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    Get back/Don't let me down その2

    *12/12追記:重大な情報をコメント欄にいただいた。
    どうやらGet backのメイン部分(シングル、アルバム、両方に使用)は、1/28でなく1/27の録音だったとのこと。
    ブレイク以降が28日録音。
    ということで、28日録音を疑わず、それならば演奏を差し替え(上書きダビング)していると睨んでいたが、僕の完全な誤解だったと判明。Get backについては、以下のダビング説は完全な間違いということで、お詫びして訂正させていただく。


    前回、このシングルを取り上げた際、次のように記した。
    〝『レコーディング・セッション』によると1969/1/28にApple studioで録音〟

    その1/28日のセッションでも、公式な録音とは別に映像用の録音がスタジオ内に置かれたテープレコーダーで行われていたようで、後に海賊盤として出回った。

    それがこれ『the complete Get Back sessions Vol. 34』。

    img001A.jpg
    *2CDセット



    これのCD2枚目に、シングル発売された「Get back/Don't let me down」のスタジオライブ演奏が収録されている。

    img002B.jpg
    *クリックで拡大

    たぶん間違っていないと思うが、スタジオ内で収録されたこの演奏は、演奏スタジオ内に実際に響いていた音を収録しており、スタジオのミキシングルームにミキサーを介してやってきた音とは別物のはず。

    「Don't let me down」の歌声は、Johnの声だけが大きいのでなく、3人とも同じ程度の音量で歌っている(コーラス)。
    このバランスで聞けるのは、海賊盤のみだろう。

    いや、それどころか、最終ミキシングではカットされたコーラスもあったとわかるし、後にJohnの歌声もダブルトラック化されたわけだ。きっとPaulかGeorgeのボーカルトラックを消して、Johnの2つ目の歌声を直接上書きしたのだろう。

    で、「Don't let me down」以上に驚かされるのは「Get back」だ。

    この海賊盤に収録された録音は、テープ番号ごとに整理されており、抜けはない。抜けが無いということは、演奏順にすべての演奏が収録されていることを意味する。但し、途中で撮影なしになっていたなら、その間はテープが回らないが。

    正規リリースされたと思える「Get back」は、「Love me do」の後に演奏したテイクと思われる。
    *12/12追記:そうでなくて、前日1/27録音のテイクを使用と判明。

    その前にも演奏しているが、正規シングルと同様に、曲終わりで演奏停止と見せかけて再スタートするテイクがこれしかないからで、Drumsのフィルインで再スタートする演奏はまさにこのテイクそのままだ。

    でも、メインの部分は、PaulのボーカルもJohnのguitarもBilly Prestonのエレピも正規発表版とは異なっている。
    つまり、正規シングルのバージョンは、スタジオライブそのままではなく、ダビングして作られたということになる。これらは従来通り、演奏をやり直して入れ替え(上書きダビング)したわけだ。もしかすると、BassやGeorgeのリズムギターも入れ替えされている可能性もある。
    *12/12追記:前日1/27録音のテイクを使用と判明。

    実際、大本の8トラックマスターを上書きして最終版を作ったと思われ、
    アルバム『Let it be』に使われた「Get back」のメイン部分は(8トラックマスターからのremixだが)シングルバージョンと完全共通だった。

    では、そのようなダビング作業をいつ行ったのか?
    残念ながら『レコーディング・セッション』では、わからなかった。
    もしかすると、ダビングして最終版を作ったことを知られないようにするためわざと記さなかった?とも思えなくない。

    『レコーディング・セッション』出版時は、まだビートルズ神話を崩壊させぬよう、AppleあるいはEMIからあれこれ指示が出されたに違いないと僕は睨んでいる。いずれにせよ、Billy Prestonがセッション参加中の期間だ。

    このあたり、とっくにマニアによって解明されているのかもしれないが、僕自身は知らないので、あえて取り上げてみた次第。
    *12/12追記:英語版wikiにある程度記されていた。やはり、マニアによって解明されていたわけだ。

    と言うことで、重ね重ね、Get backのダビング録音説は完全な誤りでした。大変失礼しました!




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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : レコード Beatles ビートルズ シングル シングル盤 singles

    コメント

    Secret

    No title

    JDさん、こんばんは。
    「Let it be」(LP)は、オーバーダビングしているのではと、ずっと思っていました。
    自分も楽器を演奏するので、一発録音の難しさはよく分かります。
    確か各トラックに各楽器を一つずつ録音しているはずです。(ルーフトップでは、ドラムもステレオではなく、一つのトラックに入っていたはず)
    だから、各自で後で修正する気になればできたはずです。(ドラムは難しいが)
    個人的には、ルーフトップの録音さえも、部分的に修正しているのでは思っています。
    例えば、「アイヴ・ガット・ア・フィーリング」のブレイクするところ、ジョンのギターだけになるところですが、あそこだけ、エフェクターがかかったような音になり、突然、元の音に戻ります。フットペダルか何かで今なら簡単にできることですが。

    すみません。本サイトの趣旨と違うような話題を書いてしまいました。

    Re: No title

    Makoさん、こんばんは。

    > 「Let it be」(LP)は、オーバーダビングしているのではと、ずっと思っていました。

    アルバム『Let it be』収録曲に関しては、Georgeの「I me mine」は確実だし、アルバムタイトル曲「Let it be」もそうですね。「Get back」も。「Dig a pony」はeditされてるのは知られています。
    そのほかの曲については、僕自身はあまり考えたことがなかったです。

    > だから、各自で後で修正する気になればできたはずです。(ドラムは難しいが)

    気になるのはそこですね。
    当初から発表しない予定だったなら、あえて録り直しなんてしないため、そのまま放っておかれた可能性もあります。
    今回取り上げたシングル発表曲(「Let it be」も)については、スタジオでやり直し作業が必要になるのでわかるのですが。

    そのあたり、あまり情報が出てない気がします。
    もしかしたら、使えそうなテイクを選んで、個々の楽器や歌を入れ直した可能性も無いとは言えませんが、それならわざわざ放ったらかしにするのかな?とも思えなくないので。

    ご指摘のあった「I've gotta feeling」も、ギターにエフェクトを加えるだけなら、ミックスダウン作業の際に付加できるので弾きなおす必要もなさそうですし。

    今ではルーフトップの音源もApple studio sessionsと同様にその場で収録された音源がブートで出ているので、詳しく聴き比べれば発見があるかもしれませんね。




    No title

    ご無沙汰しております。
    最近はポールマッカートニー研究会で活動中ですw

    ところでゲットバックですが、ブレイク前後は別日のテイクでして、翌日が冒頭からブレイクまでのテイクだったかと思います。ブレイク後はこの日の演奏をそのままですね。2日分のテイクを繋げてシングルバージョンにしたということだと思います。

    別記事の話題ですが、グリン・ジョンズの本がすごく面白いです。ドラムのステレオ録音の秘密について書かれてますね。Zeppファーストのレコーディング時にたまたま発明したらしいです。

    Re: No title

    Kara-pさん、こんばんは、お久しぶりです。
    コメントありがとうございます。

    > 最近はポールマッカートニー研究会で活動中ですw

    そうなんですね。僕はソロのPaulは特定のアルバム以外は全然興味がないので、あれですが……。

    > ところでゲットバックですが、ブレイク前後は別日のテイクでして、翌日が冒頭からブレイクまでのテイクだったかと思います。ブレイク後はこの日の演奏をそのままですね。2日分のテイクを繋げてシングルバージョンにしたということだと思います。

    そういうことでしたか!実は28日の演奏、3人の音を入れ替えても、RingoのDrumsも少し違っている気がしていました。
    けれども、28日録音と書かれてある以上、ダビングして音を差し替えたとしか想像がつかず……別の日の演奏だったんですね。ならば合点が行きます。

    と、記してから英語版のWikiでGet backを調べたら、27日の第11テイクがブレイク前、ブレイク後は28日版と書かれてましたね!しまった、先にこっちを呼んでおけば良かった。
    ダビング説は空論でしたと、記事に訂正を入れないといけないです(苦笑)。

    > 別記事の話題ですが、グリン・ジョンズの本がすごく面白いです。ドラムのステレオ録音の秘密について書かれてますね。Zeppファーストのレコーディング時にたまたま発明したらしいです。

    その本、2017年に取り上げました。
    http://jdanalog.blog111.fc2.com/blog-entry-1114.html
    本当に興味深い内容で、個人的にはジェフ・エメリック本以上に夢中で読みました。


    No title

    ありがとうございます。
    「研究会」は80年代の彼が何故あの体たらくになったかを分析することに特化したものでしたので、なかなかにスリリングでおもしろかったですw

    前日でしたね。すみません。
    10年前でしたか、お正月休みを使って、あのセッションの「全日程」音源を聴いたのです。だらだらと聞き流して、いい加減飽きた頃にいきなり「正規テイクに採用された演奏」が飛び出したりして、なかなか楽しかったのを覚えてます。ゲット・バックLPバージョンの曲前トークやDon't let me downの正規版テイクなどが出てきたときには「おおおお」と感動したものです。こういう「オフィシャルとの比較」ってライブ生どり音源でも楽しいですよね。

    グリン・ジョンズ本はおもしろかったですよね!個人的にはストーンズの音作りに興味があったので、そこも含めて69年前後をじっくり読み込んだものでした。

    Re: No title

    kara-pさん、こんばんは。

    > 「研究会」は80年代の彼が何故あの体たらくになったかを分析することに特化したものでしたので、なかなかにスリリングでおもしろかったですw

    なるほど、趣旨はわかりますね。でも、聴きたい音楽は他にあるので研究できないですね(苦笑)。

    > 10年前でしたか、お正月休みを使って、あのセッションの「全日程」音源を聴いたのです。だらだらと聞き流して、いい加減飽きた頃にいきなり「正規テイクに採用された演奏」が飛び出したりして、なかなか楽しかったのを覚えてます。ゲット・バックLPバージョンの曲前トークやDon't let me downの正規版テイクなどが出てきたときには「おおおお」と感動したものです。こういう「オフィシャルとの比較」ってライブ生どり音源でも楽しいですよね。

    それが、HP「Back to Original」に書かれてある話なのですね。

    僕も昔、アナログブートを買って聴いて、映画スタジオでのだらだらしたリハーサルに呆れました。「こんなクソ演奏・クソ録音に数千円も支払ったのか!」と、怒りと悲しみを覚えた記憶があります。あの頃の千円は重かった……。
    90年代になってからのCD時代の中古ブートには値段からして十分に満足させられました。

    > グリン・ジョンズ本はおもしろかったですよね!個人的にはストーンズの音作りに興味があったので、そこも含めて69年前後をじっくり読み込んだものでした。

    いやぁ、本当にあの本は面白いですよ。
    読み終えた後も、気になることがあればすぐに手を伸ばしています。
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。今日本では7インチ「シングル」盤のことを誤って「EP」と表示するような有様となり、言葉の不理解と誤用の蔓延に落胆している。「EP」は「シングル(=片面1曲、両面で2曲収録)」よりも曲数を多く収録する(標準は4曲、3曲や5曲や6曲の場合もあり)意味のExtended Playingの略。どうかシングル盤とEPとを正しく使い分けて欲しい。

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