Beatles/ドイツ盤 Die Beatlesのステレオ盤 再び その3

    horzu1
    ppmUK (6)
    ppmUK (2)

    土曜夜と今日、少し時間が取れたので、ずっと比較しようと思っていたドイツ盤マトリクス2と英国盤の3rdプレス(first published 1963の記載のないもの)、それと69年プレスの1マークのB面からそれぞれ同じ3曲をPCに取り込んだ。

    horzu3
    ppmUK (10)
    ppmUK.jpg

    基本的にヘッドホンを使っての比較をすることとし、PCの音編集ソフトに並べて聴いたり、同一部分の周波数を比較したりした。

    そして、さらに09 remaster CD(当然ステレオ盤)までも持ち出して比較して、興味深いことがわかった。

    以下は「Do you want to know a secret」で比較している。


    1.2枚の英国盤は再生速度が同じだが、ドイツ盤マト2は英国盤よりも再生速度が遅い。しかし、09 remaster CDはドイツ盤マト2と同じ再生速度だった。
    * 「There’s a place」でも比較したが、結果は同じだった。つまりドイツ盤マト2の再生速度は英国盤LPよりも遅い。

    2.驚いたことに、左右の音のセパレーション(分離)は、ドイツ盤のほうが英国盤よりも良い。そして、09 remaster CDはドイツ盤に近い。
    * ただし、09 remaster CD の「There’s a place」は、独自に新たなリバーブ処理がなされていて、左右の分離具合は英国盤LPと変わらないレベルに聴こえる。また、同CDでは、演奏側の左チャネルの音量がLPよりも大きめになっていて、ロックバンドの演奏:声のバランスをうまく検討して2009年なりの音作りがされていることがわかる。

    3.周波数を比較すると、高音のイコライジングが気になった英国盤の3rdプレスは、ドイツ盤マト2との比較で、5~8KHzが少しだけ高く、さらに12(13?)KHz以上でかなり差が出ている。しかし、3rdプレスよりも聴きやすいと思った1マークは、同じ部分を3rdプレスよりもさらにイコライジングして強調してあった。

    PPM周波数のコピー1

    ただ、印象としては、3rdプレスのほうが1マークよりもドンシャリ傾向の音だと思った。3rdプレスのほうが全体的に音に艶があるからだろうか?結果として僕の耳には1マークのほうがキンキンしていないように聴こえる(あれだけイコライズしていると言うのに)。まぁ、そのあたりはオーディオ装置が変わると印象も変わるものだが。

    1の結果から、英国盤LPはマスターテープを微妙に速く再生してカッティングされていることとなる。(しかし、国内盤LPではもっと速いものもあった……。)
    *意図してそうしたかどうかはわからない。それが慣習だったのか、カッティング用の再生デッキだけ偶然そうなっていた、とか。

    それと、左右のセパレーションが良いほうが本来はテープの世代も若いと思えるのだが、英国盤ではLP用マスタリングの際に施したEQを含む音調整の際に左右の音が若干混じったのかもしれない。09 remaster CDはドイツ盤と変わらないセパレーションなので、大元のマスターテープはそのようになっているのだろう。

    次に、野良さん情報のコンプのかかり具合については、聴き比べしたところ、両者同様にかかっているのではなかろうかと思った。
    直接関連するかどうかわからないが、エコーチェンバーを通った音が無音になるにつれて低周波のノイズを発生する部分(これについては以下で補足する)で徐々に音が大きくなるが、それは、英国盤もドイツ盤も同じ。

    しかし、LP用マスターでは英国独自の処理として、左右のセパレーションが悪くなる何らかの処理(EQのみか?)を追加していることは間違いない。それがさらに追加のリバーブなのかもしれないが。
    それと、僕の使っているカートリッジ+プレーヤーでは再現できていないのかもしれない。僕のはまだハイエンドの入り口みたいなものだから。

    では、その低周波部分についてだが、PPMの英国盤LPだとMono、Stereoともに「Misery」、「A taste of honey」、「There's a place」の3曲でエコーチェンバーによると思われる低周波が記録されている。

    僕の引越し前のオーディオシステムだと、その部分では暗騒音がブーンとうなって聴こえた。外をバスが通る時に同じような音が聴こえたものだ。
    しかしCDではLowカットされて聴こえない。

    実際、何Hzあたりで鳴っていたのだろうかと気になっていた。
    そして、取り込んだ曲のその部分だけの周波数を見るとごらんの通り。

    PPM周波数のコピー2

    *これには09 remaster CDまでも加えたことと、LRの両チャネルの波形が表示されているのでごちゃごちゃして見づらい。

    ポイントは低音なので、はっきりとわかるのは50Hzに山があるということ。これは小型スピーカーでは再生されないだろう。
    これを見ると、ドイツ盤に一番大きな音量で記録されていることとなる。

    CDは青系統の色で、ドイツ盤よりも18dbも低くなっている。
    ただし、LPには無い35Hzあたりに小さな山がある。


    話は変わるが、僕の持っている3rdプレスは、例の「UKコンプリートガイド」では、CGによるレーベル再現となっていたものの、比較するとそのCGとは文字レイアウトが違っている。
    *最初の写真をクリックすると拡大する。

    世の中には、存在しないことを証明するのは、存在するものを証明するよりも難しいと言うが、CGで再現したレーベルは存在しない可能性もある・・・と言うか、僕の持ってるのは例のB Spizer氏の本に載っていた。
    つまり、33 1/3ありレーベルからその部分が無くなったものが正しく、CGで再現されたレーベルは4thプレスを基にしてあるため考え方が間違っているわけだ。


    最後に、せっかく写真を撮ったので英国盤の裏ジャケットも載せておく。
    裏から見ると両方とも3辺折り返しなので、どっちがどっちだかわからない。
    しかし、製造元が違う。3rdプレスはErnestで1マークはG&L。

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    コメント

    Secret

    No title

    詳細な音源比較、とても参考になりました。

    最近忙しく、なかなか書き込みができなく申し訳ございません。

    まとめてご質問事項に答えさせていただきます。
    ドイツ盤SGT.~のB面のマト違いですが、マト1は、最後のしゃべり(インナーグルーブ)が米盤同様がカットされています。マト2は英盤同様収録されています。

    JDさんが新たに購入されたDie Beatlesマト1は、正真正銘1STプレスです。レーベルの左下にALLE~が確認できます。

    ジャケ裏も私のと同様、コーティング無しです。
    ちなみに私の所有しているドイツ盤(シングルジャケット)で両面コーティングになっているのは、yellow~が初めてです。Revolverまですべて、ジャケ裏もは、コーティング無しです。

    お時間があるときで構いませんので、Die Beatlesのマト違いでの音比較(PCでスペクトラム比較)していただけるとありがたいです。

    No title

    JDさん、こんばんは。
    詳細なご検証すごいですね。参考になります。

    再生速度の違い、UKは意図的に上げていたのでしょうか(インパクトを出すため?)。
    面白い事実ですね。


    高域については意外でした。
    スペクトラムを見ると、ドイツ盤は高域(超高域)の減衰が急ですね。どうも不自然な気がします。
    テープコピーの際の問題でしょうか?

    リミッター(コンプレッサーだったかもしれません)については録音時点でも使われていたかもしれません。
    ホフマン説では、カッティング時にそれを使ったか否かがUKとドイツの違いだということでしたが。

    Re: はじめまして

    ???さん、こんばんは。
    コメントいただきまして、どうもありがとうございます。

    約50年前とは言え、EMIスタジオは一流のスタジオでしたから、そのようなハムが発生するような配線は考えにくいような気もしますが、100%無いとは言えないかなとも思えました。

    この録音で使われたエコーは、エコー室で鳴る音をマイクで拾ってミックスしているため、そのマイクにコンプやリミッターをかけているのだろうと推測していました。しかし、エコー室そのものが50Hzで共振するのはまず無いでしょう。そうするとハムの可能性も捨てきれないと。
    あくまで僕自身の推測の範囲ですが。

    Re: No title

    Miyabiさん、こんばんは。
    コメントと追加情報、どうもありがとうございました。
    僕が購入したマト1は1stプレスでしたか。良かった。では比較しがいがありますね。

    >お時間があるときで構いませんので、Die Beatlesのマト違いでの音比較(PCでスペクトラム比較)していただけるとありがたいです。

    既にドイツ盤マト1と英国盤マト2(B面はマト3)の取り込みを終えました。
    近いうちに記事にしますので、少々お待ちください。

    Re: No title

    野良さん、こんばんは。
    参考にしていただければ幸いです。

    再生速度の違いですが、英国盤はマト1の次のプレス(A面マト2)で、速度が変わります。
    その理由(=マト1が速い理由)が、意図的なのか偶然なのかはわかりませんね。
    そのあたりは専門的に研究をされてるRecording the Beatlesの著者たちなどがいつか解明してくれるかもしれません。

    >スペクトラムを見ると、ドイツ盤は高域(超高域)の減衰が急ですね。どうも不自然な気がします。 テープコピーの際の問題でしょうか?

    どうでしょう?聴感上では特に違和感を感じませんでしたが、コピーの際に減衰したと考えられなくもないですね。

    >リミッター(コンプレッサーだったかもしれません)については録音時点でも使われていたかもしれません。
    ホフマン説では、カッティング時にそれを使ったか否かがUKとドイツの違いだということでしたが。

    録音時には確実に使われていると思いました。
    英国盤でカッティングの際にも使用と言うのは、大いに考えられますね。
    英国盤では中央に微弱なリバーブがあり、そのせいで左右のセパレーションが狭まっているのですが、これが副作用として出ているのかもしれません。

    Re: No title

    ???さん、こんばんは。
    EMIスタジオのエコー・チェンバーにはそんな話もあったんですね。参考になりました。
    ありがとうございます。
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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