Deagostiniから発売されたBeatlesのLP

    Deagostiniから発売されたBeatlesのLPは、ネット情報によるとオリジナルアルバムに関しては2012年のremaster Stereo LP(Box)と共通音源とのこと。
    但し、『Sgt.Pepper's…』は、B面ラストのinner grooveが収録されていないことから別カッティングとのことだった。

    それなら、もしかするとあの忌まわしいEQ/フィルター処理されたマスター(*関連記事はこれ)を使っていない可能性もあるのでは?と一縷の望みを抱いていた。

    DeagoSgtP (6)

    そのDeagostini盤の『Sgt.Pepper's…』を東京で発見。僕が現物を見たのは初めて。迷わず購入した。そして、喜ぶべき結果が待ち受けていた!



    おさらいしておくと、2012年のremaster Stereo LPは、2009年発表のremaster Stereo CD/USB Boxのためのデジタルリマスター音源(24ビット/44.1Khz)から作られている。

    DeagoSgtP (15)
    *表紙の次のページ、シリーズラインナップ
    DeagoSgtP (18)
    *表紙の次のページ(別カット)

    但し、デジタルメディアのCD/USB Boxでは、音にパンチを加えるため若干のリミッター処理が施された。アナログではそれは不要との判断によりノンリミッターのマスターから製作されるとのことで、当時は大いに期待した。

    ところが!だ、アナログ特有の内周歪を回避する目的で、歪を打ち消すような処理を施した初めてのLPになると自信満々のアナウンスがなされて世に出たLPは、特定の帯域をマスクすることでノイズと共に本来の音を消してしまった、何とも中途半端なLPだった。

    その処理を僕は「逆効果」と名づけて呼んでいたが、逆効果は曲によって施されたり、されなかったりで、手前の曲まで普通に聞けていたと思ったら、急に音が一部曇るというかこもると言うか、ある帯域がマスクされているのがわかる不自然なレコードだった。通しで聞くとストレスが溜まった。だから、逆効果の影響がかなり弱い数枚を除き、大半は棚の肥やしになってしまった。

    当時は本当にショックで、逆効果を加えた製作陣に対する恨みをこぼさずにはいられなかった。今考えても、馬鹿げた処理だとしか思えない。ファンの中にはリニアトラッキングアームを使っている人もいるだろうに!

    DeagoSgtP (24)
    *冊子からLPを取り外したところ

    で、ようやく本題。音を確認だ。今回あえて普通の音量で聴いた。
    2012年のremaster Stereo LP『Sgt.Pepper's…』のEUプレスとUSプレスを準備し、さらには80年代のCDマスターからのLP、70年代のアナログプレスも引っ張り出した。

    DeagoSgtP (36)
    *上がDeagostini盤、下は2012EU盤

    まず2012年のEU盤から、「逆効果」が強かったA面ラストの「Being for the Benefit of Mr. Kite!」に針を降ろす……はずが、少し前の「She's Leaving Home」の終わりに針が降りたが、この曲も逆効果が感じられる音に聞こえる。ボーカルやストリングスが眠い。
    次の「Being for …」は、特定帯域のみ何とも抜けの悪い音。特にJohnの声と高域の音がおかしい。

    2012年のUSプレス盤は、昔感じた通りEU盤よりもましだけれど、CDマスターやアナログプレスとは別物。

    で、期待と不安の入り混じるDeagostiniからのLP。
    これも、「She's Leaving Home」の終わりに針が降りたが、瞬時に「あ、これ大丈夫かも!」と思えた。そのまま次の「Being for …」がかかり、イントロが出た途端、大丈夫と確信した。帯域のつながりがスムーズで、高域がマスクされた感じが無かったのだ。
    Johnの声を聴いて喜んだ。「やった、逆効果が施されたマスターは使われていない!」

    結局A面全体+B面のエンディングのみしか聴いていないが、A面に2012年盤のような逆効果は無く、B面終わりのinner groove未収録も確認した。
    これで2012年盤は僕には全く無用の長物となった(売りに出しても数百円だろうな……)。

    DeagoSgtP (27)
    *付属品も2012年盤と共通、レーベルデザインも基本的には共通(番号は違う)

    今回偶然東京でDeagostiniからのBeatlesのLPを見つけられたが、現時点では一部の書店での取り扱いによる限定販売とのこと。

    でも、いずれはJazzのシリーズ同様に全国で発売されるのだろう。
    問題は、『Sgt.Pepper's…』だけが独自カッティングなのかどうか?もし2012年盤と同一のメタル原盤からプレスされていたら最悪だ。

    でもたぶん、このシリーズではもう過去の過ちを繰り返すことはないと思うが……2012年のremaster Stereo LP Boxのような売れ残りは、絶対に避けたいだろうから。




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    ジャンル : 音楽

    tag : Deagostini デアゴスティーニ LP レコード ビートルズ Beatles SGT

    コメント

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    No title

    JDさんこんばんは。

    ディアゴスティーニのこのシリーズ、完全に初耳です。あれば探してみたいですが、ネットでも見つからないですね。

    sgt僕はDMMの盤を持っているのですが、その頃のデジタルマスターが使われているのでしょうか?聞いてみたいですが、やはり地方では入手不能なんでしょうねぇ。

    Re: No title

    Columbiaさん、こんばんは。

    > ディアゴスティーニのこのシリーズ、完全に初耳です。あれば探してみたいですが、ネットでも見つからないですね。

    たぶん3月初め頃だったか?英国で発売開始後に日本でも話題になっていました。
    その後、日本でも販売されたとの話でしたが、特定の書店でしか買えない…どこで買えるの?って感じでした。
    僕は、新品が中古屋で売られていたのを買いました。

    > sgt僕はDMMの盤を持っているのですが、その頃のデジタルマスターが使われているのでしょうか?聞いてみたいですが、やはり地方では入手不能なんでしょうねぇ。

    DMMとなると、CDマスターを使用した盤だと思います。ジャケットにDMMと書いてありましたね。
    でも、実際にDMMでプレスされたのは、ドイツと英国くらいで、日本盤も米国盤も音溝を見る限りDMMでは無かったです。

    2009年のremasterで音が変わったので、CDマスターの盤とも音が違います。でも好みの問題かもしれません。


    No title

    >でも、実際にDMMでプレスされたのは、ドイツと英国くらいで、日本盤も米国盤も音溝を見る限りDMMでは無かったです。

    そうなんですか!
    てっきり信じ込んでいました。DMMとはいかに?と思って購入していたので完全に騙された気分です(笑)。

    No title

    こんにちは~

    ディアゴの日本語表記のSgt.Pperrs…って何でしょうか?過去に出た物でしょうか?それともテスト盤?
    音が良さそうなので欲しいですね~

    ビートルズの日本版のDMMは03年に出ています。例えばABBEY ROADではジャケットの裏面に小さく表記されています。何枚か買いましたが酷い音です。
    日本版DMMよりも英国版DMMの方が音が良いです。でも、英国版DMMでは高音と低音が誇張されていますのでこれも今一と感じています。

    No title

    今回の使用マスターは2009リマスター(デジタル)のステレオ音源ですよね。2012年にアナログ化されましたが、そのときはDMMではありませんでした。当時のシーン・マギーの話では、製品化の前にDMM方式も試してみたが、通常の方式(ラッカー凹版→マスター凸版→マザー凹版→スタンパー凸版→レコード)の方が音がウォームで好ましい結果が出たのでこちらを採用したという話でした。ただし、結果としてはその選択以前に、帯域のカーブを変える実験的なマスタリングによって賛否両論となったところに一番の問題があったわけです。
    今回のDeagostini向けのリカットで問題部分が改善されたのであれば、これは買いですね。2009リマスターそのものは、ハイレゾを聴く限りにおいては非常に優秀なリマスタリングだったことは証明済みなわけですから。全国発売が決定した暁には、拙も前向きに購入を考えたいと思います。

    No title

    JDさん路傍の石こんばんは。

    なるほどなるほど、これでこのアナログ盤の出自がよくわかりました。これは確かに是非とも聴いてみたい盤だと思います。

    ただ、惜しむらくは買えないってこと!!(涙

    Re: No title

    Columbiaさん、こんばんは。

    > そうなんですか!
    > てっきり信じ込んでいました。DMMとはいかに?と思って購入していたので完全に騙された気分です(笑)。

    DMMプレスについては、取り上げる価値がありそうですね。
    情報も集めたいので、近いうちにと思いました。

    Re: No title

    kirinさん、こんばんは。

    > ディアゴの日本語表記のSgt.Pperrs…って何でしょうか?過去に出た物でしょうか?それともテスト盤?

    新たな記事をアップしました。限定販売版?とでも呼べば良いのかな。

    > ビートルズの日本版のDMMは03年に出ています。例えばABBEY ROADではジャケットの裏面に小さく表記されています。何枚か買いましたが酷い音です。

    ジャケット記載のDMMを示す注意書き?は、単純に英国盤の印刷用版を流用しているからだと思っています。それらはTOJP型番での発売時から記載されてます。
    その後の再発国内盤は確かにリカットされていました。でも、あれもDMMではないと思っています。
    そのあたり記事にして、情報を集めようかなと思いました。


    Re: No title

    路傍さん、こんばんは。

    的確なご理解ですね。そのとおりです。

    『SGT』を聴いた限り、2012年盤の音は何だったのか?!って感じで、最初から小賢しいことをしなければ良かったのに・・・!と、あらためて腹立たしさが込上げましたよ。当時の落胆が思い出されました。

    LPの片面に、聴ける曲と聴けない曲が入り混じるのは、スクラッチノイズ以上に僕にはストレスでした。

    Re: No title

    Columbiaさん、再度こんばんは。

    > なるほどなるほど、これでこのアナログ盤の出自がよくわかりました。これは確かに是非とも聴いてみたい盤だと思います。
    > ただ、惜しむらくは買えないってこと!!(涙

    いや、そのうち全国発売になると思いますよ。
    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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