Direct hits その2 「I'm a boy」のミックスについて

    前回『Direct hits』を取り上げた際に見つからなかったドイツ盤が、思わぬ棚から出てきたので紹介することに。また、欧州で発売されたアルバム『The Who』の再発ステレオ盤を聴いていて、「I'm a boy」のミックスについて気づいたこともあり、それも記す。

    ドイツで発売された『Direct hits』と同一内容のLPがこれ、『the best of the Who』。

    DirectHits2 (20)

    ジャケットは両面コーティングありの美しいもの。僕がこのLPをわざわざ購入した理由は、そこだけだったように記憶している(苦笑)。



    ジャケット裏面はメンバーのカラー写真を背景カットして使用。

    DirectHits2 (18)

    1968年の発売なのに、65-66年頃の写真を使用しているが、ベスト盤なので許せる。

    曲目を見るとわかるとおり、選曲・曲順は『Direct hits』と同一。
    ステレオ盤なのだが、使用音源は全曲擬似ステレオだ。

    DirectHits2 (14)
    *レーベル、B面を撮影してしまった

    ジャケット裏写真にはPolydorからドイツで発売済みの2枚のアルバム写真も。(ちなみに、ドイツでも1stは『My generation』で、DeccaからMonoで発売されている。)

    ここに掲載された左端の『The Who』は、アルバム『A quick one』の代わりに欧州で発売されたアルバム。その『The Who』の再発ステレオ盤がこれ。
    選曲は、当時の国内盤『I'm a boy』と共通だが曲順は異なる。

    DirectHits2 (11)
    *ジャケットにコーティングなし、スペイン盤と思われる

    80年代半ばに輸入盤屋に出回っていたWhoのLPで、初期作品を集めたLPは数少なかった。
    僕は当時、再発EPの『Ready steady who』を持っていたので、収録曲は全曲手持ちのレコードで聴けたこともあり、なかなか購入に踏み切れなかったが、最終的にはコレクターとして購入した。

    DirectHits2 (8)
    *裏面とレーベル

    購入後にびっくりしたのが、「Disguises」がtrue stereo mixで収録されていたこと。これには当時狂喜した。残念ながら「Circles」は擬似ステレオだったが。

    さて、久しぶりに針を降ろし、「I'm a boy」のtrue stereo mixを聴くと、間奏部分、右チャンネルに収録のJohnのホルンの音量がかなり小さい。あれ?こんな音量レベルだったっけ?と、国内盤『I'm a boy』を引っ張り出し、さらには、近年のベスト盤でオリジナルミックスからのremasterd CD『The ultimate collection』を聴いてもJohnのホルンの音量は小さかった(ただし、前述レコードよりも音は鮮明に聴き取れる)。

    DirectHits2 (5)
    *右が英国盤CD『The ultimate collection』(3CDセット)

    これで、『Direct hits』のMono/擬似Stereo盤に収録の「I'm a boy」の間奏のホルンがほとんど聞こえない理由がわかった。オリジナルstereo mixをわざわざmonoにした音源が使われていたからだ。
    *過去記事でTrue stereo mixでもよく聞こえるように記したのは誤りだった。

    stereo盤では、一度monoにした音源をわざわざ擬似ステレオ化して使っているわけで、音質劣化していくのは当然だ(他のステレオ曲も同様)。


    最後に、先日すっかり忘れていた国内CDもひょっこり出てきたので聴いたのだが、ここでの「I'm a boy」はオリジナルmono mixが使われているので間奏のホルンの音量は大きい。
    それと、このCDの発売当初の売りは、「I can see for miles」のオリジナルシングルmono mixをあえて収録している点。

    DirectHits2 (2)
    *国内盤CD

    それにしてもこのCD、世界初CD化ではあるかもしれないが、当時税込み2500円だったのか!……今思えば、1500~1800円程度が妥当な気がする。それでも買ってしまうのだから、情けない(苦笑)。






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    tag : Who ザ・フー LP Direct Hits レコード ドイツ盤 擬似ステレオ mono

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    No title

    こんにちは。
    コチラの記事を拝見したあと、いろいろリンクを辿って、偶然某フォーラムでのJDさんのアジマス発言を拝見しました。
    私もアジマスにはウルサイほうでして、さすが同じような宅録経験がある方は共通点が多いなと思ったところです。笑。

    当時のモノマスター復刻で確かに「これはアジマスズレかも?」と勘ぐるものもありますね。今はあまりやりませんが、昔はそういうソースを聴く際、一旦ミキサーに通し、LかRどちらかのみにしてそれをパンでセンターにして聴いてみる、ということをやっていました。それで全部が解決するわけではなかったですが、いくつかは改善したものもあったので、面白い発見だったなと思います。ちなみにこれは、リマスターの際にモノヘッドではなく、ステレオヘッドで再生して制作してた場合のみ有効な技ですね。オフィシャルものではあまりないかもしれません。ブートではそういうのが多かったのです。笑。
    あとは自分のカセットアーカイブ化の際にも大変気を使ったことなんですが、録音した機材と同一の機材で再生する、というのも守っていました。

    ここに書かれてるWhoのホルンの話で思い出したのですが、ステレオの定位ってなかなか奥が深くて、ステレオをただ単に真ん中にすると、位相の関係で引っ込む音があるんですよね。60年代ステレオは特に、楽器を左右に振り切り、ヴォーカルが真ん中、などという定位も多かったので、それを真ん中寄せすると楽器群が小さくなってしまうのですよね。それに気づいたので「ミックスの段階からモノラルでなければ真性モノとは言えない」と意識するようになったと思います。
    ちょっと前まではステレオ定位にけっこう厳しかった音楽界ですけど(いろんな決まりがあった)、最近は「ローファイを狙いました」と言えば、広がらないモノぽいステレオでもOKになったので、自由度があっていい時代だと思います。なので今また再び、モノミックスに興味が惹かれているところなのですね。

    Re: No title

    karakawa-pさん、こんばんは。

    > 偶然某フォーラムでのJDさんのアジマス発言を拝見しました。
    > 私もアジマスにはウルサイほうでして、さすが同じような宅録経験がある方は共通点が多いなと思ったところです。笑。

    現在はデジタル録音が主流で、30代でもテープレコーダー/デッキによる録音を知らない世代かと思われます。
    そういう世代にはアジマスのことはわからないかも、ですね。
    それと、テープデッキはデジタルと違って、避けられない回転ムラがあることも知らないでしょう。
    こういうことを知っているのは音楽ファンでなく録音ファンだけだと思います。

    > ここに書かれてるWhoのホルンの話で思い出したのですが、ステレオの定位ってなかなか奥が深くて、ステレオをただ単に真ん中にすると、位相の関係で引っ込む音があるんですよね。

    そうですね、それも大きく影響しますね。

    >「ミックスの段階からモノラルでなければ真性モノとは言えない」と意識するようになったと思います。

    そう言われると、そのとおりですね。
    フランスやNZでプレスされたモノ盤の中には、届いたマスターはステレオなのに、現地でモノにした盤もありました。
    擬似ステレオの逆版ですよね(笑)。

    > ちょっと前まではステレオ定位にけっこう厳しかった音楽界ですけど(いろんな決まりがあった)、最近は「ローファイを狙いました」と言えば、広がらないモノぽいステレオでもOKになったので、自由度があっていい時代だと思います。なので今また再び、モノミックスに興味が惹かれているところなのですね。

    個人的には60年代の振り切りステレオミックスに親しんでいるので、モノっぽい音よりも、そっちを復活して欲しい派です(苦笑)。とは言え、曲の内容(アレンジ、使用楽器、サウンド)によりけりかなと思います。サイケっぽいのはステレオが好きですね。



    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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