Live AT THE HOLLYWOOD BOWL LP

    当然ながらこれも予約し、他のと同時期に届いていた。
    『Live AT THE HOLLYWOOD BOWL』のLPだ。

    beholLP (2)
    *見開きジャケットだがLPは1枚もの

    でも、ハズレを引いてしまったようで、正直あまり聴く気にならない。
    一つは、盤が波打っている点、もう一つはカッティングレベルがそれほど高くないにも関わらず、音が歪っぽい点による。


    180gの重量盤なので、反りが出るなら片方の面が膨らみ反対側がへこむみたいなことは何度か経験しているが、今回のように波打っているのは、正直初めてだ。
    いったいどうすればこういう変形が起こるのか?不思議で仕方がない。

    もう一つの“歪み”についてだが、4曲目の「Ticket to ride」のイントロの歓声、それに続くJohnのボーカル、共に気になるレベルの歪み。試しにCDを再生すると、確かに元から歪んでいる気もするがLPほどには気にならない。
    カートリッジの針先にゴミでもついているのか?と確認したが問題ないし、他のレコードを聴いても歪がないことから、やはりこのLPの音のようだ。

    結果的に、CD発売時にCDを購入しておいて正解だった。
    この品質では手放しても良いかなと思えるレベル。がっかりした。

    beholLP (4)
    *ジャケット裏面は、JohnとYokoのトロントでのライブ盤を彷彿させる


    ところで、HOLLYWOOD BOWLの録音について、この2ヶ月ほどの間にもちょこちょこと気になる点を確認していた。
    それは、歓声はどのように録音されたのか?という点。

    つまり、歓声は最初から意図的に録音されたのか、あるいは予期せずギターやボーカル、ドラムス等の収音用マイクが拾ってしまったのか?という点がずっと気になっていた。

    beholLP (7)
    *内袋

    まず、過去に紹介したブートの64年録音分と、George Martinに内緒でCapitolが勝手に発表していた『Beatles'story』に収録された64年録音の「Twist and shout」を比較した。

    CDを取り込んでの同期再生や波形確認をしてはいないので、あくまで耳で聴いての判断だが、実は両者の音はそっくりだと思えた。つまり、僕の推測ではブートCDに使われた64年ステレオミックスは海賊版業者が作成したのでなく、Capitolがミックスしたものを使っただけということになる。
    *となると、65年ミックスも同様だろうと言う前提で以下、推論を進める。

    そして、曲が始まる前の歓声の音傾向や「Twist and shout(64年版)」歌いだし時点ではギター側トラックよりもドラムス/ベース側トラックのほうが最初歓声が大きいことから、これはやはり意図的に歓声を録音していたに違いないと思えた。

    結論としては、録音で聴かれる歓声の音量レベルは、録音ミキサー(=収録エンジニア)が設定したものであって(しかも、チャンネル割りや音量バランスを徐々に変えているようだ)、実際ものすごい歓声だったと思うものの、しっかりと調整されて歓声用のマイクで収録されたことは間違いないと思えた。

    なので、歓声から当時のBeatlesの人気が凄かったと判断するのは、ちょっと違う。もっと大きくもできたし、小さくもできた。録音ミキサーは経験的にちょうど良い音量レベルで収録したと考えるのが順当だろう。

    そしてさらには、やはり77年の『AT THE HOLLYWOOD BOWL』の歓声は、Capitol録音のマスターテープよりも大きめだった。つまり、George Martinの演出により、歓声が大きめに盛られ、Beatlesの演奏が聞き取りにくいように作られていた。

    今回の『Live AT THE HOLLYWOOD BOWL』で聴かれる歓声は、最初の4曲だけで言うと、Capitol録音とほぼ変わらないか、あるいは少し抑えた(でもそれほど変わらない)レベルに思える。デミックス技術は、歓声を抑えることよりも、楽器の個々の音を目立たせることに使われたと観る方が正しいのではなかろうか。

    beholLP (12)
    *内袋反対側とレーベル

    ちなみに、ボーカルトラック単体は声が一番大きく明瞭に収録されているので、77年時点においても、やろうと思えば新装版と変わらないぐらい目立たせることは可能だった。
    そうしなかったのは、やはりGeorge Martinの演出によるもの。

    77年盤は、ライナーノーツの内容と演出された音により、あたかもBeatlesのコンサートに居合わせたかのような疑似体験のためのパッケージ・・・でほぼ間違いないように思う。


    ちなみに、観客席から収録された65年のHOLLYWOOD BOWL公演のニュース映像(断片的なものだが)を観ると、周りが叫んでいてもBeatlesの音は思っていた以上に客席に届いている。ほとんど聴こえないのかな?と思っていたが、全然そうではなかった。だからPaulの「Can you hear me?」の呼びかけにしっかりと反応が返ってくるわけだ。


    最後に、新装盤の「Help」のイントロ部分、ちょっと77年盤と違う気がしていたが、ネットで見かけた情報によると、つなぎ箇所が異なるからだそうだ。あれは公式には二つの公演をつないだことを認めていないが、8月29日と30日の両方を繋いで作ってある。その編集ポイント(切り替えポイント)が77年盤とは違っているようだ。

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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : Beatles ビートルズ ハリウッドボウル Hollywood Bowl CD レコード 音質

    コメント

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    No title

    JDさんこんばんは。

    ああ、これは残念ですね。
    僕も注文しておりましたが、記事を読みましてキャンセルしました。参考になりました。

    アナログ盤といえども所詮入れ物なので、音の入れ方次第でどのようにも作れますね。

    完全にCD以上のポテンシャルを感じるLP
    CDと全く音が同じであると感じるLP
    明らかにCDに劣ると感じるLP

    それぞれあります。そして3番目に属するLPを2度聴くことはまずないですね。

    今回のLPはアナログマスターをそのまま云々かんぬん、ではなくてCD用のデジタルマスターを通常の生産ラインでフツーにカッティングした、という感じなんでしょうかね。

    Re: No title

    Columbiaさん、こんばんは。

    > ああ、これは残念ですね。
    > 僕も注文しておりましたが、記事を読みましてキャンセルしました。参考になりました。

    僕の手元に届いたLPは、盤のゆがみだけでなく音も今ひとつだったので、あのように記しました。新品なのに歪っぽい音ではどうしようもありません。
    他に買われた方の音質に関するコメントで、特に同じことを書いているのを見ないので、もしかしたらハズレロットだった可能性があります。


    > アナログ盤といえども所詮入れ物なので、音の入れ方次第でどのようにも作れますね。
    > 完全にCD以上のポテンシャルを感じるLP
    > CDと全く音が同じであると感じるLP
    > 明らかにCDに劣ると感じるLP

    そうですね、Kinksのボックスのように名の知れたエンジニアがカッティングすると本当に良い音がします。
    Beatlesの今回のは、そういう意味では残念でした。
    数年前のMono boxではアナログマスターを使用する拘りがあったし、カッティングにも気を遣っていたはずなんですがね。
    ブックレットやインサートも付属しないし、近年では一番手抜き商品だったのかもしれません。

    年末年始の休暇にでも盤を洗浄して、変化が出るか確認しようかなと思っています。



    No title

    こんにちは。
    初版がリリースされた当時のこと思い出すと、ニューロック〜ハードロックからプログレ、そしてフュージョンももうあったですね(クロスオーバーと呼ばれてた)。
    そうすると録音がよく演奏もよい、というのが普通になっていた時代で、そんななか、録音も古く演奏も決して上手くはないビートルズのライブなどリリースしても批判的に言われるに決まってるだろう、みたいな空気はあった気がします。
    そういった欠点を目立たなくするために、歓声に演奏を埋もれさせてしまえ、みたいに判断したような気がしないでもないですね。後付ですけどね。笑。

    僕より少し若い世代の話を聞くと、ビートルズ再評価の機運が盛り上がってきたのは初CD化時代の前後辺りからだそうです。

    Re: No title

    Karakawa Psann、こんばんは。

    > 初版がリリースされた当時のこと思い出すと、ニューロック〜ハードロックからプログレ、そしてフュージョンももうあったですね(クロスオーバーと呼ばれてた)。
    > そうすると録音がよく演奏もよい、というのが普通になっていた時代で、そんななか、録音も古く演奏も決して上手くはないビートルズのライブなどリリースしても批判的に言われるに決まってるだろう、みたいな空気はあった気がします。

    その視点、重要な気がしました。
    確かに当時は、Beatlesの演奏能力に対しては、かなり冷ややかな風潮の時代でした。
    でも、比較対象を70年代のバリバリの現役グループと比較していた(少なくとも僕の周りのロック好きな連中は)ので、それもおかしいんですけどね。

    > そういった欠点を目立たなくするために、歓声に演奏を埋もれさせてしまえ、みたいに判断したような気がしないでもないですね。後付ですけどね。笑。

    そういう意図は少なからずあったのではないでしょうか。
    当時の技術を考えると、すさまじい歓声だった、演奏が埋もれていた、と一石二鳥のミキシング操作が可能になりますね。

    あの時代、まだモノラル録音作品を音が悪いと決め付けていた時代なので、今と比較すると、録音作品の音作りもまだまだ発展途上だったようにも思えます。今回のコメントを読んで、そのような過渡期作品と捉えるべきなのかな、とも思えました。

    > 僕より少し若い世代の話を聞くと、ビートルズ再評価の機運が盛り上がってきたのは初CD化時代の前後辺りからだそうです。

    へー、そうなんですね。
    初CD化の頃は、僕は逆にビートルズど真ん中世代(ちょうど1世代上)の人達から、こんなに音が良かった・・・みたいな話を良く聞きました。




    プロフィール

    JD

    Author:JD
    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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