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    新品での針飛びは単なる製造不良品に過ぎない

    *8/9夜修正&追記……久しぶりに再生挑戦し、記憶と現在の再生音との違いを修正した。大きな相違点は、記憶では大砲音は音割れしていたように思えていたが、音割れ寸前と記す方が正しく思えた。
    なお、大砲音は全てが割れ気味なのでなく、問題ない箇所の方が多い。


    数日前、Pink islandさんのブログで知ったが、John and Yokoの『Double Fantasy』の針飛び米国盤が某Yオクで高値で落札されたとのこと。調べてみると、その商品説明には〝超ギガレア、ラウドカット盤〟とあり、針飛びはラウドカットによるとの説明だ。
    いやいやそのLP、僕も当時買わされてしまったが、単なるプレスミス、つまり製造不良品だよ!(笑えない)。

    1960年代のポータブルレコードプレーヤーでないのだから、70年代のオーディオ全盛期を過ぎた1980年にラウドカットだから針飛びなんてありえない!音溝が隣同士でくっついているだけ。ラウドカットもない。

    でも、普通に再生したら針が飛ばされるLPが1枚だけあった。それがこれ。

    telacJ1812 (8)

    TelarcのDigital録音の『大序曲1812年』の国内カッティング盤LP。




    チャイコフスキーの『大序曲1812年(英1812 overture)』は、映画で使われることもあって、比較的有名な曲だと思う。オーディオファンには、大砲の音が登場する曲として知られていることだろう。僕も『大序曲1812年(英1812 overture)』のLP/CDを合わせたら10種類程度は持っている。

    中でも有名なのは、ステレオ録音の初期、1958年に録音されたAntal Doráti指揮のMercury盤だと思う(それ以前の54年にもモノラル録音されている)。実際の大砲の音(実射音)を録音して使用している。

    他にも実射音を録音して使用したものもあれば、大砲の音は入っていないものもある。

    当然のことながら、大砲の音はものすごく音量が大きいので、録音に際してはかなり録音レベルを下げて、音ができる限り歪まないように収録し、それを曲の演奏にかぶせる手法が取られる。曲と実射音とをミキシングする際に、再生するオーディオ機器(特にスピーカー)が破損しないようにレベルが調整されているわけだが、そうは言えど、再生音量によっては誤ってスピーカーを飛ばしてしまうこともあるかもしれない。そのため、実射音部分であらかじめ音量を絞った状態からどの程度までボリュームを上げれるか確認しておいてから聴くのが無難。

    で、TelarcのDigital録音の『大序曲1812年』の国内盤LPに戻ると、当時からこのLPの実射音を無事に再生できるかどうか?話題を呼んでいた。どういうことかと言うと、実射音部分でまさに針飛びするのだ。

    僕はこのLPを友人から譲ってもらったのだが、彼のプレーヤーでは全く再生できなかった。でも、ターンテーブルを手でゆっくりと回して音溝を確認すると、音溝はあるとわかる。ただし、針飛びはしないがアームがとても激しく揺れる。33 1/3で再生すると、アームは横揺れだけでなく、上にも飛ばされているようにも見える。まるで、はじき飛ばされるみたいだ。

    僕が以前使っていたKenwoodのKP-1100でも針飛びしてしまい最後まで再生できずじまいだったが、カートリッジの適正針圧に+2g(3gだったかも)ほど追加するとある程度は針飛び回避できたが、1~2箇所はどうしても無理だったように思う。

    その後、現在使っているNottingham spacedeck 10thでは、カートリッジの適正針圧に何g追加かは忘れたが、一箇所以外はクリアしたし、実射音部分での歪みもKP-1100より向上。

    現在は追加したアームのRigid Float 7’しか使用していないが、こちらの方がspacedeck 10th標準のアームよりもさらにうまく再生できるようになった。それでも、針圧は適正以上にかける必要があるし、実射音部分はやっぱり完全に歪み0というわけではないと思う。つまり、その瞬間、針飛びぎりぎりのところまでアームは動いているわけで、出てくる音も大砲音の歪んだというか割れたような「ボコッ」という音のみ。オーケストラの音は瞬間的に消えてる?

    (*8/9夜追記:てらださんのコメントを受けて、久しぶりに再生チャレンジした。カートリッジはDL-103Rで、針圧は適正より軽い1.9gで最後の難関の1箇所以外は普通に再生できた。昔は重くして飛ばされないようにしていたが、いつだったか、普通にやったほうがうまく再生できるようになったことをすっかり忘れていた。)

    ところがだ、数年前にyoutubeにアップされている動画を見て、おかしなことを知った。
    なんと、国内盤はわざと針飛びするようにカッティングされてあり、Telarcの本国プレス(輸入盤)だと国内カッティングよりも針飛びしづらいレベルに抑えてあったのだ!

    telacJ1812 (5)
    *シングルジャケット、裏面

    僕は国内カッティングしか持っていないのだが、調べてみると本国カッティング盤でさえ再生困難だというにもかかわらず、日本国内カッティングはさらに奇をてらったレベルになっている。どうりで、針飛びしない場合でも音が歪むわけだ。
    (*適切な表現に修正すると、「大砲音が歪みかけ寸前になる」といったところ)
    そのことを知った時は、なんだかずっと騙されてたような気がした。

    僕は『1812 overture』は好きだけれど、わざわざ意図的に針飛びさせるレコードなんてあえて聴く必要も無いと思っている。どうやったところで実射音部分は針飛びしなかったとしても音は割れている割れかけのように聞こえる。それでは優秀録音とは言えない!
    それに、同曲の優れた演奏は他にいくつもあるのだから。

    でも、いつかはTelarcの本国プレス(輸入盤)を実際に再生してみたいとも思う。予算は、EX+レベルの中古で上限2000円だな。僕が紹介した国内盤だと1000円以下で買える。

    *8/9夜追記:同一音源収録のTELARCのCDとの比較で、やっぱり大砲の音は音割れ寸前の飽和状態に聞こえる。CDの方が余裕ある音だ。持っていないので推測だが、本国カッティング盤はそこまで音割れ寸前ではないのでは?


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    テーマ : オーディオ
    ジャンル : 音楽

    tag : レコード LP 音質 針飛び 序曲 1812 チャイコフスキー Telarc

    コメント

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    No title

    当時、テラーク・デジタルの日本盤が発売されるというので最初に発売された10枚(だったかな?)をまとめて買いました。
    大砲の再生が話題になっていましたね。
    MCカートリッジでは再生不可でしたが、シュアーのMMでは再生することが出来ました。
    オーケストラ部分も歪んでなかったような記憶です(30年前の事なので記憶違いかもしれませんが)。
    アームはFR64Sというダイナミックバランスのタイプだったので、それも再生には有利だったのかもしれません。

    Re: No title

    てらださん、こんばんは。

    > 当時、テラーク・デジタルの日本盤が発売されるというので最初に発売された10枚(だったかな?)をまとめて買いました。
    > 大砲の再生が話題になっていましたね。

    僕の友人は2枚買いました。両方僕のところにあります(笑)。

    > MCカートリッジでは再生不可でしたが、シュアーのMMでは再生することが出来ました。

    僕もKenwoodのプレーヤーを使ってたころは、シュアーのV15を使ってました。
    それでも飛びましたけどね。

    > オーケストラ部分も歪んでなかったような記憶です(30年前の事なので記憶違いかもしれませんが)。

    僕の書き方がまずかったかなと思いました。
    オーケストラ部分は全く問題ないのですが、大砲音の何箇所かで(CDとの比較で)ほぼ割れかけ…音割れ寸前ってところですね。
    先ほど久しぶりに再生挑戦しました。カートリッジはDL-103Rです。

    > アームはFR64Sというダイナミックバランスのタイプだったので、それも再生には有利だったのかもしれません。

    当然、アームの性能が大きく影響しますね。



    昨年まで本国盤、持っていました。

    Denon DP-57L、オーディオテクニカAT-10G(普通の安いカートリッジ)で問題なく再生できていました。AT-10Gは針圧が2.0g標準と重いことも良かったかも知れません。他のカートリッジでは怖くて再生しませんでした。
    再生時にカートリッジを見ていると針が左右にぐにゃぐにゃ動き、何だかカートリッジが可哀想なのと(笑)音楽的に楽しむにはスリルがありすぎたので(笑)売ってしまいました。

    Re: 昨年まで本国盤、持っていました。

    やそきちさん、こんばんは。
    はじめまして。

    そうですか、本国盤をお持ちでしたか。

    > Denon DP-57L、オーディオテクニカAT-10G(普通の安いカートリッジ)で問題なく再生できていました。AT-10Gは針圧が2.0g標準と重いことも良かったかも知れません。他のカートリッジでは怖くて再生しませんでした。

    僕自身は国内カッティング盤しか持っていないのですが、youtube動画を見る限りでは本国盤のほうが無理なく再生できるみたいに思えます。音質的にも国内盤ほど大砲音は歪っぽくなかったのでは?と推測しています。

    > 再生時にカートリッジを見ていると針が左右にぐにゃぐにゃ動き、何だかカートリッジが可哀想なのと(笑)音楽的に楽しむにはスリルがありすぎたので(笑)売ってしまいました。

    そのほうが健全かもしれないですね。


    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。今日本では7インチ「シングル」盤のことを誤って「EP」と表示するような有様となり、言葉の不理解と誤用の蔓延に落胆している。「EP」は「シングル(=片面1曲、両面で2曲収録)」よりも曲数を多く収録する(標準は4曲、3曲や5曲や6曲の場合もあり)意味のExtended Playingの略。どうかシングル盤とEPとを正しく使い分けて欲しい。

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