Beatles At the Hollywood Bowlの真実(2)

    Anthologyプロジェクトのおかげかどうかわからないが、米国Capitolレコードによって録音されたBeatlesのHollywood Bowlの3公演全てを収録したブートレッグCDが90年代後半に登場することになる。当初はあまりに高価で手が出なかったが、ブートのブートなどが出だして数年後にようやく手に入れることができた。
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    8月29日の演奏を聞き、どうしてそれが採用されなかったのか、その疑問が解けるとともに「Beatles At the Hollywood Bowl」には実は29日の録音も一部採用されていたことが判明した!

    裏ジャケットの録音データでは、1965年録音のものは全て8月30日となっているが、これは意図的に仕組まれたことであって、実際はそうでなかったわけだ。さらに、29日と30日の演奏をつないだ曲も存在する。
    こうやって伝説が作られていくわけだ。
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    まず8月29日の録音は不備があった。
    1曲目のTwist and shoutからJohnのボーカルしか録音されておらず、Paulと Georgeの声はテープレコーダーへ送り出すミキサーのフェーダーが上がっていなかったと思われる。おかげで2曲目のShe’s a womanはカラオケ状態。Paulの声は直接の録音はなされておらず間接的に聞こえるのみ。3曲目のI feel fineもJohnのボーカルのみ。4曲目のDizzy Miss Lizzyは本来JohnのソロなのでOK。5曲目のTicket to rideからようやくPaulと George の声が録音される。

    実は64年の録音でも2曲目のYou can’t do thatは最初John の声しか録音されておらずPaulと Georgeのコーラスは曲の途中からフェードインしてくるまで聞こえない。つまり、Capitolレコードのエンジニア陣は、歌っている本人のマイク以外はできる限りフェーダーを絞り、歓声などを拾わないようにしようと1曲ごとに対応していたと思われる(当時のライブ盤には同様のものが多いので、そのスタイルが基本だったと思われる)。そのためフェーダー操作のミスが起こったのだろう。何せ3トラック録音のため、一つのトラックに複数の楽器・声をその場でミキシングしながら録音していた。うっかり使われていないマイクのフェーダーを上げておくと、ボーカルが不要な歓声と一緒に録音されてしまうことになる。

    間奏のリードギターをJohnが弾くYou can’t do that では、リードギターをJohnが弾いていることに途中で気づいたのだろう、急にリードギターがフェードインしてくる(おそらくボーカルトラックと同じトラック)。ちなみに、Johnが最初のリードギターパートを弾くLong tall sallyでは、フェーダーを上げるのを忘れられ、ほとんど聞こえないままとなっている。これは正規盤「Beatles At the Hollywood Bowl」でも確認できる。Georgeのギターは常に大きめに録音されているので、初回のリードギターパートではGeorgeのバッキングの方がはるかに目立っている。
    (次回に続く)
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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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