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    カッティングマスターを聴くイベントに参加

    つい先日、音楽評論家の犬伏功さんと目黒研さんの主催で「英国ロックの秘蔵カッティング・マスターを聴く」会が西宮市にある音楽スタジオ、スタジオ1812に於いて開催され、行ってきた。イベントには30名ほどの参加者があった。

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    *告知はtwitterのみ?

    参加者のどなたか、きっとSNSでアップされているかもしれないが、僕も忘れないように感想を記しておくことに。一言で言うなら「やはり、凄い音があった」。



    過去に記したかもしれないが、僕は以前の勤め先でオープンリールテープを使っていた。当時あったデッキはTeacとSonyの所謂‘2トラ38’(1/4インチ幅テープを使用)と業務用の1/2インチ幅テープを使った8トラック38レコーダー(その他にはデジタル録音用のPCMプロセッサー+Betamax、DATなども)。そのため、オープンリールテープは扱っていたし、音質もそれなりには理解していた。

    さて、開催場所は完全防音を施した音楽スタジオ(録音も可能)とのことで、再生用に準備されていたのは、スタジオに備え付けのPA用のスピーカーだった。サイズは部屋の体積に見合うと言うか、ちょうど良いサイズだと僕には思えた(部屋の体積に対して大きすぎるスピーカーは、良い音で鳴らせないと思っているので)。トールボーイに近いタイプで本体サイズの高さは120cm程度か。幅はうちのスピーカーの倍ほどあったので40~50cm。

    入場の際に有名なアルバムをBGM的に流していたが、その際の音量がだいたい僕の自宅での最大音量かも(笑)。低周波もしっかり再生されていたので、F帯域的には問題なしだが、中音域が薄い(あるいはクオリティ面で弱い)気はした。それと、低域の反応が高域よりも鈍くバスドラやベースが0.数秒遅れて聞こえていた。全体的な音質は安価スピーカーのそれに近く、残念ながら音色というか声や楽器の質感は僕の感覚では良いとはいえない。でも、演奏するスタジオ内での使用では全然問題ないと思った。そもそもPA用なのだから。

    主催者挨拶含めたコメントの後、『Odds and sods』のカッティングマスターからB面1曲目の「Pure and easy」を再生。あのスピーカーゆえに音質は……と思っていたが、入場時よりも大音量(とは言え、隣の人とは耳打ちで会話できているレベル)で音が飛び出すと、思っていた以上の高音質。
    *訂正、始まった後は曲をかけている最中は話せる音量ではなく、曲間に話ができる状態

    それと、質感は駄目だなと思えていたが、音のエネルギーというか飛び出し反応はさすがにPA用だけあって普段自宅で聴いているのとは別物。その点については印象を改めた。

    次のCreamはちょっと音質が今ひとつだったが、さらに驚かされたのが『Cry of love』の冒頭の2曲。「Freedom」の音抜けの良さ、いろいろなパートの楽器の定位がゆるぎないし、音がダンゴにならずにそれぞれが生き生きとしている。目を閉じると明らかにそこにステージが出現している。上流の再生音が良ければ、これほどの音で聴ける(聞こえる)のか!と思うと同時に、もし自宅のオーディオにつないで聴けたならどれほどだろう!などと想像してしまった。

    でも、福岡に戻って「Pure and easy」の再生音がどれほど違うか確認しようと英国盤を再生したが、まず音量的に限界だった(苦笑)。さすがに祝日の昼間でも、あそこで聴けたような大音量再生はできず。また、自宅での最大音量で再生しても、音の質感は優れているが、それ以外はあそこで聴けた音には近づかないように思えた。やっぱりあの音は別物だった。

    まぁ、それは当然の話だ。何故ならレコードはカッティングマスターを元に作られているのだから(実際の英国盤で使われたマスターと同じ世代のテープかどうかは不明だが)。
    音をレコードという器に落とし込むためにラッカー盤に刻み、いくつかの製造工程を経て作られたのが市販のレコードであって、音の器のサイズや世代がそもそも違う。そのことを『Odds and sods』と『Cry of love』で痛感した。

    でも、「Sunny afternoon」はモノラルだったからか?自宅と遜色ないと言うか、質感的には確実に自宅で聴くほうが良いと思えた。そういうのもあった。

    その後、イベントでの再生音量はさらに上がり(特にQの曲で)、部屋のサイズに対しては飽和状態と思えるほどの音量になり、『Odds and sods』と『Cry of love』で受けたような高音質感よりも部屋内の音の充満感が音質を悪化させてしまい、ちゃんと聴けた気がしなかった。それって、もしかして僕だけだろうか?…こういう感覚は普段の再生音量や耳の許容音量の個人差にも関連していると推測。

    Glyn Jonesのスタジオ空間までを収録したような『By numbers』も、音量が大きすぎたのと(もしかするとPAスーピーカーの特質か?)空間再現が希薄だった。逆にそのような収録をしていない「You better you bet」の方がバランスがよく音が良く聞えたのも、音量が若干下がったことやPAスピーカーが再生苦手でない録音だったのかなと思えたり。

    と、できれば音量は最初のままをキープして欲しかったが、もしかするとテープに記録された音量が異なるので、その差が再生音量として出ていただけなのかもしれない。Qの代表曲はボーカルや演奏は良い音だったが、コーラスはほぼ飽和状態で、想像していたような高音質とは違うなと思えたり。そういう発見もところどころにあった。

    そうそう、ここではっきりさせておきたいのは、今回聴いたのはレコードを作るために用意された(例外もあった可能性もあるが、基本的には第1世代の)カッティングマスターであって、市販のリールテープではない。それらの音質は全然別物だ。

    以上、貴重な体験ができただけに非常に満足しているものの(このためだけに関西へ行ったわけだし)、だからと言って100%満足というわけでなもかったので、自分の感想を忘れないように記した。

    僕が関西在住ならば、ふた月に一度行われているという音楽イベントにも参加するのだが……残念。





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    テーマ : 日記
    ジャンル : 音楽

    tag : ザ・フー Who キンクス 音質 マスター テープ master tape

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    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。今日本では7インチ「シングル」盤のことを誤って「EP」と表示するような有様となり、言葉の不理解と誤用の蔓延に落胆している。「EP」は「シングル(=片面1曲、両面で2曲収録)」よりも曲数を多く収録する(標準は4曲、3曲や5曲や6曲の場合もあり)意味のExtended Playingの略。どうかシングル盤とEPとを正しく使い分けて欲しい。

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