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    Tommy James and the Shondells/Crimson and Clover

    1968年にTommy Jamesは、シングルヒット中心のグループからアルバム中心のグループへと移行しようとしていたようだ。そのため、2枚の大掛かりなアルバムを同時に制作していたらしい。

    その1枚がヒットした『Crimson and Clover』だ。発売は1969年1月。

    CAC (10)
    *米国オリジナル盤(シュリンク残してある)



    アルバムに先駆けて、彼らの新たなイメージとなる実験的なサウンドの「Crimson and Clover」(アルバムタイトル曲にもなった)をシングルとしても発売しようとしたものの、レコード会社からの要求期限に間に合わず、別の曲「Do something to me」を代わりに発売したとウィキに書いてあった。

    その「Do something to me」は、アルバム『Crimson and Clover』にも収録されたアップテンポのキャッチーな曲だ。アルバム収録のアップテンポな曲はこれだけで、全体的にはミドルテンポかスローとなる。

    シングル「Crimson and Clover」は1968年の終わり頃に発売された。Crimson(赤紫色?)はTommy Jamesの当時のfeelingを色でたとえたとのこと。前述の如く実験的なサウンドを持つこの曲はラジオでかかるようになると評判を呼び彼らにとって2枚目の全米No.1ヒットシングルとなった。

    CAC (5)
    *ジャケット裏面

    昔聞いた話では、「Crimson and Clover」を出した頃のTommy James and the Shondellsは、ポップチャートの表舞台でなくアングラな存在とのことだったが、ヒットしたことからすると、どうにも嘘っぽい話だと思わざるを得ない。

    いや、もしかすると、アルバム『Crimson and Clover』と同時に進めていたもう1枚のアルバム『Cellophane Symphony』が、さらなる実験的なアルバムでこちらはヒットしなかったことから、そういう話になっていたのかもしれないが。

    おっと、話をアルバム『Crimson and Clover』に戻すと、発売は1969年にずれ込んでしまったが、1967年6月から始まったコンセプトアルバムの流行を意識した作品だ。

    と言って、具体的なコンセプトがあるかどうか僕は知らない。ただ単に、アルバムとしてまとまった作品を作りたい、という発想でのプロジェクトだったのではなかろうか?と僕なぞ思っている。そのために、B面のラストにはA面1曲目「Crimson and Clover」のrepriseを配置してある。オリジナルLPの裏面クレジットにはそれに関する記載は一切ない。

    曲の流れや曲間の処理(逆回転までも使用)は明らかにアルバムをひとつの作品とすることを狙っており、それは成功しているように思う。

    BeatlesのSGTのステレオミックスでも触れたことがあるが、新たなサウンドを生み出すことが目的となると、歌をメインにするのでなく、歌やコーラスも他の楽器同様にサウンドを構成するパーツと捉え、歌を中央に定位させることは重要ではなくなる。聴かせたいのは歌(歌詞)でなくサウンドなのだから。
    このアルバムも同じ発想に基づくステレオミキシングが施されている。

    また、16トラックのレコーダーが導入されたからか、LPに刻まれた低音域は彼らのアルバムだとは思えないほどにしっかりと収録されている。

    CAC (2)
    *レーベル

    収録曲のクオリティも高く、先日The Cliqueを取り上げた際に紹介した曲「Sugar on Sunday」もこのアルバムに収録されている。

    実験的なサウンドは「Crimson and Clover」「I'm a Tangerine」に顕著だが、ラストを飾る「I'm alive」も同様かも。なお、この曲は同じバッキングトラックを使用したカバーバージョンを黒人アーティストのJohnny Thunderが強烈なボーカルでシングルとして発表(1969年)。

    アルバムからシングルカットされた「Crystal Blue Persuasion」はAOR的な曲で、「Crimson and Clover」の実験的なサウンドとは全く異なるが(同じ発想に基づいてかどうかは不明だが)こちらもタイトルに色を取り入れている。これも彼らの代表曲のひとつになるほどに大ヒットした。

    結果的に、アルバム『Crimson and Clover』はTommy James and the Shondellsをアルバムアーティストへ移行させることに成功したように思う。とは言え、グループは翌1970年に解散してしまうのだが……。



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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : レコード LP 米国盤 ステレオ stereo クリムゾンとクローバー Crimson and Clover

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    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。今日本では7インチ「シングル」盤のことを誤って「EP」と表示するような有様となり、言葉の不理解と誤用の蔓延に落胆している。「EP」は「シングル(=片面1曲、両面で2曲収録)」よりも曲数を多く収録する(標準は4曲、3曲や5曲や6曲の場合もあり)意味のExtended Playingの略。どうかシングル盤とEPとを正しく使い分けて欲しい。

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