオーバーによる歪とは全く別の理由によるものだ。
    電気的なノイズの混入によるとしか思えない(録音に使用したミキサーから?)。

    オリジナルのLPでは、レーベルに「CRACKLING NOISES O.K. DO NOT CORRECT!」と記されてあるが、バリバリ混入するノイズは盤質によるものでないことを示している。

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    * 話がそれるが、数年前に発売されたムック本「ロック大図鑑 UK3大バンドのすべて」と言う大げさなタイトルの本の中で、オリジナルLPの音が歪むのはできるだけ大きな音でレコードに記録(=カッティング)してあるためと記されているが、それは明らかな誤解であり、間違いだ。
    実際、大きな音量でない部分でも盛大にバリバリ鳴っている。それに、数百枚のLPを聴いても『Live at leeds』だけが特別に大きな音量でカッティングされているわけでないことからも明白だが。

    さて、そのバリバリと鳴るノイズだが、それが修正されたのは25周年盤からで、オリジナルの8トラックマスターをデジタル変換し、デジタル領域での修正を施し(前述の録音し直しも含まれる)、ほとんど気にならないレベルにまで修正を行っている。しかし、大きな音で聴けば、その名残がまだあることがわかる。

    さて、ここまで記してきて、何が言いたかったかと言うと、先日発売中止となったSHM-SACDの『Live at leeds』が、オリジナルのアナログマスターから世界初の完全盤(完全版)を出すと言う謳い文句で発売予定がなされていたので、それは無理ではなかろうか?と考えていたのだが、予想通り発売中止になったと言いたかった、ただそれだけだ(笑)。

    もしそれで発売がなされたなら、海賊盤「Live at leeds complete」と同一内容になるはずなので。

    恐らくDE盤のdigital masterを使用すれば、発売できたと思うのだが、それならば、PCMマスターからDSD変換せねばならず、わざわざSACDで発売する意味も無いのかなとも思えていた。それよりも配信やDVD-Aで使われるPCM音源のまま24bit収録すれば良い話ではなかろうかと思った。
    それに、アナログマスターからの完全版ではなくなるし。

    あるいはもう一つの奥の手もある。
    それはdigital masterを一度アナログテープに録音してしまう方法だ。
    *実はその方法は、Digital remasteringの一つの手法としてエンジニアによってはこれまでにも使われている。

    そして、そのアナログマスターからDSD変換すると言う話になるわけだが。

    ただし、その場合「完全版」と言って良いものかどうか……いや、駄目だろう。編集済みの「完成版」と言うべきか。


    最後に、25周年盤の「限定LP型ボックス仕様」を紹介しておく。

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    米国製なので、米国盤LPを模している。
    僕のは限定No.が5000番台。一応、6桁まであるが、何枚製造されたかは知らない。

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    中を開くと、まず、左側にオリジナル同様のおまけが一式入っている。ちなみに、ポスターは「Leeds」表示。
    右側は、レコードもついていたのか!と思わせるが、実は写真。本物っぽい。でも、何故か英国盤のレーベルだ。

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    さらに開けると、このようにCDブックレットの中の写真を拡大してレイアウトされた見開きとなっており、右側にCDが収納されているスペースがある。

    *ちなみに、25周年盤の「Substitue」とCD4枚組の編集盤『Thirty Years Of Maximum R&B』収録の同曲とでは微妙にミキシングが違っていたような記憶がある。Keithのdrumsが微妙に大きく(叫び声も)なっていたのではなかろうか…これは当時の記憶に頼っているので、確実ではないが。







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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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