Beatles Shea Stadium 関連

    映画『Eight days a week』にセットで上映された1965年のShea Stadium公演は、昔ながらのファンだけでなく、今回初めてBeatlesを観た新たなファンにとっても評判が良いようだ。

    特に、新たにレストアされた画質は、90年代にアンソロジーのVHSビデオを観て驚いたことを思い出させる。なんと、真っ暗だった野球場の空が青かったのだ!これにはびっくりした人が多かったことだろう。

    sheaST (1)
    *これらは手持ちのShea関連アイテム

    でも、使用音源については苦言を呈さずにはいられない点もある。
    そのあたり、リンク先の「ビートルズ音源フォーラム2」で野良さんが詳しくまとめられている。
    映画を観られた方は是非読まれることをお勧めする。

    さて、以下はコアなマニアならご存知のShea Stadium公演映像の音源についての話を、マニアでない方に向けてまとめたもの。



    1965年のShea Stadium公演は撮影された後、前座を含む映像が50分のドキュメンタリー『The Beatles at Shea Stadium』としてTV放映されている(その後、フィルムフェスティバル等でも上映されているし、単体のソフトとしても発売された)。

    その際、Beatlesの演奏については、録音の技術的なミスも含め、音質的に満足できなかった為か、基本的には映像を観ながら翌年1月に録音し直しされている。

    それらは、元演奏の上に新演奏を重ねたもの(一部楽器のみの場合も)や完全に差し替えたもの、さらには、差し替えをあきらめてレコードの音源そのままを使用した「Act naturally」など、曲によって対応の差があった。

    つまり、TVや後のフィルムフェスティバル等で上映された『The Beatles at Shea Stadium』は、当日(1965/8/15)録音された音ではなかった。
    *僕は知らなかったが、80年頃に日本の映画館でMMTとの2本立てで上映されたフィルムにはレコードの音源が当てられていたとの話。ファンからすれば金返せ!みたいな話だ。

    sheaST (18)
    *このブート(のブートっぽい)DVDにはABC-TVの放送用35mmフィルムから完全収録、他

    その後、Beatlesがアンソロジープロジェクトを通してShea Stadium公演の映像をremasteringし、音についても一部はこれまでになかった音源を当てて発表された。

    アンソロジー2のCDには「Everybody's Trying to Be My Baby」が初登場。これは、フィルムから外されたので、差し替え版でない8/15当日の録音だと思われる。

    その後、2005年になり、Shea Stadium公演の(前座を含む)モノラルのオープンリールテープが発見され、オークションに出品されてブートCDとして出回った。

    それが次の2点。
    黒いブックレットタイプは2枚組CD(のみ)で、ぶ厚いケースのものはCD+DVDの3枚組。

    sheaST (9)
    *2CD(音源のみ)
    sheaST (11)
    *2CD+DVD、僕が買った頃は6000円ぐらいもした!

    話によると、前者はリールコピーからの収録、後者はリールからのダイレクト収録。実際にリールの写真も付いている。

    これらで聞かれる音と前述のアンソロジー2収録の「Everybody's Trying to Be My Baby」を聴き比べると、演奏は同一。
    マスタリングの違いは確実にあるが、それ以上にアンソロジーではギターが目立つ音作りで、なんとなく同一のマスターでは無いのでは?と思えなくも無い。そのあたりは不明。

    ブートCDを聴いて好印象だったのは、低音域が非常に大きく録音されていた点。
    やや過多にも思われるが(もしかしたらマスタリングのせいかも)、もし低音域が録音されていなければスカスカな音になってしまって、現代的な音から遠ざかってしまう。
    映画『Eight days a week』とセットで上映されたフィルムでは(僕の観た映画館では)低音域が弱い印象は全く受けなかった。

    アンソロジー2の音はそのような強い低音ではないので、本当にマスターが異なる可能性もある。

    さらに、アンソロジーの映像版では、不思議なステレオ音源も使用されている。ちなみに、この時の「Twist and shout」は、65年のハリウッドボウル公演に置き換えられた。
    そのアンソロジー用と言われる映像は次のブートで観られる。

    sheaST (16)
    *DVD+CD、DVDは91年のアンソロジー用リマスター版らしい


    さて最後に、今回上映された映像に当てられた音源だが、最悪なのは「Twist and shout」で、イントロ部分はオリジナル音声なのに歌が始まると63年のスタジオバージョンをデジタル編集でテンポ・キー調整して歓声にかぶせて使用している。以前のレポートでずっこけたと書いたが、あまりに場違いだ。
    他にスタジオ版を重ねたのが「Baby's in black」で、これも意図がわからなかった。

    他はオリジナル音声を使ったと思われたもの(「I'm down」)もあるが、正直なところ、現在のデジタル技術があればキー調整、テンポ調整、編集で小節を抜くなど朝飯前なので、何がどう行われたかは不明。

    僕が書けるShea Stadium 関連はこれぐらい。

    そういえば、映画本編も音源の差し替え以外に、キーの変更や(もしかしたらテンポアップ?)も多用されていたような印象。
    そういう意味では演出が強く、ドキュメンタリーであっても音についてはフィクションの部類に入る?


    最後に、一番最初に紹介したSheaのDVDには他の米国公演の断片映像集も収録されている。
    ハリウッドボウルの(64年でなく)65年の取材フィルム断片を見る限り、Drumsの音が小さいこと以外は、客席まで思っていた以上に音が届いていてびっくりした。
    あれなら十分に観客も反応を返すだろう。


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    テーマ : 洋楽ロック
    ジャンル : 音楽

    tag : Beatles ビートルズ CD DVD Shea Stadium

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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