カートリッジの性能差に驚いた

    今回は久しぶりにオーディオの話で、具体的にはカートリッジの性能の話。ちょっと回り道しながら進める。

    カートリッジの性能の違いがどれほどのものか、これほどまでにはっきりと見せ付けられたレコードが国内盤のこれ、『Petrushka』。

    petrushka (9)
    *見てのとおりの来日記念盤(1964年)


    1957年に英Deccaでステレオ録音されたStravinskyのバレエ音楽『Petrushka』(Ansermet指揮、Suisse Romande管弦楽団演奏)は、優秀録音で名高く、英国オリジナルstereo盤は高額で手も出ない。

    でも、わざわざ英国オリジナルstereo盤を買わずとも、英国製の原盤を使ってプレスされた国内盤があり、それは例のごとく500円ほどで手に入る。本当にバーゲン価格だ。

    あるいは、国内盤を手に入れずとも、英国の廉価盤を手に入れる方法もある。
    Ansermet指揮、Suisse Romande管弦楽団によるStravinskyのバレエ音楽を集めた3枚組LPセットは、東京だと税込み1000円しない値段で買えた!ここにも「Petrushka」が収録されている。

    petrushka (1)
    *英国3LPセット

    但し、3枚のLPに4曲を詰め込むには、1枚あたりに1曲以上を刻む必要があり、仮にオリジナルマスターを使用してあっても(1枚もののLPと比べ)音質的には不利だ。
    実際には、使用マスターに関しては何にもクレジットがない。

    で、先に手に入れたのは英国の3LPセット。
    これを聴いていたときに使用していたのは、常用しているカートリッジ、P-3G(既に生産終了)だった。
    なるほど、これはある程度の音量で聴くとサウンドステージが眼前に立体的に展開するし、僕の好きな低域までしっかりと収録されていて、さすがDecca録音!と唸らされる。こういう音が聴けるのは幸せだ、などと思える。

    これに加え、つい最近、国内盤2種類を手に入れた。
    見た限り、ペラジャケットの盤の方が先に登場したもので、冒頭の写真の帯付のLPは再発盤のようだ。

    petrushka (6)
    *型番と作りからの判断だが、こちらの方が先に出たLPだろう

    レコードのrun-off部分を見ると原盤は両者同じで、大本は英国製の原盤(ZAL-3809-2E/ZAL-3810-3E)からプレスされている。英国マトは彫が浅く、追加で刻まれた国内用のマトが目立つ。

    で、ようやく本題。

    最近、カートリッジをDenonのDL-103Rに変更して聴いていた。それは単純に、P-3Gを長く使うために時々休ませているだけのこと。それに、夜に小さな音量でしか聴かないのならDL-103Rに何の不満もないからだ。

    ところが、国内盤の『Petrushka』を聴くと、まるでモノラル録音かのように音がほぼ中央から聴こえて驚いた。実は国内盤を再生したのは今日が初めてだった。

    ペラジャケを先に、再発を次に聴いたが、案の定同じ音だった。残響にもステレオ感がない。これは英国3LPセットとは違う。もしかしたらモノラルマスターを間違えて使ったとか?などと妄想してしまう。

    では、確認のために英国3LPからも聴いてみよう、と再生して驚いた。国内盤と変わらないのだ!まるで狐につままれたかのような状況だ。昨晩聴いた「I want you hold your hand」は演奏が左右に分かれ、ボーカルはセンターに定位していたから、しっかりステレオ再生されるはずなのだが……。

    で、もしかして?と思い至ったのがカートリッジ。もしかするとDL-103Rは、古いクラシック録音に刻まれた演奏・録音会場の空気感の再現が苦手だったとか?と、P-3Gに付け替えて再生したら……全く別の音が再現された!眼前に広がる音空間が現れるのだ。但し、楽器の配置はそれほど広がった感じはしない。でも、音空間は明らかに立体的だし、楽器の配置(定位)がより明確でしっかりと位置の違いがわかる。モノラルっぽさはない。

    まさか、これほどまでに差が出ていたとは思いもよらなかった。おそらく左右のセパレーションの良さだけではない、録音マイクが拾った空気振動の再現クオリティそのものが全く別グレードなのだろう。誤解を招きたくないが、P-3Gと比較するならDL-103Rは、直接音主体で空間の立体再現に弱い。このレコードをかけた場合には、その差はものすごく大きい。


    確かに、クラシックのレコードを再び聴き始めたのは今年だし、それまではレコードよりもCDをメインにクラシックを聴いていたことは事実。クラシック再生で、2つのカートリッジにここまでの音質差というか、音の再現性に差があったなどとは思わなかった。でも、実際にそうだった。
    今後はクラシックのstereo盤はP-3Gだけを使うことにしよう。



    関連記事
    スポンサーサイト

    テーマ : オーディオ
    ジャンル : 音楽

    tag : ステレオ 再生 カートリッジ クラシック レコード Petrushka

    コメント

    Secret

    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    カレンダー
    07 | 2017/08 | 09
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 31 - -
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR