映画 ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years を観て

    ここ福岡でも上映が始まったBeatlesのドキュメンタリー映画「EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」。

    1週間程度で上映が終わると予測して、昨日金曜の夜の回を観て来た。

    panfu (5)
    *映画パンフレットとCDをサイズ比較

    何故か博多近辺で上映する映画館がなく、うちから最も近い上映館のTOHOシネマズ福津へ観に行った。



    場所柄か?夜8時の回は客が10人もいなかったように思う。おかげでゆったりと観れて良かったが、人気のなさが残念に思える。

    監督のロン・ハワードは、僕には役者としての印象のほうが強く、特に映画『アメリカングラフィティ』以上に、その時代をTVドラマ化した『Happy Days』のリッチー・カニンガム役こそがとても印象強い・・・・・・と言って、どれくらいの人が知っているだろうか?(苦笑)


    さてこの映画、お金を払ってみる価値はあったかどうか?悩むところ。
    と言うのも、あの時代のことをあまり知らない人が観るには良いかもしれないが、Beatlesと60年代ロック/ポップシーンのマニアにとっては、あまり目新しく映る部分はない気がする。
    その場で購入したパンフレットに“The band you know, the story you don’t”とあるが、正直、Beatlesマニアにとってはthe story we knowに違いない。

    初めて観る画質の悪い細切れ映像は数多くあるが、やはり本質ではないし。

    米国の大統領暗殺による暗いムードを音楽の力で一変させたのがBeatlesだったと言うのは、他人から聞かされて知るよりも、自分で辿りつく方が得るものは大きいと思う(興味があるなら)。60年代の若者向け音楽と社会情勢を同時に観る目と耳があれば、皆自ずと辿りつく答えなので(僕も昔たどり着いた一人)。

    映画そのものはサブタイトル通り、ツアー期の彼らにスポットを当てて、彼らの人気と彼らを取り巻く状況みたいなものから、当時のBeatles人気を客観的に提示しているし、彼らのパフォーマーとしての立ち位置もしっかりと伝えている。

    特に、今後あの時代はもう二度と現れないのではないか?と思われるような熱狂振りは、僕が彼らを知った70年代後半でさえ既に過去のものだったが、今観てもすさまじい。やはりそれは、60年代特有のものだったように思える(実際、Beatles以外のアーティストもあのような歓声で迎えられていた)。

    panfu (8)
    *パンフレットアウター裏面

    (僕の知らない)有名人?が時々登場し思いを語る部分については、彼らが当時コンサートに行った思い出話は映画の主旨に沿うものだが、一部のBeatleフリークだけに根強い考えのようにしか思えないような作曲家のコメントは客観的に思えず、映画の主題からも不要だったのではなかろうか?今思い出しても胡散臭い。

    また、日本人写真家の話も要点がわかりにくく、流れがさえぎられた気がした。整理して手短に紹介すべきだったのでは?(これが含まれるのは、日本公開版のみなのかもしれないが。)


    再び、作品としてこの映画を捉えると、90年代にまとめられた「アンソロジープロジェクト」の番外編とでも言えばわかりやすいかも。そういう印象を受けた。

    個人的には66年の米国公演で終わらせたほうがまとまりが良かったように思うし、実際The Touring Yearsと言うからには、そうすべきだったのでは?その点も残念だった。

    さらに残念なのは、今頃制作されたせいで、(今でも現役とは言え)Paul McCartneyがあまりにおじいさんになっていて、その変化が痛々しかった。比較対象が20代なのだから観てるこちらが苦しくなるほど。特に、容姿よりもしゃべり声がね。まさにアンソロジー時代に作っておくべきだった。Georgeも存命だったし。

    あと、新装版ハリウッドボウルの音源が随所に差し替え的に使われていて、それら元パフォーマンスのオリジナル音源も十分に音質は悪くなかったはず(特に63年末のものは)なので、それらの差し替えも蛇足だったのでは?と思えてしまう。

    映画本編に付随するSHEA Stadium公演の1曲目「Twist and shout」には、ずっこけた人が大半だったろうと思う。どうしてアルバム『PPM』収録のスタジオバージョンを編集してここに使うのか?あまりの対応のまずさにこっちまで恥ずかしくなった。最もありえない低レベル(低センス)あるいは雑な選択。
    *昔のVideoには、ハリウッドボウルの65/8/30録音が使われていたことは良く知られた話

    と、いつもながら辛口コメントを書いたが、初めて彼らを観る人でも、本編のみでも十分に彼らのパフォーマンスに惹きこまれることだと思う。


    最後に、過去記事コメントの修正を伝えておく。
    65年録音分は不明だが、64年のハリウッドボウルでのDrumsの録音は、映像から判断し(その後、帰宅後に再度64年録分を一通り聴き)録音マイクは頭上からのものと、バスドラムに貼り付けたもの、2本だけで収録しているようだ。予想外だった。
    64年録音は、スネアの音が不鮮明でシンバル・ハイハット類が大きめだが、65年録音分はスネアが鮮明に、シンバル類は小さめ。バスドラも(64年録音との比較で)不明瞭。ここから判断すると65年も2マイク録音っぽい。

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    ジャンル : 音楽

    tag : 映画 ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years

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    自分の感覚としては(昔の?)ラジオDJのネット版のようなもののつもり。僕は1970年代のオーディオ全盛期の最後に属する世代で、ペアマイク持参で生録に挑戦した世代。国内盤LPが高価だったので輸入盤を買っていた、そういう中高生時代を過ごした。

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