サイコデリリクト再考

    1993年発売のPete Townshendのアルバム『Psychoderelict』は、商業的に失敗した作品としてファンにとって有名だ。つまり、売れ行きが思わしくなかった。

    psychod (7)

    僕の記憶では、当時LPは発売されなかったように思うし、LPというメディア(あるいはフォーマット)では、これまでに一度も商品化されなかったのでは?



    発表前から、新アルバム『Psychoderelict』は、ロックスターとマスコミの関係を扱ったコンセプトアルバムあるいはロックオペラ的作品になるとの情報がもたらされ、今回はこれまでのWho/Peteのロックオペラ作品になかった〝登場人物の語り〟が挿入されるという話だった。

    当時、日本の音楽雑誌にもいろいろと取り上げられていて、「次のアルバムは力が入っているなぁ」と思った。けれども、内容がまたしてもロックオペラ的作品、さらには語りまで入ると聞いて、正直「時代に合っていない」と思ったし、Peteは純粋な音楽だけの作品に戻って来ないのか?などとも思った。前作が『Iron man』だったから。

    実際、発売されてすぐに購入して聴いたが、想像以上に語りが邪魔に思えた。もしこれが日本語だったならぞっとする。英語圏の人でなくて良かった。

    当時の音楽シーンの流れや僕自身の求めていたものと、『Psychoderelict』は相容れずだったから、たぶん聴いた回数はほんの数回。2桁いってない。

    そんな状況だったので、本作品は棚に入ったままのCDになった。psychod (5)

    その後、語りを抜いた音楽のみのバージョンが、別ジャケットで発売された。
    僕はそれも買った(今回見当たらずだが輸入盤だと思う)。語りなし音楽のみの方が、やはり良かったと思った。

    けれども、今日久しぶり(それこそ20数年ぶり)に語りの入ったCDを最後まで聴いて、当時語りが邪魔していて耳に入ってこないと思えていた楽曲群の出来が非常に良かったと気づかされた。実は当時、音楽のみの盤で聴いても正直ピンと来なかったのだ。

    あれから20数年経過しても「やはり、語りは無いほうが好ましい」とは思えたものの、当時は語りの背景扱いのように思えた楽曲群が、それぞれいつもながらのクオリティを保って作られていたことにようやく気がついた。
    不思議だ。当時は本当に、音楽のみ盤を聴いても収録曲に惹かれなかったというのに……。

    psychod (2)
    *盤面の写真が怖い(苦笑)


    この度のPeteのソロアルバムLPの再発プロジェクトの中に『Psychoderelict』を見つけた時は、「どうせ聴かないのだから買ったところでお金の無駄だ」という考えと「初LP化なのだからファンとしては是非とも買っておけ」という考えが対立し、どちらにするか迷っていたのだけれど、迷いはなくなった。(収録時間から判断し、2枚組になるだろう。)

    ただし、本当に初LP化なのかどうかは、100%の自信があるわけではない。でも、これまで一度も目にしたことがない。

    それと、語りの中には登場人物(男女)のSMチックなシーンがあり、大音量で聴いていると恥ずかしい思いをするかもしれないので注意が必要だ。完全に忘れていて、びっくりしてしまった。






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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : Pete Townshend Psychoderelict サイコデリリクト ピート・タウンゼンド

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    No title

    JDさんこんばんは。

    本作はレヴューなどを読んでみるとピートの一連の作品群とは違うようで、まだ購入していません。しかし、いずれは聴いてみようとおもっている盤です。

    昔はどこをどう聴いても駄盤としか思えなかったようなものも、時を経ると不思議と別の面の魅力を発見するということがありますよね。好きな盤でもありますし、これは不思議だなといつも思いながら音楽を聴いています。

    Re: No title

    Columbiaさん、こちらにもコメントありがとうございます。

    > 本作はレヴューなどを読んでみるとピートの一連の作品群とは違うようで、まだ購入していません。しかし、いずれは聴いてみようとおもっている盤です。

    コンセプトアルバムあるいはロックオペラ的という意味では、まさにPete作品なのですが、ダイアログ形式が当時は違和感ありありでした。ただ、その後のWhoが四重人格をステージで再現するにあたり、曲間に語りを入れるやり方を採用し、こちらが徐々にそれに慣れていったので、本作もようやく聞けるようになったのかもしれません。

    > 昔はどこをどう聴いても駄盤としか思えなかったようなものも、時を経ると不思議と別の面の魅力を発見するということがありますよね。好きな盤でもありますし、これは不思議だなといつも思いながら音楽を聴いています。

    年齢を重ねるにつれ、とっつきにくかったものも受け入れ可能になったのだから、より寛容になってるということでしょうかね。

    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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