『Sgt.Pepper’s…』新装盤の印象

    本日(と言っても日曜日)に新装『Sgt.Pepper’s…』の2枚組LPとSDEの両方が届いた。

    SDEは配送されてきた箱の開封さえしていないが、2枚組LPは聴いた。
    Remix stereoのメインLPはA面を2回、B面を1回、out takesのサブ?LPは、両面を1回。

    SGT_remix (4)
    *2LP、手前はインサート(カットアウトも付属)

    LP1枚目Remix stereo盤の第一印象は、正直、いまひとつのところもあれば、良くなったように感じたところもあった。


    でも、それが最終的な判断だとは思っていない。そう簡単に判断できるものではない。

    今回はremix作品なのだから、これまで目立たなかった音が目立つとか、その逆もあるというのは当たり前のこと。その点を判断基準として、良かったとか良くなかったとか言う気はない。逆に、その点を判断基準にするのはどうだろう?とは思える。長年親しんできた音の中に新たな発見があるのはremixの前提条件として当たり前なのだから、それは良くも悪くもないどころか、評価対象外だろう。

    1996年だったか、Whoの『Tommy』がremix/remasterされた時には、それまで最終ミックスでカットされて聴けなかったKiethのDrummingが追加された曲があった。初めて聴いたときは、「こんなのはこれまで聴けなかった。すごい!」と思ったものの、すぐにオリジナルミックスの編集の方が良かったと思うようになり、remix/remaster盤は僕にとってはメインではないサブの『Tommy』、あるいは別バージョン扱いになった。

    SGT_remix (9)
    *サイケ内袋も2枚付属

    そういう経験もあり、僕としては新たな発見よりも、これまでと変わらない点をベースにして、作品の魅力が向上したかどうかを判断・評価したい。

    そういう目で見た場合(聴いた場合)、音の配分、つまりミキシングにおける音量の比率や、各トラックに記録された(録音されたであろう)音をしっかりと再現できているかどうか、改変は許容範囲かどうか、そして、最終的なステレオミックスにおけるサウンドがオリジナルを踏襲しながらも+アルファ的な魅力を生み出しているかどうか?というところが判断基準かなと思える。

    また、評価とは別の軸として、「好き嫌い」の観点も存在する。
    人によっては「好き嫌い」=作品評価なのかもしれないけれど、僕はremix作品を好きになることは比率的には少ないこともあって、それらは別物だ。

    それに、『Sgt.Pepper’s…』のような、ロック名盤の上位に来る作品なのだから、この場合の評価はあくまでremix作業に対する評価であって、アルバムの内容に対するものでもないだろう。

    とまぁ、Remix stereo盤を聴いた後、こんなことが脳裏をよぎったので、それを書き留めておくことにした次第。
    半年も経てば、ほぼ自分なりの評価も固まるだろう。


    最後に、これも忘れないように記しておくが、第一印象としていまひとつと思えたのは、最近予習としてオリジナルstereo盤(英国盤とドイツ盤)や近年の再発Mono盤を聴いていたことも関係している。

    特にA面1曲目のタイトル曲を構成する音へのデジタルeffectによる音の変更(基本はEQとハードリミッティング)は、改変度合いが大きく感じられ残念だった。もっとうまいやり方があっただろうにと思えてしまう。
    さらに、ボーカルの音量比率が昔の『Let it be naked』のように大きめなように思えた。つまりremix担当者と僕とではバランス感覚がどうも違うのだ。

    だから、結局、AB面を一通り聴いて、再度A面をかけなおしたが2曲目終わりでやめて、2014年のmono盤を聴くことになってしまった……そうだよ、ボーカルの音量比率は、この配分なんだよ!(笑)

    でも、「She's leaving home」は、速度補正もあって、remixの甲斐があったと思えた。そういう曲もいくつかある。

    それと、out takesのサブLPの音を聴く限り、『Anthology 2』LPよりも音質は向上している。「Getting better」の初期アレンジは当初の意図がわかって良かった。

    あ、本当に最後、remix stereo盤LPの音質だが、マルチトラック→ステレオremixマスター作成における音質劣化が少ないと思われ、英国オリジナルステレオ盤よりもフレッシュな音をしている。とは言え、ものすごく良くなったような印象でもない。
    僕の感覚だと1世代~2世代ほど音が若くなった程度かなと。そのあたりは、使用しているオーディオ機器によって印象は異なるだろうが。



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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : Beatles ビートルズ アルバム レコード LP Sgt. Pepper’s

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    No title

    おはようございます。
    私は結局SDEと2LPを予約していたのですが、直前で2CDと2LPに変更しました。
    私の場合過去箱物を買っても、所有満足だけでしまい込んで聴かない事が殆どなので宝の持ち腐れとなると思い変更しました・・・

    Re: No title

    TETSUさん、こんにちは。

    > 私は結局SDEと2LPを予約していたのですが、直前で2CDと2LPに変更しました。
    > 私の場合過去箱物を買っても、所有満足だけでしまい込んで聴かない事が殆どなので宝の持ち腐れとなると思い変更しました・・・

    僕も正直Boxセットは、発売後すぐはまだしも、それ以降は年に1回聞けば良い方かなと思います。
    確かにもったいないですよね。
    ただ、セッション音源はSDEを買わないと聞けないと思ったので。
    何度も繰り返し聞くとも思えませんが、聞かないわけにもいかない……困ったものです(苦笑)。



    No title

    JDさんこんばんは。

    私もようやくLP聴くことができました。
    そして、リミックス盤の空間構築は私は好きになれました。オリジナルは団子状の音が左右に振られているような狭い印象がどうしても拭えない感覚がありましたので、すっと何も考えずに聴きとおせるのがリミックス盤かなぁと感じています。

    後々感想が覆ることもありますので何とも言えませんが。今の数回聴いたところではそんな感じです。とりあえず「うるさい」とか「やりすぎ」とか思える部分もないような気はします。

    LP2はまだこれからです。

    Re: No title

    Columbiaさん、こんばんは。

    > そして、リミックス盤の空間構築は私は好きになれました。オリジナルは団子状の音が左右に振られているような狭い印象がどうしても拭えない感覚がありましたので、すっと何も考えずに聴きとおせるのがリミックス盤かなぁと感じています。

    そう思えるのは良いですね。僕はそれほどSGTファンでないものの、本作のオリジナルステレオミックスはBeatles作品のステレオミックスの中では出来が良いと思っていたこともあって、昨日の印象のみではまだ50/50ですね。

    それ以前にAmazonの商品レビューで、多くの人が良いとレビューしているのを見た時点で、これは危ないなと思っていました。Beatles作品の再発に関しては、これまで僕は明らかに少数派の意見のようなので(笑)。

    > LP2はまだこれからです。

    LP2については、僕はそれなりに発見があって面白いと思いましたが、繰り返し聴く内容ではなかったかな。
    でも、やはり「Getting better」は良かったです。
    あの感じが最後まで残っていたら、もっと良かったのにと思いました。



    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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