「音が良い」は人それぞれ パート2

    前回、このタイトルで『Sgt.Pepper’s…』SDEあるいはRemix stereoについて思うところを記した。

    今回は別な話を。よりオーディオ的な話と言うべきか、感覚的な話と言うべきか。



    僕が現在オーディオセットをおいている部屋は、普通のリビングルーム(洋室)。
    ただし、過去のオーディオ部屋の中で現在の音質が一番良いと思っている。それは音のグレードや再生帯域、部屋の響き等からの経験的な判断だ。

    実際、過去に音が良いと思えていた部屋(例えば東京在住時の部屋など)には、ある特定帯域に癖があって音が強調されることもあった(それは、当時から気づいていたが、そこまで大きな問題と受け止めていなかった)。

    今は(主観的には)本当にフラットだし、この部屋で音楽を聴き始めてからか?音の違いが「再生音」としてはっきりとわかるようになってしまった。

    どういうことかと言うと、それ以前と違って、自分の感覚(または耳)が大きく変化してしまったのかもしれない。あるいは、感覚は同じだけれど、出てくる音がモニタースピーカーを使うかのように音が見えてしまうようになったのかもしれない。そのどちらかかもしれないし、両方なのかもしれない。

    いずれにせよ、そう感じる最大の点は、歪っぽい音が苦手になったことと、好き嫌いは別として、コンプやリミッターを使ってマスタリングされた圧縮の度合いに敏感になってしまった点だ(多かれ少なかれ、その処理は避けられないと思っているが)。

    1980年代以前のアナログ録音・アナログミキシング・アナログマスタリング(=AAA)のレコードを聴いても、前述の2点(歪っぽさと圧縮)が気になるようになった。
    なお、マスタリングには原盤カッティングの際に施したコンプレッサー処理なども含む。

    例えば、先日取り上げた『Miles Smiles』の米国オリジナルmono LPは、1曲目からマスタリング時のコンプの度合いが気になってしまう。昔はガッツのある音だと思っていたのだけれど、今の僕の耳では不自然な音に思えてしまうのだ。同じ『Miles Smiles』でも、米国再発stereo LPはそのようなマスタリングではないので、ずっと聴きやすい。

    また、別ミックスだしCDなので、きっとAADあるいはADDであるが、『Freedom Jazz Dance』3CDセットの音が一番美しく感じられる。かなり自然な音のままマスタリングされているように聞こえる。

    ここから思うに、以前の僕はコンプの効いた音を迫力のあるガッツな音と受け止めて、特に音が良くないとは思わなかったのだけれど、自分の感覚が変わったのかあるいは現在のオーディオ/部屋で聴くと粗が見えてしまうのか?今ではちょっとやり過ぎだなと感じてしまう。

    『Freedom Jazz Dance』3CDは、以前の僕なら音量を下げて聴くと物足りなく思ったかもしれないが今ではどんな音量でも問題ない。逆に『Miles Smiles』の米国オリジナルmono LPは、今では音量を上げると厳しい。控えめな音量で十分だ。

    僕のこのような経験(変遷)?も、どういう音を「音が良い」と感じるかは、人それぞれであることの一例だと思えた。
    他にも何か気づいたことがあれば、このタイトルで回を重ねたいと思う。

    補足:
    ちなみに、僕の使用しているオーディオシステムは、今年2月にSACD/CDプレーヤー導入後にプリアンプをそれ以前と変更(導入)し、その際にパワーアンプをマッキンからJOBに変更したのみで、アナログ関連やスピーカーに変化はない。




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    テーマ : 日記
    ジャンル : 音楽

    tag : 音が良い レコード CD オーディオ 再生音

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    No title

    JDさん、こんにちは。
    JDさんの「フラット」な記事は非常に参考になります。
    『Freedom Jazz Dance』を聞いてみました。Spotifyですけどね。
    セッションの様子、面白いですね〜。会話の内容を正確に知りたくなりますね。国内盤CDには訳が付いているようなので、安い中古を探そうかと思います(笑

    Re: No title

    ニブさん、こんばんは。

    > JDさんの「フラット」な記事は非常に参考になります。

    そう言っていただき、ありがとうございます。

    > 『Freedom Jazz Dance』を聞いてみました。Spotifyですけどね。
    > セッションの様子、面白いですね〜。会話の内容を正確に知りたくなりますね。国内盤CDには訳が付いているようなので、安い中古を探そうかと思います(笑

    確かに、ぼそぼそ会話してましたね(笑)。
    国内盤CDだと翻訳ありですか!それは初めて知りました。



    No title

    拙が思うに、ハイファイでいい音と、インパクト重視で好きになる音は違うんだろうと。オーディオ的に高品位な音にそれほどこだわらない普通の音楽ファンは後者を好であろうということです。そして、60~70年代のオリジナル盤でいい音だと言われているものは後者の要素が強いものだと感じています。それらはすべてリミッター/コンプで色付けされた音です。

    ところが、これはJDさんも感じられていることだと思いますが、もっと原音に忠実であろうとするクラシックの場合は、ダイナミックレンジの広さとナチュラルな音質を活かす方向で音づくりがされているため、その方面の音を好むようになると、リミッター/コンプで色付けされたインパクト重視の音には違和感を感じるようになります。拙はここ7~8年くらいクラシックを日常的に聴くようになってからは音の好みは随分と変わりました。リミッター/コンプが絶対にいやだということではないんですが、アコギやピアノなど生楽器の繊細な音まで変えてしまうような過剰な使い方ってどうなんだろう?という疑問は持つようになりましたね。

    Re: No title

    路傍さん、こんばんは。
    いやぁ、まさにその通りだと自分でも思っていたところでした。

    もうひとつ付け加えるなら、クラシックだけでなく、ユニバーサルミュージックが発売を続けたフラットトランスファーのSACDや同じ音源から作られたCD、アナログマスターをフラットにCD化した初期CDなどの音も影響している気がします。
    それらが、LPと共にここ数年の間に僕にとってはひとつの基準に収まった気がしています。つまり路傍さんの言葉で言えば、僕はインパクト重視路線から外れたんですね(笑)。

    だからBeatles作品でも、2000年の『1』のような〝リマスタリングで息苦しい音になったやつ〟は、どうも苦手です(なぜかあれは発売当初から好きではなかったですが)。とは言え、最終のマスタリング以前の作業として、音作りにコンプが使われているのは、彼らが当時望んで創りあげた音なのでたいていは気にならないのですが。

    『Miles smiles』のオリジナルモノラルLPのマスタリングが苦手な類の音だったのは想定外でした(苦笑)。Jazzはもっと自然なマスタリングがなされていて当然という思い込みでしたね。

    そういえば、関連していると思いますがブルーノートの再発LP(70年代頃のプレス)で、RVG刻印の無いもののほうが音が自然でよい音だと感じるものがいくつかあります。一時はあえてそれを探していました。まさに同じ系統の話のような気がします。

    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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