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    若いマトリクス=初版or初期プレス…ではない例が見えてきた?

    某ヤ○オクに、とんでもなく高価な『Out of our heads』英国盤LPが出品されている。Rolling Stonesの英国での3rdアルバム(1965年)だ。

    商品説明によれば、A面が定説よりも若いマトリクス7Bとのこと。そして、B面のマトリクスは、逆に当時のものとしてはほぼ最終番号?のマトリクス12Aとなっている。
    また、出品者情報によると、8B/9Aが最初期マトとされてきたようだ、とのこと。

    ちなみに、僕の手持ちの2枚を確認すると、9B/9Aと11B/10Aだった。




    それにしても7B/12Aって、明らかにB面のマトリクス12Aに対応するために、A面を本来使わないことにした7Bのスタンパーでプレスしたように思えてならない。要するに、商品としては初版扱いだとしても(その中では)後期プレスにあたると考えるのが妥当だろう。

    つまり、カッティングエンジニアが、一度は失敗と判断し没にしたものを、生産側の都合で使わざるを得なくなったのではなかろうか?そうなると、この場合、本来の初版と言えるのか?

    少し前に紹介したKate Bushの『Dreaming』も、再発の際に、初版時には没としたマトリクス1Uを初めて使用している。

    これらの例を見ていると、例えば、Beatlesの赤盤や青盤の英国盤で、珍しい若いマトリクス番号が混じったプレスは、実は、初期ロットの中でもかなり後期のプレスなのではなかろうか?と思え始めた。

    赤盤ならば、もっとも出回っていて、なお且つ初期のマトは1/1/3/1だ。
    これに対して、1/1/2/1というセットがあると言うのを後に知って、「そっちの方が初期プレスだな」と思っていたのだけれど、実際は前述の『Out of our heads』と同様の使い方なのかもしれない。

    なぜそう思うかと言えば、エンジニアが「これで行こう!これがベストだ!」みたいな判断を下したラッカーを元に作られたスタンパーから最も数多くプレスされるだろうからだ。
    定番のマトリクス番号は、音質が最も安定しているはずだ。

    それに対して、希少なマトリクス番号は、エンジニアからすれば音質的に何か不安や不満があったのだろう。できることなら使いたくなかったが……という類のように思える。

    となると、マトリクスが若いからと言っても、最初は没扱いで使われなかったマトなら決して初版ではないということになる……ように思えるのだが?

    ただし、前述の『Out of our heads』は、希少性という点では、その通りなのだろうとは思う。

    希少ゆえに高値をつけるのは、エラーレーベルがコレクターの心をくすぐるのと同じようなものなのかもしれないが、発売時点での商品としての価値はB級品であって、プレミアがつくどころか、最初から割引されて売られた可能性さえある。
    B級品なので、レコード会社の社内販売専用商品とか(笑)だったかもしれない。

    SGTの英国盤で、レーベルから「A day in the life」の曲名が抜け落ちたレーベルなんて、明らかにそっちの類だ。そういうものに、通常の倍額とか支払うのは、やはりどうかしている(はず)。

    でも、手持ちの盤にそういうのを見つけると「やった!」と思ってしまうのは、改めないといけない……かもね?(苦笑)。





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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : レコード LP 英国盤 ローリングストーンズ Stones Beatles ビートルズ

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    No title

    こんにちは。面白そうな話題でしたのでコメントを。

    B面が進んでいるので「初版」とは言いきれない類のものですが、発売日近くに並んでいてもおかしくなさそうです。

    数を出さないといけないアルバムだと思いますので、複数のプレス工場で使い回すうちにAB面の組み合わせがぐちゃぐちゃになってしまったのかもしれません。

    使い回したのがラッカーなのか、それともスタンパーなのかは分かりませんが、2枚組とか人気作に稀に見られる現象ですね。

    米国は意外とその辺りしっかり管理している印象があります。

    Re: No title

    arazashさん、こんばんは。

    > B面が進んでいるので「初版」とは言いきれない類のものですが、発売日近くに並んでいてもおかしくなさそうです。
    > 数を出さないといけないアルバムだと思いますので、複数のプレス工場で使い回すうちにAB面の組み合わせがぐちゃぐちゃになってしまったのかもしれません。

    英国Deccaの?あるいは、Rolling Stonesの英国Decca盤のマトリクスは、アルバムによっては最初から数字が大きく、セカンドプレスになってから若い番号のマトリクスが登場しているものもあり、明らかに、新たにカッティングするくらいなら未使用のスタンパーを使ってしまえという方針?文化?があるように思えます。

    Out of our headsに戻ると、初版扱いが8~12までのマトリクスというのは、EMI系列と比較すると明らかに多すぎですね。
    スタンパーの寿命が他社よりもかなり短かった?としか推測できません。

    > 使い回したのがラッカーなのか、それともスタンパーなのかは分かりませんが、2枚組とか人気作に稀に見られる現象ですね。

    EMI系列だとあらかじめ一つのラッカーから用意されるスタンパーの数が多く、同じマトリクス番号でスタンパー違いのセットが多いですが、RSの英国Decca盤ではマトリクス番号違いが多いことから推察すると、一つのラッカーから用意するスタンパーの数が少ないのでしょうね。その代わりに、カッティング作業を何枚分も用意することになる、と。

    BeatlesではBeatles for saleがマトリクス4と3が混じっているので、この時は似た感じだったのでしょう。

    > 米国は意外とその辺りしっかり管理している印象があります。

    そうですか!米国のほうが国土が広く工場も多くプレス枚数も圧倒的に多い印象があるので驚きですね。


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    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。今、世界で日本だけが7インチ「シングルSingle」盤のことを誤って「EP」と呼ぶような有様となり、言葉の不理解と誤用の蔓延に落胆している。「シングル」は片面1曲、両面で2曲収録。「EP」はシングルよりも曲数を多く収録する(標準は4曲)"Extended Play"の略。両者は別の仕様だ。どうかSingleとEPとを正しく使い分けて欲しい。

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