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    Sex, Dope And Cheap Thrills/Big Brother and the Holding Co.

    僕がJanis Joplinを知ったのは、67年のMonterey Pop Festivalのフィルムだった。だから、JanisはBig Brother and the Holding Co.の一員であって、ソロシンガーではなかった。

    そのBig Brother and the Holding Co.の68年作品『Cheap Thrills』の原型と言うべきか?アウトテイクを集めた『Sex, Dope And Cheap Thrills』が先日登場した。

    SDC2018 (10)
    *CD2枚組


    さて、今回の『Sex, Dope And Cheap Thrills』の前に、68年の名作『Cheap Thrills』について少し触れておきたい。

    SDC2018 (6)
    *こちらは数年前に出た『Cheap Thrills』の復刻Mono盤、オリジナルモノマスターからカットされている

    まず『Cheap Thrills』は、一部で言われるようなライブ録音ではない。
    正しくは1曲を除き擬似ライブだ。

    冒頭のバンドの紹介や歓声は実際にライブ会場で録音されたものだが、演奏は全てスタジオで収録したものだ。但し、最後の「Ball and Chain」だけはライブ録音。

    で、Big Brother and the Holding Co.だが、個人的な意見を言わせてもらえれば演奏のムラがひどく、僕にはB級のグループだった。特にギターがひどい。音を外さないことのほうが珍しいくらい。
    プレイスタイルは個性的で好きだけれど、音を外しまくる演奏は非常に聞き苦しい。他のプレーヤーも演奏能力は発展途上と言う感じ。
    唯一安心して聴けるのがJanis Joplinの歌だった。いや、安心してどころでなく、一度耳にしたら心を捕まえて話さない魅力があった。

    だから『Cheap Thrills』は(一部音を外した演奏も含まれるが)本当に、うまくいったテイクだけを集めて作られた作品だった。
    そのことを実証するスタジオアウトテイクを29曲集めたのが今回発売された『Sex, Dope And Cheap Thrills』だ。
    さらに、本当のライブ(ここでも「Ball and Chain」)も1曲入っているので全30曲収録。

    SDC2018 (4)
    *裏面に収録曲目

    『Sex, Dope And Cheap Thrills』は、これもBeatlesのホワイトアルバムremixと同様に今風の低音重視の音作りがなされていて、オリジナルの『Cheap Thrills』を聴いてきた耳には違和感を覚えるものの、それ以上に演奏のクオリティが低くて正直1回聴いたらもう二度と聴きたくない演奏の方が多かった。

    これを聴いて、僕は音を外して引き続けるギターが大の苦手だと本当に痛感した。
    録音音質は正規発表できるクオリティなのだが、これらを聴くとJanisの歌以外は公式に発表できなかったことがよくわかる。
    だから、今回の発売を期待して待っていただけに、残念な度合いが高かった。

    SDC2018 (2)
    *ブックレットにはバンドメンバーが寄せた当時の話なども掲載

    ところで、ネットで見た限りだが、この2枚組CDの国内盤には「『チープ・スリル』、50周年記念エディション」というタイトルが付けられているようだ。
    だが、これまで記した通り、収録されているのは全てアウトテイク。はっきり言えば演奏が不出来な没テイクがほとんど。
    オリジナルの『Cheap Thrills』も収録してないのに、それを50周年記念エディションと言うのはいかがなものか?と思えた。

    僕からすれば本当に熱心なJanisマニアかコレクター向けであって、一般の洋楽ファンが手にするクオリティではない気がする。
    もしかすると、他の50周年記念セットほどに大げさに宣伝していない(と僕は思っているが)のはそれが理由か?





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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : CD Janis Joplin ジャニス・ジョプリン Cheap Thrills

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    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。今、世界で日本だけが7インチ「シングルSingle」盤のことを誤って「EP」と呼ぶような有様となり、言葉の不理解と誤用の蔓延に落胆している。「EP」は「シングル(=片面1曲、両面で2曲収録)」よりも曲数を多く収録する(標準は4曲)意味のExtended Playの略で、両者は別の仕様だ。どうかSingleとEPとを正しく使い分けて欲しい。

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