旧CDマスター使用の英国盤『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』

    あと数日で『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の50周年記念盤が発売となる。

    今回は発売前からプレスや関係者向けに音源が開示されているようで、それゆえに既に興味が半減しているというのが本音。やっぱりこういうのは、自分もその他大勢と共に一番乗りでないとありがたみが少ないと気づいた。遅れて手に入れるのと変わらない気がしてしまう。

    SGT_oldCDM (18)
    *旧CDマスター使用の英国盤(左)と国内盤(右)

    さて今回は、旧CDマスター使用の英国盤『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』について、恐らくこの英国盤LPを持っている人しか知らないであろうマニアックな話を。



    『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』がCD化された際、英国盤LPのB面最後のRun-off部分に刻まれていた逆回転の音(以下:「inner groove」と呼ぶ)もちゃんと収録されたことはファンであれば誰もが知っている話。

    本来は、LPの最終溝にかかっていたので、オートリフトアップ機能のないレコードプレーヤーで再生すると「inner groove」の途中から終わりまでをずっとリピートし続けるようになっていた。

    それを元にして、CDでは数回繰り返した後にフェードアウトして終わるように再編集されて収録された。

    この、旧CDマスター使用の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』LPは、英国や日本で発売されている。

    SGT_oldCDM (10)
    *英国盤裏面


    先に米国盤について記しておくと、他の旧CDマスター使用のアルバムと一緒に発売されはしたが、従来の米国盤同様、残念ながら「inner groove」は収録されていない。

    それどころか、run-offに刻まれた型番から推測すると、旧CDマスター以前の米国向けアナログマスターによる原盤が再利用された可能性がある。その場合、当然ながら「inner groove」が収録されるはずがない。
    DMM盤である表示は当然の如くジャケットから削除されている。

    国内(TOJP)盤は、旧CDマスターを正しく使用し、CDと同様に「inner groove」が数回繰り返した後にフェードアウトして終わるようにカッティングされている。

    SGT_oldCDM (26)
    *国内盤レーベル

    ただし、ジャケット裏面記載のDMM盤である表示は、本来は正しくないだろう。

    SGT_oldCDM (23)
    *国内盤

    さて、本家の英国盤だが、これはCD同様、粋なカッティングが施されている。
    旧CDマスターを正しく使用しながらも、従来通り最終溝までを使ったカッティングになっているのだ。つまり、「inner groove」が数回繰り返すにも関わらず、フェードアウトせずに最終溝で延々とあのおかしなしゃべりが繰り返されるというわけだ。とは言え、フェードアウトする前に繰り返しに入るため、実際には3回目が延々と続く。

    SGT_oldCDM (6)
    *英国盤レーベル

    SGT_oldCDM (15)
    *ジャケット裏にはDMM盤であると記載


    ちなみに、2012年登場のremastered LPは、従来盤同様にrun-offに入ってから1回登場し延々と続くカッティング。そのため、旧CDマスター使用盤のカッティングは珍しい。あるいは、CDと同様のフェードアウト終わりの国内盤も珍しいと言えなくもない。当時、ドイツかイタリアのプレスがあったような記憶があるが、持っていないので記憶が定かではないし、あったとしてもどんな風に収録されているか知らない。

    また、先日紹介したデアゴ盤には収録されていない。

    なお、僕の手持ちの旧CDマスター盤は、Appleロゴのない初期盤1枚のみなので、その後リカットされてその部分が変更されている可能性もなくはない。



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    ジャンル : 音楽

    tag : Beatles ビートルズ レコード LP Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club

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    No title

    JDさんこんばんは。

    いよいよ発売近づきましたね。
    リマスターLPなどを聴いたりもしていますが、実はさほど好きなアルバムというわけではないので聴き流しになってしまっています。

    そういう意味では新しいLPにはおおっ、という新鮮味があって欲しいなぁと願う次第です。Sgtのレコードはどうにも作られすぎて自然な音の鳴りの感じが無いように思われたのでその辺りに期待です(無理かな)。

    Re: No title

    Columbiaさん、こんにちは。

    > いよいよ発売近づきましたね。

    もう発売されたみたいですね。
    残念ながら出荷連絡が今日あって、福岡への到着は明後日とのこと(苦笑)。
    でも、記事にも書きましたが、某レココレ誌等に音源についての解説がいち早く出ていたみたいなので、なんだか興ざめしてしまいました。それが本来のプレスと発売側のあるべき関係なのかもしれませんが……。

    > リマスターLPなどを聴いたりもしていますが、実はさほど好きなアルバムというわけではないので聴き流しになってしまっています。

    そうでしたか、僕は昔は好きでしたよ。
    但し、聴きこむほどに数曲はどうにもあまり良いと思えなくなってしまって、今ではLPなのに、わざわざアームを持ち上げてスルーする曲もあります(苦笑)。

    > そういう意味では新しいLPにはおおっ、という新鮮味があって欲しいなぁと願う次第です。Sgtのレコードはどうにも作られすぎて自然な音の鳴りの感じが無いように思われたのでその辺りに期待です(無理かな)。

    アウトテイクについては、その点から満足できるものがあるかもしれないですね。
    アンソロジー2に収録されたものは、より生な印象がありました。

    No title

    こんにちは

    Sgtが最初に出た時にはなんだこれ?と思いましたが何回か聞くにつれて大好きになり、どの曲もベースラインが非常に美しい。
    英盤は1971年頃のものですがその後のリマスターよりも良く、CDは09年が初デジタル化より音がいいと思います。
    本日、リミックスLPが届きましたが、オリジナルを損なってないと感じました。カートはDL-103Rです。
    JDさんのレビューを楽しみにしています。

    Re: No title

    kirinさん、おはようございます。

    予定では今日のうちに新装版が届きます。
    リミックスバージョンですが、Amazonのレビューを読む限りかなり高評価なので、逆に心配になっています(苦笑)。

    ところで、昨日久しぶりに87年CDと09年CDを聴きました。
    「With a help…」のみでの聴き比べです。
    09年CDの方が、仰るとおり、楽器や声などのそれぞれの音の品位・クオリティが上がっています。
    それは09年盤が出た当時からの印象通りでした。

    けれども、87年CDの方に優位を感じる点もありました。
    ひとつは、09年CDの方がマスターテープの経年劣化を微妙に感じてしまうこと。
    もうひとつは、87年CDの方がノイズリダクションによる影響が弱いため、録音スタジオの空気感が(09年盤よりも)残っていること。
    後者はかなりオーディオ的な味わいなので、ほとんどの人は気にならないとは思いますが。




    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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