Eat it

    Humble Pieのアルバム『Eat it』は、1973年のリリース。前作『Smokin'』が72年、そしてライブ名盤の『Performance Rockin' the Fillmore』が前々作(71年)に当たる。

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    *英国オリジナル盤

    『Eat it』の特徴は、2枚組アルバムであること、そして、レコードのそれぞれの面が個別のカラーと言うか異なった側面を持つ面として、4つのパートに分かれたような内容になっていることか。



    『Performance Rockin' the Fillmore』を最後にPeter Framptonが脱退。それによって、バンドはSteve色が強くなり、『Smokin'』ではSoul/R&B色の強いハードロックが展開されることになる。

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    *ジャケット裏面

    本作『Eat it』は、全4面のうち、スタジオ録音が3面、ライブが1面という変則的な内容で、前述のごとくそれぞれの面は異なった音楽趣向でまとめられている。

    Side-Aは全曲Steveのオリジナルでハードでポップなサウンド。
    Side-BはR&Bのカバー集。
    Side-Cも全曲Steveのオリジナルだけれど、アコースティック寄りなサウンド。
    そして、Side-Dはバンドが最も活き活きとするライブ。

    Side-Aは彼らの1stアルバム風、Side-Cは2ndアルバム風とでも言えば、およそのイメージがつくだろうか。

    前2作を聞くと、Steveがバンドとして目指していたのは、Soul/R&BとRockのさらなる融合だったのかもしれないが、『Eat it』はそれを分解して、融合前の姿に戻しているかのようにも思える。

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    *見開きジャケット内側にブックレットが綴じてある

    それにしても、この時期のSteve Marriottは、創造力に溢れていたのだろうか、Side-A,Side-Cのオリジナル全てを用意し(合計8曲)、あと2曲あればこれだけでアルバム1枚が製作できたかもしれない。

    でも、やはりそれだけでは不十分だったろうから、Side-BのR&Bのカバー集が必要であり、さらにはSide-Dのライブを収録して、バンドとしての全ての顔を見せる必要があったのかな、などと久しぶりに聴いて考えをめぐらせていた。

    それと、Side-Cの最後の曲だけアコースティック寄りなサウンドからSide-A寄りのサウンドに変わるのは、SideA~B~Cとスタジオ録音の面を通して聴いたときの締めくくりを、もう一度SideAっぽい音にしてアルバムとしての統一感を狙ったのかな?などとも思えた。今までそんな風に考えたことは無かったのだけれど。

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    *見開き部分(カナダ盤/ブックレットなし、再発っぽい)

    実は僕は、このアルバムで一番よく聴いた面がSide-BのR&Bのカバー集だった。特にRay Charlesのカバー「I believe to my soul」が本当に格好良くて。

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    *米国盤の内袋とレーベル面

    ところで、このアルバムのミキシングは変わっていて、全曲ではないけれどボーカルは片方のチャンネルに寄せてある(その場合には、コーラスが逆チャンネルに)。

    ボーカルを中央に定位させずとも良いと考えている僕のような人間でも、『Eat it』のサウンドでそういうミキシングをしているというのは、さらに自由なミキシングがあっても良いことを教えてくれている好例かもしれないと思ってしまう。

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    *アルバムからの国内シングルカット(A面1曲目とライブ面から)

    僕が持っているのは英米カナダ盤(と、たぶん国内盤もあったはず)。

    先日紹介したボックスセットと音質を比較すると、個人的に一番良いと思っている米国盤とほぼ同じだけれど、ほんの少しボックスセット盤の音のほうがフレッシュに聞こえた。
    あのボックス、買ってよかった。

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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : Humble Pie ハンブル・パイ Eat It LP レコード

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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