What is stereophonic sound?

    レコードを整理している際、偶然『Elvis is back!』の米国オリジナルモノラル盤に付属の内袋が目に入ってきた。

    What is stereophnic sound?と題され、それがどういうものかを当時一般的だったモノラルと比較して説明されている。

    elvisisbackinner (1)
    *片面に掲載



    世界初のステレオレコード発売が1958年(57年説もあり)と言うから、『Elvis is back!』発売の1960年では、まだまだ米国でもステレオレコード普及推進時期だったことだろう。

    新たな技術を使った商品は、僕の知る限り、出始めは高額で普及するに伴い需給バランスが整いリーズナブルな価格となっていく。

    elvisisbackinner (3)
    *逆面はレコードの広告


    出始めの高額な時期は、興味を持つマニアが無理をしてでも購入するかもしれないが、なかなか普及しない。普及させるにはそれこそ大衆の需要を喚起する必要があり、Elvis PresleyのレコードがステレオLPで登場するというのはそれなりに力があったかもしれない。だから、モノラル盤の内袋にステレオ方式について広告と言うか啓蒙と言うか、ステレオを広めるための宣伝を入れたのだろう。

    実際、『Elvis is back!』の米国オリジナルステレオ盤はモノラル盤の1/5ほども売れていないような気がする。中古で見かける数は圧倒的にモノラル盤の方が多い。経験的にはモノラル10枚に対してステレオ1枚あるかないかくらい(再発盤は対象外)。もしかすると、ステレオ盤が素晴らしくて手放さないのかもしれないが。

    elvisisbackinner (2)
    *拡大すると読めるサイズ、1.4MBほどあるので重いかも


    ところで、Rock系の録音だと、それぞれの楽器を個別にモノラルで録音して最終的にステレオミックス用に2トラックステレオの左右どこかにモノラル音源を配置する(=ミキシングする)ことでステレオミックスを制作するやり方もある。宅録では特に。

    このとき、個別に録音された楽器の音が他の楽器音と一切干渉しない完全なモノラル音源として録音された場合に、ステレオリバーブあるいはステレオディレイ等を一切かけずにミキシングが行われたなら、できあがったステレオミックスは全然ステレオ感のないものとなる。昔、長岡鉄男さんがそれをマルチ・モノ(モノはモノラルの意味)と呼んでいた。
    モノラル音源を左右スピーカーのどこに定位させたところでモノラルはモノラル。録音の世界では。

    『Elvis is back!』の内袋にも説明があるが、2つ(以上)のマイクで録音することで初めてステレオ(つまり立体的な音響)が成り立つ。音源の位置を二つのマイク位置から割り出せるような音となる。もし録音が優秀だったなら、収録された部屋の広さまでもが再現される。

    昔は録音作業が基本的には生演奏の生録音だったから、一つのスタジオに衝立を並べて音がかぶらないようにするなどしながらライブ録音された2~4トラックのマルチトラックテープには、微量の音かぶりと共にその場の空気(文字通り、空気の音)がどのトラックにも同時に収録された。それをステレオミキシングすると、無音あるいはノイズのような空気感が収録スタジオの広さ(空間)を音として提示していた。

    その空気感や空間成分の音がステレオ初期のレコードに収録されていたことを発見したのは、1970年代の再生装置であり、当時のオーディオ好きな人たちだったようだ。

    そして、僕もようやく21世紀になってから、その空気感や空間成分の再生(再現)を目指すオーディオをやっているわけで、モノラル時代のようなただリアルな音がスピーカーから出るだけでは満足できない。だからモノラルよりもステレオ盤の方を好んで聴くし、最近は耳の使い方?焦点の当て方?が昔とは違っている。常に空間を意識してしまう(笑)。あるいは人口的に作られた空間を把握しようとしてしまう。

    先ほど記したマルチ・モノの再現は全然難しくないが、ステレオの再現は僕に言わせれば難しい。それなりの装置も耳も、そして部屋も音量も必要だ。






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    テーマ : オーディオ
    ジャンル : 音楽

    tag : ステレオ stereophonic モノラル ステレオ録音

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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