上には上がある

    3月の初めに大きな決断をした。
    もう5年近くも同じ音で聴いていたアナログ盤の音に、実は随分(少なくとも1年以上)前から既に物足りなくなっていた。そこで、カートリッジのグレードアップを決意して機種選びを続けていたのだ。

    僕のメインのプレーヤーとカートリッジは、以前PPMのGoldと3rdプレスとの聴き比べの記事に記したとおり、英国ノッティンガムのスペースデッキ10th+オルトフォンのコントラプンクトα だ。
    picdisc (10)

    現在、海外製プレーヤーのほとんどの機種同様、このプレーヤーもストレートアームに直にカートリッジを取り付ける構造のため、一度取り付けたカートリッジは簡単に交換できない。そのため、コントラプンクトαはセットしてから今回取り外すまでずっと使い続けた。

    このブログに貼ってあるAudio-TechnicaのAT-OC9/3と、もう1つ別の製品を候補として考えていた。フェーズテックのP-3Gと言うカートリッジだ。

    そして、最終的にP-3Gにした。
    p3g (2)
    なぜなら、AT-OC9/3だとコントラプンクトαとほぼ同クラスの製品のため、音が変わったとしてもグレードアップと呼べるかどうかわからなかった。

    僕はオーディオ評論家でもないので、カートリッジ会社が試聴用にカートリッジを貸し出ししてくれるわけではない。結局は、これまで読んだオーディオ雑誌のレポートからどんな音がするのかを経験的に判断するしか方法がなかった。

    P-3G、実物を手にとって見ると針先あたりが非常に繊細なつくりになっており、手荒く扱うと簡単に壊れそうな気がした。実は昔、ShureのV15VxMRを使っていて、針先についたほこりを指でつまんだつもりがそのまま針先を飛ばしてしまったことがある。まだ交換針が変えた時代だったのでよかったが1万円は予期せぬ痛い出費だった。

    そういうこともあって、今回カートリッジの交換とプレーヤーの調整はかなり綿密緻密に時間をかけて行った。

    ヘッドシェルとのデザインの相性は、コントラプンクトαのほうが良かった。
    p3g.jpg

    しかし、その音には感動した。

    明らかに1ランク以上、音の質が上がったと思う。聴きなれたレコード盤から出てくる音の鮮度も1ランク上がって聞こえる。

    コントラプンクトαは低音を強調する独特の音傾向があったが、P-3Gにはそれはないので、自分ではニュートラルな音のような気がする。

    これまで聞こえなかった音が聞こえてきたというのはオーディオ製品のレポートでよくあるやつだが、このカートリッジにはそれもあるが、音の品位が向上したのは明らかだった。簡単に言うと、よりリアルになった。そして、微妙なニュアンスの表現力が向上した。そして、再現力が向上し微妙なニュアンスの表現がさらに良くなった。

    先週の土曜日の夜に取り付けたばかりだが、その日の深夜にBeatlesのホワイトアルバムのステレオ盤を聴いて楽しんだ。

    僕がこういう時に気に入ってかける曲は、Side1の2,3,5曲めだ。

    Dear Prudenceでは、ベースの低音と、ところどころに入っているお経のようなコーラスの再現を聴く。実は社会人になって初めてそろえたオーディオシステム+MFSL盤で初めてコーラスの存在に気づいた。それ以前は(国内EAS盤をきいていたせいか?)その音が見えなかったのだ。
    何重唱かわからない不気味なコーラスは、オーディオをグレードアップするたびに徐々にほぐれ見えてきた。

    Glass Onionは、同じくベースの質感や途中入ってくるストリングスの音の再現に耳を傾ける。(昔はAMラジオのような音質でしか聞こえなかった)ストリングスの音が、どれぐらいリアルな音で奏でられるか。終わった後に続く弦の音質もポイントだ。
    *4/8追記:エンディング部分のストリングスの音は、カートリッジを替えてもAMラジオのような音だった

    Wild Honey Pieは、冒頭から入っている揺れたようなギターの音色の再現と、これまたコーラスがどれくらいほぐれて浮かび上がるか。

    これらはあくまでポイントであるが、これらがはっきり、そしてよりリアルに再現されることで、楽曲のサウンドそのものが輝きを増す。微妙なニュアンスが聞き取れ、音の質感が上がることで、1曲1曲のイメージが新たに塗り替えられる。

    思い切ってカートリッジのグレードアップをはかった甲斐が十分にあった。
    p3g (1)

    上には上があるだろうから、今の音に飽きるようになれば、またグレードアップとなるだろう。それまで数年はP-3Gを味わい尽くそうと思う。


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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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